土屋氏を語りました

土屋氏を語りました

土屋氏が登山を始めたのは2012年。
初めて登った妙高山で雨に打たれ風に吹かれ、登頂することなく7合目で撤退しました。
麓では快晴という天候ながら、山頂部だけが荒れるという運の悪さはその後も発揮され、それから数回は眺望を楽しむことのできない登山が繰り返されました。

シーズンや山域を問わず、運悪く悪天候になっても山へと向かう姿勢と意気込みは、いったい何を目的に登っているのか考えさせられるようです。
自らの口で語ることのない土屋氏を紹介したいと思います。
(2018.04)

土屋氏

彼を妙高へ連れて行こう

2013年9月、妙高山へと誘いました。
天気予報は晴れ、朝早い時間帯から快晴に恵まれ、登山口へと向かう車中からはモルゲンロートに染まる妙高山が見えました。
その景色にテンションを上げながら、燕温泉から妙高山へと向かいました。
土屋氏にとっては初めての登山。
それまで学校行事や部活動で強制的に登らされることはあっても、自主的に山に登ろうということは無かったと思います。

天候に恵まれない日々が続く

初めての妙高山は5合目付近からガスに覆われ始め、標高を上げるほどに雨が当たるようになって風が強く吹きました。
擦れ違った人から山頂近くの状況を聞き、登っても眺望が楽しめないばかりか、危険性も感じたために7合目を過ぎたあたりで下山。
麓の温泉から眺めた妙高山は山頂部だけがガスに覆われている状態でした。
その様子に悪態をつきながらも、初めての登山は楽しめたらしく、登山靴やリュックを揃え始めていました。

土屋氏

夏の山へ

次に土屋氏が目指した山は蓼科山。
職業柄、なかなかゆっくりとした休日を過ごすことができず、初めての妙高山から1年以上の月日が経っていました。
久しぶりということもあり、蓼科山は七合目からゆっくりと登ることに。
決して急ぐ必要も無い登山道で、土屋氏は岩を飛び渡るように駆け上がり、2時間足らずで山頂へ到着していました。
日常的に運動をしているわけではない彼のバランス感覚と体力は、中学時代の部活動、大人になってからも週一回のペースで楽しんでいるバスケットボール。
その後に登った唐松岳でも駆け上がるように登頂し、下山も含めて3時間という行程でした。
残念だったのは蓼科山は雨に降られなかったものの眺望は無く、唐松岳に至っては救助隊の姿を見かけるほどの悪天候だったこと。
いずれも山頂付近までは青空が見えていたにも関わらず。

土屋氏

初めての青空

登山をする土屋氏が初めて青空を見たのは9月の西穂高岳でした。
工事用のヘルメットをかぶり、一度も晴れたことがないとこぼしていた土屋氏を快晴の北アルプスが迎えていました。
初めて見る2500m越えの北アルプスは、間違いなく彼を登山へと引き込んでいったと思います。
相変わらずのバランス感覚と体力で、狭い岩場や高度感のある鎖場も難なくクリアし、日帰りの西穂高岳を楽しんでいる様子でした。
その後も晴天は続き、西穂高岳後の戸隠山でも快晴。
蟻の塔渡りという難所も難なく歩いて行く姿には頼もしさを感じました。

山へ行くよりも仕事優先

仕事を大切にする土屋氏は、頻繁に山に登ることができないため、のめり込むほどでもなく、また良い道具を揃えるほどでもありません。
量販店にあるトレッキングシューズと、着慣れた服、ちょっと背伸びをした専門的なザックで山へと向かいます。
朝早くから夜遅くまで仕事をこなし、依頼があれば休日問わず現場へと向かいます。
それは頼もしくもあり、社会人のあるべき姿のようにも見えます。

土屋氏

槍ヶ岳?ふーん

とても不思議に思えるのが、土屋氏は山に登るにも関わらず、山そのものには全く興味を示さないところです。
彼のポリシーは「同じ山には2度と登らない」ということ。
シーズンや登山道が違えば同じ山頂も違うもののように感じるものですが、土屋氏にとってはそうではなく、登山を始めた当初から「登らない」と言い続けています。
それは様々な山へ広く登りたいからだと理解することもできますが、あるときの土屋氏の言葉に衝撃を受けました。
「あの尖った山はなに?」 「あれは槍ヶ岳」 「ふーん。あんな尖った山はヤダな。」

土屋氏

登る山がどこであれ、どんな理由であれ、土屋氏にとって登山と、山で体を動かすことは楽しいことのようです。
その山が有名であることや、謂われがあることなどは全く価値が無く、天気の良さと気持ち良さ、爽快さで登山を楽しんでいるように見えます。
登る楽しみは人それぞれで、たとえその思いに共感することができなくても、同行者が楽しんでいる様子を見るのは、こちらも楽しいものです。

忙しい仕事の合間を縫い、決して道具の性能や山の知名度に左右されない気持ちで登り続ける土屋氏と、どこかの山で同行できることを楽しみにしています。

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