大天井岳

2922m

表銀座 2013年7月15〜16日

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登り
中房温泉表銀座
下り
一ノ沢
最高標高
2922m
登山口標高
1452m
距離
21.57km
累積標高
1045m
1053m
平均斜度
12.3度
時季
2013年7月
天気
晴れ
日程
1泊2日(テント泊)
水の量
水2l 水900ml
歩いた時間
登り6:34/下り4:48/合計11:22
平均歩速
1.91km/h

この日のペース

  1. 中房温泉
  2. 合戦小屋
  3. 燕山荘
  4. 大天荘(6:25)
  5. 大天井岳山頂(6:34)
  6. 横通岳
  7. 常念小屋
  8. 一ノ沢登山口(11:22)

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山と高原地図 槍ヶ岳・穂高岳 上高地
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たくさんの方が訪れる北アルプスの中でも人気のあるルートのひとつです。
行程は長いですが危険箇所も少なく、何よりも燕岳からの槍ヶ岳を眺めながらの尾根歩きは絶景です。
北アルプス中南部の山並みがとてもキレイで、徐々に角度を変えながら眺める槍ヶ岳は表銀座だけの特別な眺めです。
稜線を歩き続けるので、陽の光を直接受けますし、悪天候時には雨や風を受けやすく天候には注意が必要です。
燕山荘から先が見渡せるだけに距離がとても長く感じました。
これだけ眺めの良いルートですから、せっかく歩くのなら絶好の天気で。

表銀座堪能

北アルプスの絶景が望める表銀座コース。
安曇野の中房温泉から燕岳へ登り、そこから南下して槍ヶ岳へ向かうルートを大天井岳まで。
大天井岳の標高は2922mと高い。
登山口がある中房温泉は1462mなので、1500m近いの高低差を登ることになる。しかも燕岳の燕山荘までの合戦尾根は、北アルプス三大急登のひとつといわれ距離も5.5kmと長い。

燕岳から続く表銀座は、稜線から槍ヶ岳を眺めながら歩く最高の眺望ルート。
大天井岳に近づくにつれて、大きな山容は存在感が増していく。
山頂からは北アルプスの眺望に加えて安曇野などの麓の街を見渡し、歩いてきた表銀座の稜線を振り返るのも良い。

初日、雲の多い天候の中、中房温泉から表銀座へ。
灰色の空の中、合戦尾根から稜線に出ると風は穏やかで歩きやすい表銀座だった。
2日目は快晴になり、槍ヶ岳、穂高岳連峰を見渡しながら常念山脈を南下して一ノ沢へと下りた。

中房温泉から大天井岳へ表銀座を歩く

天気は曇りのち晴れ。
梅雨明けとはいえ台風がきていたこともあり、ここのところ雨が続いていた。
なかなか好転しない天気予報を気にしつつ、当日が近づくにつれ晴れの確率が上がる。

大天井岳登山

天気予報がホントに分からない

中房温泉からの出発は6時45分。
三大急登と呼ばれる通り坂道が続く。
雨が続いて湿り気のある足元は、急な坂道の至る所に木段が置かれ整備されている。
その反面で歩幅を合わすので歩きづらい。
湿った苔や木の葉が明るくキラキラしていて見た目にも楽しい。
とはいっても樹林帯が続くので、眺望も少なくひたすら急登を登り続ける。
そして海の日ということもあり下山者が次々とやってくる。

大天井岳登山

三大急登とか、表銀座とか、燕山荘とか、もうこの時点ではウキウキが絶頂

燕岳を目指して合戦尾根を登る

ひとつめのチェックポイントは第1ベンチ。
登山口からは45分ほどで到着。
急登を登り続けるのに、合戦小屋までところどころに置かれたベンチが良い休憩ポイントになる。
だいたい30分を目安に置かれているようなので、自分の歩くペース配分にもちょうど良い。

