最近、多くのメディアで目にするAmazfit T-Rex3ですが、どれも”最強”や”最高峰”といったような強烈な言葉で絶賛されているのを目にします。
本当なのかと疑いたくなるほどの大絶賛ばかりなのですが、試す機会ができたため、普段使いから登山まで使ってみたのですが、「どちらかというと価格・機能的にも初心者向けなのかな」と感じました。
これまで、CASIOやSUUNTOなどのウォッチブランドの腕時計を身につけてきましたが、Amazfit T-Rex3を試すことができる機会を頂いたため、「良いところ・そうではなかったところ」を体験談・感想としてご紹介したいと思います。
登山やアウトドアを楽しむ際には、道に迷わないためのナビゲーションや体調管理のためのツールが欠かせません。
最近では手軽に身につけて情報が得られるスマートウォッチのなかでも、登山やアウトドア専用のモデルも多く発売されています。
GARMINをはじめとしてSUUNTOやCASIOなどがありますが、中国に本社を置くAmazfitという比較的新しいメーカーも出てきました。
Amazfitは機能と価格とのバランスが抑えられ、コストパフォーマンスが良いことでも人気があります。
他社が6万〜20万円といったラインナップを揃えている中、AmazfitのT-Rex 3というモデルは4万円未満という価格でありながら、本格的な登山向けスマートウォッチとして注目されています。
険しく高い山で使える堅牢性と、高度や距離、心拍数などの必要な情報が得られる機能性も持っています。
特に注目されているのは、最大で27日間も使えるとされているバッテリー、スマホアプリと連動して表示できるコース案内など、特に初心者には頼れるモデルになっています。
Amazfit T-Rex 3は、登山やアウトドアを楽しんでいる最中の環境にも耐えられるという「タフネス設計」が特徴です。
実際、そんな環境で使うことはないと思うほどに極端な数値がスペックとして発表されています。
Amazfit T-Rex3は軍事規格の耐久性テストに沿った設計になっているため、たとえばサウナのような70度、低温では-30度まで耐えられます。
サウナのような環境で山に登ることは無さそうですが、-30度は冬季の八ヶ岳などで体感できるため、積雪期の北アルプスや北海道などでは役に立たないかもしれません。
ただ衝撃には強く、手元から落下した程度では目立ったキズすらもないため、使用時の安心感があります。
防水性能は水深50m、よほどの渡渉や大雨でも問題は無さそうです。
冬季のテントなどで湿気による水濡れからの氷点下での凍結となると条件も変わりそうですが、夏季であれば問題は無さそうです。
規格では最大27日間まで使用可能ということになっています。
実際、長く使用することができ、各メディアのレビューでもこの点は高く評価されています。
手元で試してみたところ、日常的な使用でだいたい一週間から10日間は使うことができました。
そこまで長期の縦走ということも滅多にないと思いますので、複数日の登山でも大丈夫そうです。
アウトドア向けでなくても、スマートウォッチといえば位置情報を取得できるものも増えました。
Amazfit T-Rex3でも高精度の衛星システムに複数対応しており、正確な位置情報が取得できるようになっています。
とはいえ、どのメーカーでも気圧や状況で数メートルから100メートルほどはズレることもあり、Amazfit T-Rex3だから特に何かが優れていたり劣っていたりという点は感じられませんでした。
ただ登山中の記録が残るため、下山後に振り返ったり緊急時の位置共有には役立ちそうです。
特に気にするところといえば心拍数です。
定期的に測定ができる設定があるため、運動強度がどの程度のものか、常に知ることができます。
自分の登るペースとして、どの数値が適しているのかを日ごろから知っておけば、登山時でも参考にしやすいはずです。
スマホアプリを通じて記録できるところも便利です。
他社ブランドでは専用のサーバーへアップロードされますが、Amazfit T-Rex3ではiCloudなどに保存ができます。
比較項目 | Amazfit T-Rex3 | Amazfit T-Rex2 | Amazfit T-Rex Ultra |
---|---|---|---|
スクリーン | 1.5インチ | 1.39インチ | 1.39インチ |
輝度 | 最大2000nit | 最大1000nit | 最大1000nit |
ディスプレイコーティング | ゴリラガラス | 強化ガラス | 強化ガラス |
ストラップ素材 | リキッドシリコン(抗菌性で肌に優しい) | シリコン | シリコン |
MIL規格 | 9項目の環境耐性試験をクリア | 15項目の環境耐性試験をクリア | 15項目の環境耐性試験をクリア |
マイク | ○ | × | × |
防水 | 10ATM(45mのフリーダイビングに対応) | 10ATM(水泳のみ対応) | 10ATM(30mのフリーダイビングに対応) |
アウトドアでの使用を前提としているデバイスなので手軽に操作できることが求められますが、登山中はじっと長く画面を見る状況ではないことが多いため、さらに操作性の良さが重視されます。
アウトドアウォッチといえば、タッチスクリーンの画面操作だけではなく物理ボタンも重宝されます。
たとえば雨が降っているとき、防水性のがあっても濡れた手や雨天時に操作できないと致命的です。
また-30度まで使うような状況で、タッチスクリーンのみの操作になるとグローブを外す必要があり凍傷の恐れもあります。
Amazfit T-Rex3では物理ボタンでほとんどの操作が可能なうえに、グローブモードで2mmの厚さまでは操作できるようになっています。
そのため登山時の操作でも問題はありませんが、アウターグローブ着用でグローブモードを試してみたところ、ほぼ役には立ちませんでした。
グローブモードは日常使い程度に留めておくのが安心かもしれません。
冬季にはこちらのグローブに合わせて、インナーグローブも使用しているため、グローブモードは反応しませんでした。
ちなみに濡れた指で操作したところ、タッチスクリーンは反応が鈍くなりましたが、他社でも同じだと思います。
バンドが若干堅く感じられますが、着用した印象は悪くありませんでした。
素材自体は厚くないため、他社ブランドほどの安心感はありませんが、簡単に切れてしまうことも無さそうです。
公式では最大27日間と記載があるのですが、日常使いでは一週間、長くて10日が充電のタイミングと感じました。
さらに登山時のナビゲーション機能などを使用すると、バッテリーの消費が激しいことが想像できますが、2泊3日や一週間近い縦走でしたら問題は無さそうです。
GARMINなどから発売されているソーラー充電型のモデルでしたら、途中でのエネルギー補給も可能ですが、Amazfit T-Rex3の場合は使用前に満充電にしておいたほうが良さそうです。
Amazfit T-Rex3の強みとして、ヤマレコやYamapからGPXをエクスポートしてナビゲーション機能として使えることが挙げられます。
GPXを使うのなら登山アプリではなくても可能なので、たとえばGoogleマップやカシミールなどでも同じようにナビゲーション用のファイルが作れます。
ただ、ワンタッチというわけではないので慣れが必要です。
慣れということでいえば、小さな画面でコースや地形を確認するよりも、紙のほうが大きく現在時を確認しやすいともいえますが・・・
Amazfit T-Rex3はスマートウォッチなので、スマホとの連携が前提です。
専用アプリをスマホ側に入れておき、基本的な設定はすべてアプリで行います。
外に出たときだけ時計の操作を行うと思っていた方が無難です。
また堅牢性が高いとはいえ、岩稜に擦ったり落したりして、思いがけず傷を付けることもあるので、保護フィルムなどは用意しておいたほうが良いかもしれません。 1000円未満の予算で気兼ねなく操作ができますので。
Amazfit T-Rex 3 48mm
価格:39,900円 (税込)