毛無山にある地酒の山
野沢温泉村から毛無山へ向かって車で林道を進んでいく。
すると、ひとりの子供がローラースキーで傾斜を上っていた。
後ろには伴走の車が2台。
強化選手か個人練習か?とゆっくり追い越し、カーブを曲がると同じようなスタイルで何人も上っていくのが見えた。
ときどき、道路の広いところやゲレンデになっているところに伴走車が停まり、そこには近隣の市町村名。
夏休み中の合同トレーニングのように見えた。
上の平まで行くのなら大変そう
水尾山は毛無山の北側にあるピークのひとつ。
毛無山の周辺からも、水尾山の山頂になっている尾根や、そのピークを見ることはできる。
ただそれが水尾山という名前が付いていることは、ほとんど知られていないだろう。
県道の分岐に登山口があり、その県道が尾根に沿っていることから山頂の位置もなんとなく把握はしているものの、どこから見ても山頂の存在は感じられない。
むしろ分岐の場所のほうが麓から見当が付くようにも感じられた。
登山口
県道の分岐で車を停める。
親指ほどはあるのではないかと思えるアブが車にぶつかってくる。
スズメバチか?と思って見たけど目が緑でテカテカしてたからアブ
オレンジ色の大きな体は、噛まれたことを想像すると恐ろしい。
準備を整えるにしても、攻撃を受けている車からは離れた方が良さそうだった。
靴だけはしっかりと結び、早々に登山道へ。
緑の洞窟のような、大きく口を開けているように見える。
覗いてみると広くて平坦な道が続いていた。
熊鈴を鳴らしながら登山道へ入る。
すると県道をバイクが上っていく音の方が大きく聞こえ、周囲を深い藪に囲われていても安心感があった。
周りは深い緑の森。
ブナの木にはピンクのテープやペンキで何かの印がしてあった。
標高も位置も里から離れた山深い場所とはいえ、車が通りかかる林道の近くで、道迷いとは考えにくかった。
妙に印がいっぱいあった
登山口から2分ほどのところで、大山祇神が祀られる石碑があった。
水尾の小さな瓶も置いてある。
道はその先へ続いているようだった。
石碑の横を通り、ピンクのテープが見える踏み跡を歩いていく。
つい先ほどまでの歩きやすく広い道から、登山道らしい狭さの登り。
踏み跡には草木が茂って道を阻む。
先ほどの石碑までは整備されていても、この先はあまり多くの人が入ってはいないようだった。
まわりと比べて窪んだようになっている登山道。
沢でも水が流れた跡でもないと思われるところで、歩く場所だけが深く窪んでいるのは不思議だった。
むしろ少し高い周りのほうが踏み跡があるような気もする
だんだんと傾斜はなだらかになり、視界に入る森も明るい光が見えてきた。
もう少し進んだら、登りは下りに変わりそうな雰囲気。
そろそろ山頂に着くようだった。
この道を進んでいけば山頂に出るのだと信じて歩いている
登山道は山頂に出るものと決めつけているものの、こういった山では必ずしも最高地点に出る道とは限らない。
もしかしたら、視界に入っている山頂標を見逃して通り過ぎているかもしれない。
まわりに目を凝らして注意深く歩いているものの、山頂だという印は見えない。
ふと、ブナの枝の間に山名が書かれた木の板が置いてあるのが見えた。
水尾山 山頂
アブの飛ぶ登山口から11分で到着した。
なだらかに歩くつもりが、湿度のせいか汗が滝のように滴り落ちた。
山頂は広く緩やかな傾斜。
ただ木々の他に見えるのは地面ぐらい。
それでも、この山頂は地酒が造られる水が湧く山のものだと思うと、感慨深いものはあった。
下山
水尾山の山頂を跡にして、もとの登山口へ戻る。
登山道らしい踏み跡に沿って登ってきたが、その周辺のほうが木々が少なく見えたため、あえてショートカットをして見ることにした。
道を逸れてみたものの、周りに見えるのは同じものばかり。
木の色も葉の色も同じで、登山道に沿っているつもりが思いがけず離れてしまうところもあった。
目印のある場所から離れるのは要注意
尾根の斜面を下りてはいけないことと、尾根の南側には林道があることは頭に入っているので、ここで道を外れたところで戻ることはできる。
ただ安心して歩きたい気持ちが大きいので、踏み跡がはっきりと見える登山道へ戻った。
藪を手で掻き分ける方が気楽ではあった。
大山祇神の石碑まで戻ると、登山口はすぐそこに見える。
近づいていくに従って、大きなアブが飛んでいるのが見えて来た。
アブが来る前に帰りたい