大天井岳登山

このへんではまだまだ楽勝

第1ベンチをスルーして次のベンチを目指す。
相変わらずの木段の急登で、サルが遠くに見えたり、下ってくる人がとてもとても多かったり。
第2ベンチでもじっくりと休み、第3ベンチでもじっくりと休み、ベンチに到着する度に荷物を下ろしてジックリ休む。
同じように休んでいる人も多い。

大天井岳登山

休め休め。足を温存するんだ。

第3ベンチ近くまでくると、足元が土から細かく崩れやすい石に変わった。
真っ黒だったルートが、だんだんと白っぽく変わる。
木の間から「これからそこへ行くのかな?」というような稜線がチラチラと見え始めた。
急な坂を登ってきただけに、一気に高度を上げたイメージ。

大天井岳登山

お。。。もしかして表銀座みたいなヤツか??

登山口から休み休みに歩き、3時間20分ほどで合戦小屋へ到着した。
ここは中房温泉からリフトでスイカを持ち上げて提供している。
価格800円。
これが人気があるようで、ベンチに腰掛けスイカを囓っている登山者もチラホラ。
その他のメニューも並んでいる。

大天井岳登山

スイカは良いのだけど、なんだかんだとココで1時間半くらい休んでしまった

いよいよ大天井岳への稜線が見える

目指す燕山荘までは残り1時間ほど。
だんだんと木の背も低くなり、さっきまでチラチラと見えていた稜線がハッキリと見えるようになり、遠くに槍ヶ岳らしき山陰が見えた。
黒く見える尖った山容はまさに槍ヶ岳。

三角点のある合戦の頭を過ぎると槍ヶ岳を眺めながら歩くことが出来る。
前方には白く大きな石が立ち並ぶ燕岳。目指す燕山荘が大きく見える。
肩に乗った赤い壁の建物は、外国のような雰囲気を感じた。
白馬方面へも山塊が見える。

大天井岳登山

燕山荘は見えてからが遠かった

槍ヶ岳が見えるたびに足を停めてカメラを構え、燕山荘に着いたのは12時過ぎ。
中房温泉からは6時間半ほどの時間が経過。歩行時間は4時間ほど。
ベンチや合戦小屋での休憩が長く取っていた。

燕岳からの槍ヶ岳を見つつ休憩

燕山荘から見える燕岳は、大きな岩のせいかすぐ近くに見えるけれど30分ほどかかるそうだ。山頂に見える人影が小さい。
濃い緑と白い岩が美しく、百名山に数えられないのが不思議なくらいにキレイな景色だった。

燕岳を見ながら自作冷やし中華でお昼

燕山荘の裏にはイルカのような形をした、その名の通りイルカ石と、淡いピンク色のコマクサが群生していた。
槍ヶ岳へと続く北アルプスの山並みと燕岳の眺望を楽しみながらの昼食を終え、再出発は13時半。
ベンチからの眺めをいつまでも見ていたい気分にもなるのだけれど、ここから続く稜線はもっとグッとキレイなのだろうと思うと、それもとても楽しみ。

大天井岳登山

ちょっと長居をしすぎた気もする

大天井岳への表銀座ルート

ほぼ横に移動するようなアップダウンを繰り返して300mほど登るこのルート。
決して激しくない上り下りが合戦尾根を登ってきた足腰にグッとくる。
30分ほどで巨岩が立ち並ぶゲエロ岩に到着。
人ひとりが通れるくらいと聞いていたけれど、意外と幅が広い。

右前方には槍ヶ岳。
そこから北へ延びる北アルプスの稜線。
向かう先には大きな大天井岳と、そこへ伸びる尾根と。
雲が多いけれどとても気持ちが良い。

そして、上り下りがキツイ。
足元は砂地のような細かく白いルートで、眼下に広がる緑が綺麗。
振り返ると燕岳と黒部や白馬がキレイだった。

休みながら歩き続け、16時前に大天井岳直下の坂道に到着した。

大天井岳登山

飽き飽きするくらいの絶景の稜線だった

大天井岳への最後の坂

大天井岳登山

キツい

細い階段を降り、登り、狭いガレ場を登り、槍との分岐を左に折れて今日の宿泊場の大天荘へ向かう。
長野側の尾根で溜まっていた雲と、槍側から照らす陽の光で自分の影が映し出され、目を凝らすとブロッケンも見える。
安曇野までもとても見渡しの良く上田市や長野市までも眺められる。
ここまでの尾根歩きで張った太股を引きずり、登り続けること30分。
大天荘へ到着した。

