ブランド薬師公園から登る薬山
長野市街から飯綱高原へ向かってループ橋を通ると、左側の山腹に木造のお堂が見える。
けっして標高が高いわけでもなく、変わった形をしているわけでもない山に、お堂があることで存在感が強く残る。
懸け造りという岩壁に張りついたような建築様式で作られたお堂は、ブランド薬師と呼ばれ、薬山の山名よりも知名度が高い。
名前は知らなくても見たことあるっていう人も多いはず
飯綱高原へと向かうループ橋の下にはブランド薬師公園の登山口がある。
鳥居とブランド薬師の案内が建ち、ここから薬山へと入っていくことが分かりやすい。
階段を登り鳥居を潜ると、さっそく登山道が始まり、最初の石仏が見えた。
大きく折れた登山道の傍らに役行者。
役行者を過ぎるとすぐに不動明王の石仏があった。
ここから十三仏をひとつひとつ数えながら薬山へと向かって行く。
十三仏はひとつずつちゃんと見ていくと楽しめる
登山道はせまく、ひとりが歩ける程度。
山の斜面は急な勾配で、登山道から外れようものなら転げ落ちそうな雰囲気だった。
木々は茂っているものの、人が多く訪れるのかクモの巣は気にならない。
ときどき蜂のような羽音がするぐらいで、行く手を遮るような昆虫は目につかなかった。
虫の少ない登山道は良い
7分ほど登って普賢菩薩まで来ると尾根の木々が開けていた。
一望というほどではないが長野市街地が見える。
斜面を九十九折りに登ってきた登山道は、ここから尾根に沿って登っていく。
普賢菩薩を過ぎてすぐに秋葉三尺坊への分岐。
斜面を下りていくと岩に囲まれた石仏が見られるが、今回は秋葉三尺坊へは立ち寄らずに山頂へ向かう。
暑さと、最近よく耳にする大型獣のことも気に掛かるところだった。
尾根の道を緩やかに登っていくと、前方の杉の間からブランド薬師が見えて来た。
岩に張りついて建っている様子は、この付近だと飯山市の小菅山にある小菅神社奥社と似ている。
規模こそ小菅神社には敵わないが、高度感と「ブランド薬師」の語源になったという不安定さは特有のもの。
いったんにお堂には背を向けて、登山道に沿った登り坂を進む。
ブランド薬師のお堂に着いたのは、登山口から11分が経過したところだった。
ブランド薬師
山頂へ向かうには少し寄り道になるブランド薬師。
ただ薬山へきてこれを見ないということもありえないので、お堂に立ち寄って市街地を眺める。
お堂の中へ入ると、実際に不安定で揺れているかは分からなくても、なんとなく不安定な気持ちでフワフワとした気になる。
のんびりと景色を見ていても良いものかという落ち着かない気持ちもあり、ちらっと景色を見たのみで地面へと戻った。
登山道上から見える懸け造りのお堂は、高度感のある場所に建つからこその趣があり、社寺建築の迫力も感じられた。
ブランド薬師は見といたほうが良い
ただ、ここまで登ってきて驚くのは、お堂から少し離れたところに東屋が建っていることだった。
しかも水道の蛇口まであり、登山道はコンクリートの舗装路に変わる。
まさかここまで登って人工物に出会うという、ブランド薬師に並ぶ薬山の特徴。
ここで舗装路は見たくない
人工物があるからこその安心感と、がっかりした感はやはり薬山。
舗装の道路は、ここまでのどこよりも急登。
ここまで余裕を持って登ってきても、この急登で一気に太ももが張ってくる。
山頂は近く、あといくつ曲がるかと行ったところ。
なかなかに急登が終わらなければ、コンクリートも続く。
ようやく
薬山山頂
登山口から17分ほどで薬山の山頂に到着した。
暑さの中での登りは、覚悟していたとはいえ意外と耐えることができた。
登山口近くから見てきた十三仏は、ここで10番目の阿弥陀如来。
木々が厚く茂って、周囲に見えるものは何もなかった。
ただ、この先には裏参道として道が続き、浅川ダムへと通じていく。
一番高い場所で少しの時間だけ石仏を見て、登ってきたブランド薬師公園へと戻ることにした。
下山
コンクリートの舗装路は、ここまでで一番の急登だけあって下りるにも力を込めた。
細かな石が滑りやすく、調子に乗ってスピードを上げると滑って転びそうな気がした。
東屋を過ぎ、下り坂からブランド薬師を見上げて、九十九折りの登山道を下りていく。
鳥居まで戻ってくるのは10分ほど。
暑さのこともあり、早めに登って下りてこようと考えていたなかでは良い行程だった。
暑かった
