尾瀬沼から燧ヶ岳、燧ヶ岳から尾瀬ヶ原への日帰り
広い尾瀬へ入り込む登山道は多く、福島県側から燧ヶ岳へと登るルートや、群馬県側の尾瀬ヶ原から向かうルートなどがある。
今回は一ノ瀬から尾瀬沼を通って燧ヶ岳へと登るルートを選んだ。
2356m
尾瀬のロングルート
尾瀬沼長英新道 2016年7月11日
燧ヶ岳は群馬県と福島県に跨がる尾瀬の北側に位置する火山。
いくつもの峰が集まり、最高地点の柴安嵓、俎嵓、ミノブチ岳、赤ナグレ岳、御池岳で形成されている。
美しい花々と景色で魅了する尾瀬でも、燧ヶ岳は尾瀬沼に映る姿や山頂から見下ろす尾瀬ヶ原湿原が美しい。
一の瀬から樹林帯を歩き、尾瀬沼に美しく映る燧ヶ岳と、湿原に咲くニッコウキスゲ。
山頂を踏んでから一気に尾瀬ヶ原を駆け抜ける歩き甲斐のあるルートになった。
今回の燧ヶ岳登山は、登山ブロガーのREDSUGAR氏とやけん氏と同行。
初めての燧ヶ岳へ連れて行ってもらい、燧ヶ岳と尾瀬沼を楽しんだ。
この日のコースタイム
広い尾瀬へ入り込む登山道は多く、福島県側から燧ヶ岳へと登るルートや、群馬県側の尾瀬ヶ原から向かうルートなどがある。
今回は一ノ瀬から尾瀬沼を通って燧ヶ岳へと登るルートを選んだ。
片品村戸倉の尾瀬第一駐車場に車を停める。
1日1000円。
ここから先はマイカー規制のためタクシーや乗り合いバスで向かう。
大清水からはバスを乗り換えて一ノ瀬へ。
バスを降りて本格的な登山道へと入っていく。
一ノ瀬からは木道や階段が整備されて歩きやすい登山道。
勾配も緩やかに徐々に高度を上げていく。
木々に囲まれた登山道は景色も変わないまま。
35分ほど歩いたところで三平峠に到着した。
ここまで緩やかに登っていた登山道は、ここから下り坂に変わる。
朝露の木道は滑りやすく足元に注意。
5分としないうちに木々の間に燧ヶ岳らしきピークと尾瀬沼のキラキラとした水面が見えた。
一ノ瀬から尾瀬沼へは50分ほど。
木々の間を抜けて尾瀬沼山荘の前を通り尾瀬沼の畔へ。
燧ヶ岳が水面に姿を映していた。
穏やかな水面と青空と燧ヶ岳が美しく、ここまででも満足度の高い景色が堪能できた。
さらに木道を進んでいく。
左側に尾瀬沼と燧ヶ岳を見晴ながら歩き、沼山峠との分岐を左へ。
木の間に見える長蔵小屋へ。
長蔵小屋はこれから出発する散策客で賑わっていた。
ピンク色のヒメサユリが咲き、朝陽に透ける花弁がキレイだった。
長蔵小屋を過ぎて大江湿原へと向かうと、ニッコウキスゲが咲いていた。
花に見とれなてしまうと沼山峠へと進んでしまうので注意。
早々に尾瀬沼を巻くように左へと折れ樹林帯を燧ヶ岳へと向かっていく。
尾瀬沼を巻いて続く登山道は、湿気が多く足元も悪い。
浅湖湿原手前から右へと入ってぬかるむ登山道を進んで行く。
30分と歩かないうちに一合目。
ここから徐々に登りの傾斜へと変わっていく。
周囲は緑に覆われているため、眺望は一切無く、ドロドロの足元を選びながら緩く登る。
2合目、3合目と徐々に高度を上げていくと、だんだんと明るく、枝の合間から空が見えてくる。
木が開けたところからは眼下に尾瀬沼やその先に日光白根山。
周辺の山々が見渡せる。
ところどころ急な斜面を登るところもあり、岩を乗り越えるように大きく足を上げて登っていく。
6合目を過ぎると、先には燧ヶ岳のピークのひとつ俎嵓が見えた。
7合目からは急斜面を繰り返し、ハイマツに囲まれた階段を登ると一気に眺望が開けた。
ミノブチ岳では広く木が開け、南側と西側が一望できた。
上毛の山々や日光の山並みが見渡せ、ここまで来ると山頂も近く見える。
ミノブチ岳からシャクナゲの咲く登山道を進み、俎嵓へと徐々に勾配を登っていく。
前方には岩の俎嵓。
その斜面に咲く白い花が、濃い緑の中にキレイに見えた。
赤茶色の岩の斜面を登り、ミノブチ岳から20分ほど。
燧ヶ岳のピークの中でも一際存在感のある俎嵓に到着した。
俎嵓は山頂にも見間違うような岩のピーク。
