西穂独標(田代池)10月 上高地から登る西穂高岳

西穂独標

田代池 2017年10月11日

西穂独標

穂高岳連峰を形成する峰のひとつ西穂高岳。
標高2909mの山頂部は東西は切れ落ちた岩崖、南北は険しい岩の稜線が続く。
特に北側はジャンダルムに代表される奥穂高岳への縦走路にあたり、北アルプス屈指の難コースとして知られている。
一般的な南側の登山道も大小13個の峰が連続し、一般登山道ながらも狭い岩尾根が続く険しいコースになっている。

独標と呼ばれる西穂高岳の11峰は、本格的な岩場が始まる最初の峰でもあり、もっとも多くの登山者が訪れる峰のひとつでもある。
明神岳や前穂高岳、西穂高岳山頂がよく見渡せるほか、笠ヶ岳、霞沢岳といった北アルプス南部の名山を見渡すことができる。

西穂山荘までの樹林帯を過ぎると、ハイマツに覆われた登山道に変わり、一気に視界が開ける。
ガレ場の続く中、周囲を見渡しながら歩くことのできる登山道が西穂高岳の特徴で、丸山、独標と場所に限らず、その美しい眺望が楽しめる。
樹林帯の穏やかさと、岩場の険しさを楽しめるのも特長で、レベルに応じて行く先を決められるのもおもしろい。

ゆっくりとした時間に出発をし、午前10時頃に上高地から穂高岳を見上げると、青空が広がり僅かな雲が浮かんでいる。
天気予報では昼から午後にかけて雲が広がり、夕方には雨雲に覆われ、場合によっては雨が降り出すという予報。
ペースと天候を見ながら、行き着く場所を考えての登山になった。

西穂独標への行程

上高地行きのバスに乗り田代池へと向かう。
今回のルートは田代池から登り、下山は新穂高ロープウェイを使う予定のため、中間地点の平湯温泉の駐車場に車を停める。
平湯温泉から上高地へは1050円。
新穂高ロープウェイからは乗り合いバスで890円の料金で平湯温泉へと戻れる。

  1. 田代池
  2. 焼岳分岐(1:28)
  3. 西穂山荘(1:41)
  4. 西穂丸山(1:54)
  5. 西穂独標(2:26)
  6. 西穂山荘(2:54)
  7. 新穂高ロープウェイ西穂高口(3:27)
  • 上高地から穂高岳を見る
    上高地から穂高岳を見る
  • 田代池へ戻る
    田代池へ戻る
  • ここが登山口
    ここが登山口

続きを読む

田代池から西穂高岳へ

上高地のバスターミナルでバスを降り、梓川沿いに帝国ホテル方面へと下りていく。
振り返り川の流れ越しに穂高岳連峰を見つつ、観光客と擦れ違いながら20分ほど。
登山口のゲートに到着した。

左は焼岳登山口、右はウェストン園地という分岐の真ん中にある西穂高岳登山口。
入口で登山届けを提出し、登山道へと入っていく。
足元は大きな石と葉の落ちた柔らかな土の登山道。
緩やかな登り坂を折れ曲がりながら進んで行くと、15分ほどのところで登り坂に差し掛かる。
それまでの緩やかさとは一変して、一気に標高を上げていくような急勾配で、折れ曲がりながら、ところどころで整備された階段を登りながら。
樹林帯に囲まれた中の急坂はとにかく我慢をし続けるようなもので、足に溜まっていく疲労と、どこまでも変わらない景色が続いていく。

登山口から40分ほど経ったところで、前が明るくなり青空が広く見えた。
それまで続いていた急坂が緩まるような予感と、西穂高岳の稜線が近づいている期待とを持ちつつ登っていくと、木々の合間から前穂高岳が見えた。
そして近くも高く見えるのは西穂丸山から独標への登り坂。
ハイマツに覆われた中に白い登山道が見える。

  • 出だしは緩やか
    出だしは緩やか
  • 急坂が始まる
    急坂が始まる
  • 階段も多い
    階段も多い
  • 紅葉は控えめ
    紅葉は控えめ
  • この看板が多い
    この看板が多い
  • 登り坂は続く
    登り坂は続く
  • 行く先が明るい
    行く先が明るい

登り続けた登山道は緩やかに変わり、細い尾根を渡るように続いていく。
橋が掛けられた尾根を過ぎ、高い段差に足を掛け、尾根を進んで行くと再び急な登り坂が始まる。
最終水場の「宝水」を過ぎると周りを覆っていた木々も疎らなところが多くなり、霞沢岳などの東側の景色が良く見えるようになってきた。

  • 向こうに穂高岳が見える
    向こうに穂高岳が見える
  • 登りから緩やかな坂に
    登りから緩やかな坂に
  • 細いところもある
    細いところもある
  • 最終水場
    最終水場
  • 水場からまた登る
    水場からまた登る
  • 霞沢岳が見える
    霞沢岳が見える
  • いったん緩くなる
    いったん緩くなる
  • 石段を登る
    石段を登る