大天荘から大天井岳の山頂へは10分もかからない。
食事と幕営の準備を整え、夕暮れの槍ヶ岳を見るために山頂へ。
槍ヶ岳と穂高岳の塊は大きく雄大だった。
下を流れる梓川と、槍ヶ岳や穂高岳に連なる山々を眺める。

寝床もできた

中房温泉から山頂への歩行時間は6時間30分ほど。
休憩を多めに取ったため、所要時間は10時間近く掛かった。

大天井岳登山

本当に長かった。
コースタイムの設定間違ってるんじゃ?と思うくらい。

大天井岳から常念乗越

翌日、日の出を見るために再び山頂へ。
日の出は4時40分。4時前にはすでに空が赤くなり始め、安曇野には雲海が広がっていた。

下山ルートは常念乗越へ。
槍ヶ岳・穂高岳を眺めながら歩くルート。
大天井岳からは2・3時間で常念小屋へ到着できる。
ここから常念岳へは1時間ほどのガレ場を登るのだけれど、今回は一ノ沢登山口へ下山した。

大天井岳登山

奇しくも常念山脈縦断になった

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下山後に立ち寄った温泉

中房温泉 湯原の湯

燕岳へと続く合戦尾根の登山口にある温泉。源泉掛け流しで日帰りの温泉と宿泊施設がある。日帰り温泉は露天風呂となっておりヌルヌルとしたお湯が特徴。休憩室が併設されているので、入浴後は軽食や水出しコーヒーなどを楽しむことができる。

登山口にある温泉なので、下山後にすぐに入浴が出来て便利です。
宿泊をすると通常の駐車場よりも登山口に近いところに車を停められます。
日帰りの浴室はさほど広くは無いですが、混んでいなかったせいゆっくりとくつろぐことができました。

お世話になった山小屋

燕山荘

中房温泉からの合戦尾根を歩くこと約3〜4時間ほどで到着する山小屋。燕岳山頂へは30分ほどで、槍ヶ岳や大天井岳、北アルプス北部への眺めがとても良い。学生の登山にもよく使われているようで、登山者の好きな山小屋としても知られている。

とても大きな建物で、眺めがとても良いです。入口にあるお土産は種類が多くあり、食べ物も山小屋か?と思うほどにバリエーションが豊富でした。小屋の正面は広くベンチが置かれているので、休憩にもお薦めです。
テント場は若干狭い印象があります。

合戦小屋

中房温泉からの合戦尾根を歩くこと約3時間ほどで到着する山小屋。燕岳森林限界の直下にあり、ココを過ぎると景色が開ける。ここで提供しているスイカは、合戦尾根を登ってきた登山者にとても人気があり、スイカ小屋と呼ぶ人もいる。テント泊向けにバーを開いている。

小屋の壁には「合戦」と名の付く由来が張ってありました。大きな小屋では無いですが、たくさんの人たちが休んでスイカにかじりついていました。燕山荘までひと息なので、ここでテントを張る人も少ないのかもしれないですが、燕岳を目指すのならココは良い休憩ポイントです。

大天荘

槍ヶ岳へと向かう表銀座の分岐点、大天井岳山頂近くにある山小屋。山頂までは10分ほど。200人まで収容可能で、水の補給も可能。

とても眺めの良い山小屋で、山頂も近いですが、そこまで行かなくてもテント場から槍ヶ岳や穂高岳を眺めることが出来ます。
安曇野に眺望も良く、燕岳方面へ続く尾根も見えます。
食事がとても美味しくおすすめです。

同じ時季に登った山