山頂やルートを示す標はココが燧ヶ岳の最高地点だと言っているかのよう。
標の後ろには3つの祠も祀られていた。
一ノ瀬から3時間35分。
周囲を見渡す俎嵓からの眺めはとても良く、登ってきた登山道を見下ろしながら周辺の眺望を楽しんだ。
山頂の柴安嵓へはいったん俎嵓を下り、鞍部から登り返す。
急な下り坂を下り、俎嵓と柴安嵓の鞍部に下りる。
高低差100mほどの鞍部からは柴安嵓が高く見える。
石の段差が続く急登を登ると燧ヶ岳の山頂に到着した。
大きな休憩を除いて3時間48分での到着だった。
広々として緩やかに傾いている燧ヶ岳山頂の柴安嵓は、尾瀬ヶ原を見下ろす絶好のポイントだった。
今回は雲が多かったものの、南会津の山々や群馬・新潟の県境に聳える山が一望できる場所だった。
つい先ほどに登っていた俎嵓も同じ高さの視線に見える。
山頂での景色を堪能したあと、いったん俎嵓へと戻りミノブチ岳へと登ってきた登山道を引き返していく。
俎嵓を下りると、ミノブチ岳の手前に尾瀬ヶ原へと続く登山道がある。
沼尻平へと続く登山道は、段差の大きな急斜面で、登るにしても下りるにしても苦労しそうな雰囲気だった。
眼下には尾瀬沼が見えるにも関わらず、下りても下りても近づかず、なかなかに高度が下がっていかない印象だった。
ただ下りるほどに周りには背の高い植物が増え、風通しが悪くなって蒸した空気が漂う。
高い場所では乾いていた足元も、下りるに従って水気を含んだ滑りやすい登山道に変わっていた。
ミノブチ岳の手前の分岐から1時間ほど、沼尻平へと到着。
ここから尾瀬ヶ原の入口に当たる見晴までは4.6キロ。
緑の豊富な樹林帯の木道を歩いて行く。
整備された木道は歩きやすく、所々に見える湖沼に映る景色や植物を見たり、川の流れを見たりして楽しんだ。
多少の高低差はあるものの、そう長く急斜面を登ったり下りたりという印象も無く、比較的緩やかなアップダウンの登山道が続く。
4キロ以上の距離があった沼尻平と見晴の間も1時間ほどで通過。
尾瀬ヶ原の見晴に到着すると何件もの山小屋が建ち並んでいた。
尾瀬ヶ原は広大な面積の湿原で、草花が豊富でところどころの水面に映る景色が美しい。
湿原を突っ切るように木道が整備され、その上を見晴から山の鼻まで歩いて行く。
行く先に見えるのは至仏山で、振り返ると登ってきた燧ヶ岳。
足元にはニッコウキスゲや菖蒲が咲き、水面にはスイレンが浮かび花を咲かせているところもあった。
この湿原縦断だけでも約6kmほどの行程でとにかく長い。
植物を楽しみながらの木道歩きも、なかなかに目指す山の鼻に到着しないと、だんだんと我慢の時間に変わってくる。
1時間半ほど掛けて尾瀬ヶ原を抜けて山の鼻に到着。
ここも見晴のように山小屋が建ち並び、テントを張ることのできる幕営地も用意されていた。
ここから終了地点の鳩待峠まで、木道を歩きながらの緩やかな登り坂が続く。
終盤に近づくと登り坂は階段に整備されているため、歩幅の合わない階段を登るのが辛い。
なかなかに見えない鳩待峠が待ち遠しく、階段を登る我慢の時間帯が続く。
ようやく鳩待峠が見えたのは、山の鼻から45分ほど。
一ノ瀬からの長い燧ヶ岳のルートが終了した。
ほっこりの湯
群馬県片品村の寄居山温泉にある温泉施設。内湯と休憩室があり、どちらも片品村の田園風景を眺めながらノンビリと過ごすことができる。泉質はアルカリ性単純温泉。サラッとしたお湯で疲労回復や美肌効果があると言われている。浴室の入口には冷たい水が用意され、地元の雑貨やお土産の販売も行っている。
尾瀬や日光へと続く国道120号線にありました。
駐車場は広くて車も停めやすいです。
温泉に入る前に置いてある冷水が、登山後にはとてもありがたかったです。入ったあとの一杯も楽しみですが、たっぷりと汗をかいた後なのでお湯に浸かる前に水分も補給しておきたいところでした。休憩所は広くは無いですが、畳とイスのスペースが用意されていてくつろぐことができました。