右へ左へと折り返しながら登り、いったん勾配が緩まったあと、階段のように石が積まれた登り坂を直登していく。
ほんの3分ほどの直登が堪え、大変な思いをしながらの登り切ると、平坦になった登山道の先に標が見えた。

まっすぐに進めば焼岳、右へ進めば西穂高岳。
矢印の示すとおりに右へと進み、さらに続く登り坂を進み、15分と掛からずに西穂山荘へ。

  • なんとなく近づいた気になる
    なんとなく近づいた気になる
  • この登りが堪える
    この登りが堪える
  • 穏やかなところが増える
    穏やかなところが増える
  • 焼岳との分岐
    焼岳との分岐
  • 分岐から西穂山荘へ
    分岐から西穂山荘へ
  • 西穂山荘が見えた
    西穂山荘が見えた
  • 西穂山荘は人がいっぱい
    西穂山荘は人がいっぱい

西穂山荘

ようやく景色が開け、それまでほとんど会うことの無かった登山者もここではたくさん休憩をしていた。
登山口からは1時間40分ほど。
実際の時間よりも長く感じた登りだった。

西穂山荘でいったん息を整え、西穂高岳方面へと進む。
樹林帯を抜けハイマツに囲まれた稜線は風が強く、それまでは暑く汗を流して登ってきたのと対照的に一気に体が冷えていく。
登山口ではすっきりと見えていた空は雲が多くなり、強い風と同じ方向へとても早く流れていた。
予報ではこのあとは雲が広がり、雨が降り出してもおかしくない状態。
風が強いこともあり、山頂まで行くのは状況的に楽しむことができないと判断をした。

  • 西穂高岳へ
    西穂高岳へ
  • 雲行きが怪しい
    雲行きが怪しい
  • 左側には笠ヶ岳
    左側には笠ヶ岳
  • 西穂山荘を振り返る
    西穂山荘を振り返る
  • 右に霞沢岳
    右に霞沢岳
  • 山頂部は真っ白
    山頂部は真っ白
  • 丸山はそこ
    丸山はそこ

西穂丸山

西穂山荘から最初の峰の西穂丸山へは、急勾配のガレ場を登っていく。
左を見ると笠ヶ岳、右を見ると霞沢岳が見え、青空ならテンション高く登っていくことができる。
振り返ると雲がかかり始めた焼岳と、すでに雲の中で見ることのできない乗鞍岳方面。
西穂高岳山頂も雲の中に隠れてしまっている。

西穂山荘から12・13分で丸山へ到着。
この場所も笠ヶ岳方面を見るには景色の良い場所で、何人かの人がリュックを置いて景色を楽しんでいる。
土の多かった登山道は、ここから細かな石が多くなっていく。

  • 丸山に着いた
    丸山に着いた
  • 下からも見えていた登り
    下からも見えていた登り

登山道中から見えたハイマツに囲まれた白い登山道にようやく辿り着き、細かく折り返しながらガレガレの登り坂を進んで行く。
標高を上げていくに従って風は強く冷たくなり、ハイマツのガレ場を登り切ったあたりでは、ウィンドブレーカーなどを着て歩いている人も多く見られた。
笠ヶ岳も山頂部は雲に隠れてしまっている。
ただ雲の流れが速いためかそれまで隠れていた山頂は青空が広がり、西穂高岳らしい岩峰が続く景色を楽しめた。

  • 登ってきたら山頂は青空
    登ってきたら山頂は青空
  • 独標はあの上
    独標はあの上
  • 独標への岩場
    独標への岩場

西穂独標が近づくと岩の斜面をトラバースするようなところが50mほど続き10mほど岩場を下りていく。
左右は深く落ちた岩の斜面のため、高さのある段差は手を使いながら。
西穂独標の直下では鎖と傾斜のある岩場が続く。
こまめに付けてもらっているマーキングを追い、わりとしっかりとしている岩場に足を置き、高い段差と鎖のある傾斜を登っていく。
高度感があるのと尖った岩場による足元の悪さはあるものの、難しさを感じるほどの岩場ではなく距離も長くはないため、ゆっくりと落ち着いて登ることができる。

西穂独標

登山口の田代池からは2時間26分。
体感時間では4時間ほど歩いたような感覚で、2ヶ月ほどしっかりとした登山から離れていたことと序盤からの急勾配ということもあり、太股は持ち上げるのが大変なほどだった。

風は相変わらずの強さで、青空と厚い雲が交互に景色を変えていくようだった。
タイミングが良ければ青空の下で山頂に立つことのできそうにも感じられたが、逆に雲に覆われたままになることや、強風の中でここからの本格的な岩場へと進むのは太股がダメだと言っていた。

着いた時間が早くはなかったためか西穂独標にくる人も疎らで、狭い峰の上でしばらく景色を楽しむことができた。
稜線の先に続く西穂高岳山頂、その右奥には吊り尾根から前穂高岳と明神岳。
真下の岳沢は紅葉の盛りを過ぎたくらいで、小梨平はこれからが最盛期を迎えそうな雰囲気だった。
東側の霞沢岳と六百山、その左肩には南アルプスが続き、うっすらと見える甲斐駒ヶ岳の後ろには富士山が見えていた。
八ヶ岳も雲の合間から見える。
西側の笠ヶ岳の稜線は雲の流れが速く、そこから北側の北アルプス奥部の様子が見えない。
眼下の新穂高も白く霞んで見え、南側の焼岳や乗鞍岳も楽しめる眺望では無かった。

  • 独標に着いた
    独標に着いた
  • 遠くに富士山が見える
    遠くに富士山が見える
  • 下の岳沢は紅葉が良い感じ
    下の岳沢は紅葉が良い感じ
  • 登山口方面を見下ろす
    登山口方面を見下ろす
  • 西穂独標はこれくらいの広さ
    西穂独標はこれくらいの広さ
  • 山頂は近く見える
    山頂は近く見える
  • 笠ヶ岳も雲が取れた
    笠ヶ岳も雲が取れた

新穂高ロープウェイへの下山

独標の上でしばらく景色を楽しんでから下山を開始。
下りは西穂山荘から新穂高ロープウェイへと下りる。

  • ガレガレの登山道を下る
    ガレガレの登山道を下る
  • 西穂山荘から右へ
    西穂山荘から右へ
  • 樹林帯を下りていく
    樹林帯を下りていく

独標の岩場を下り、ガレ場を過ぎてハイマツに囲まれながら丸山、西穂山荘へと下りていく。
登りで冷たく感じられた風は下りでは体が温まる方が早いのか、まったく冷たさや強さも感じず、西穂独標から30分と掛からずに西穂山荘へと到着した。
西穂山荘の手前にある分岐を標に従って右へ進み樹林帯の中に戻っていく。
土と大きな石の急坂を下りていくと、田代池からとは比べられないほどの人たちと擦れ違う。
追い越していく人の数も比べられないほど。

  • 西穂高岳を振り返る
    西穂高岳を振り返る
  • 下りると登り返しもある
    下りると登り返しもある

下り坂と登り返しを繰り返しながら新穂高ロープウェイに着いたのは、独標から1時間を過ぎたところだった。
ロープウェイ駅はさすがの人の多さで、平日とはいえ紅葉を楽しみにきた日本人含め外国人観光客に囲まれる。
登山装備を持っている人が2・3人という中で、リュックを抱えてロープウェイに乗るのも申し訳がないくらいで、鍋平からの第1ロープウェイでは登山者はひとりだけになってしまっていた。

新穂高ロープウェイの外にあるバス停で平湯温泉方面へのバスを待ち、満員の中30分ほどバスに揺られて出発地点へと戻る。

  • 整備されていて歩きやすい
    整備されていて歩きやすい
  • ロープウェイ付近にきた
    ロープウェイ付近にきた
  • ロープウェイ駅到着
    ロープウェイ駅到着

「西穂独標 田代池」登山ルート

西穂独標 田代池 登山レビュー

最高地点
2,701m
登山口標高
1,505m
距離
7.930km
登り
田代池
下り
新穂高ロープウェイ
行動時間
登り2:26
下り1:01
合計3:27
累積標高
(+)1,239m
(-)616m
平均斜度
13.2度
歩行速度
2.30km/h
時期
2017年10月
天気
晴れのち曇り

2017年は穂高岳のどこかの峰へ行きたいと思い続けていました。
多い続けた甲斐があったのか、ようやく向かったのは田代池からの西穂高岳です。

上高地側から西穂山荘へと続く登山口へ入りました。
急勾配の登りが続くことは分かっていたのですが、久しぶりの登山になったこともあり、序盤からとても太股に堪える登山になりました。
西穂山荘からは風が強くなったことと、天気予報通りに雲が厚く雨が降りそうな天候に変わったこともあり、無理せず独標までの登山としました。
ロープウェイを使って登ることが一般的な西穂高岳なので、独標というと山頂までの道半ばという印象もありますが、田代池からの登山口は標高差もあり、しっかりと歩けました。

体調を整え天候の良い日に同じ登山口から山頂を目指したいと思います。

以前から穂高岳を東から西へと横断することを計画していたため、今回は独標でしたが、もともとは岳沢から奥穂、白出沢というルートでした。
その中で交通機関を調べていたため、とてもスムーズに移動ができたと思っています。
他の山でも反対側へ下りて戻るというのが楽しめるので、チャンスがあればよく調べてやってみたいと思います。

この記事はいかがでしたか?

穂高岳周辺の山

同じ時季に登った山

穂高岳立ち寄り情報

人気のある登山記事