槍ヶ岳へ槍平のルートから登る
登山口は岐阜県の新穂高温泉から。
槍平を経由して槍ヶ岳を目指すルート。
標高約1,100mの新穂高から槍ヶ岳山荘まででも高低差2,000m近い登山になる。
新穂高にある有料の駐車場を利用する。
奥飛騨温泉郷から国道475号を上り新穂高ロープウェイ近くにある駐車場へ。
新穂高ロープウェイの近くにある第2駐車場に車を停め登山口までは5分ほど歩く。
登山口からしばらくは工事用車両の通る林道を歩いて行く。
緩やかな登り坂の林道を1時間ほど。
穂高平小屋に着いた。
ここからは北穂高岳を眺めることができる。
途中でショートカットできる近道もあった
厚かった雲が段々と晴れ、左を見上げれば笠ヶ岳が木の間からチラチラと見える。
正面には南岳が見えるところも。
白出沢
登山口からルートを登ること1時間半ほどで白出沢に到着。
白出沢は奥穂高岳への登山最短ルートの登山口。
ここから50mほどのところが林道の最終地点。白出沢の治山工事が行われている。
川を渡りながら上流を見上げると、尖った穂高岳の山影が見える。
川岸から掛けられている階段を上って木々の茂った登山ルートへと入っていく。
石が敷き詰められた登山道は滑りやすく湿っている。
緩やかにアップダウンを繰り返しながら沢沿いに登山道が続いていく。
ガレガレとした石の多い登山道で、落石もところどころにあった。
右側に穂高が高く見える
滝谷
白出沢から1時間半ほどで滝谷へ到着。
沢の横には避難小屋。
強い流れの沢に橋が掛けられ、上流には激しく水が流れ落ちる滝があった。
滝谷という地名はあの滝が流れる谷から付けられたのかと思うほど。
沢の対岸の岩にはレリーフが飾られていた。
滝谷を超えると少しずつ登山道の勾配も急に変わってきた。
周りの景色も変わり、振り返れば樹林帯が眼下に広がるように。
時々、木の合間から見える穂高岳は険しく大きかった。
滝谷を過ぎて1時間足らず。
登山ルートに板が敷き詰められ沢の流れる先。
槍平小屋に到着した。
ゆっくり距離を歩いて標高を上げた感じ
槍平小屋から飛騨沢へ
登山開始から約3時間半、全行程の約半分ほどの地点に到着した。
槍平小屋では外に木製のデッキが置かれているため、ここを通る登山者はたいていこのデッキに腰を掛けて休憩をしていた。
槍平小屋を過ぎて再び槍ヶ岳方面へ。
ここからの登山道には標高が100m上がるごとに標が付けられている。
足元にある標を目印に槍ヶ岳へ。
樹林帯を中ノ沢、大喰沢と沢を渡ると斜面に流れている小さな沢が最終水場。
この水場を過ぎると大喰岳と西鎌尾根に挟まれた飛騨沢へと登っていく。
ここまでの斜面より一層急な勾配に。
木に囲まれた九十九折りの急斜面を登り切ると、目の前に大きな岩の塊が見えた。
岩の上には大きな建物が見え、それが槍ヶ岳山荘だと分かった。
アレですか??槍ヶ岳は。
急登の飛騨沢を登る
正面に槍ヶ岳の大きな塊を見ながら、飛騨沢をさらに登っていく。
左側に高く見える千丈乗越を歩く人影が小さく見える。
ただひたすらに高い場所を見上げながら登っていく。
ここに来てこの登りはキツい
樹林帯から開けた飛騨沢は石が転がるガレ場の急斜面で、長く続く九十九折りの登山ルートがキツイ。
2,500m付近から3,000mを越える飛騨乗越までの長い長い沢。
槍平からはほとんどこの飛騨沢で時間を費やす。
背の低い植物しか生えていない飛騨沢のガレ場も、周りを見渡すと小さな花が咲いている。
ところどころに残る雪渓が登山道を塞いでいるため、場所によっては雪の上を登っていく。
石のゴロゴロとした登山道を登り、飛騨乗越手前では3,000mを越えた。
大喰岳もいい感じだった
飛騨乗越は穂高岳への縦走路上になり、左は槍ヶ岳、右は大喰岳へと続く。
乗越から見下ろすと殺生ヒュッテが見え、雪の残る槍沢を登ってくる登山者が見えた。
正面には常念山脈の山並みが見える。槍ヶ岳の山頂、槍の穂先はもう少し。
目の前に見える峰は槍ヶ岳の肩。
右へ左へと登っていくと槍ヶ岳山荘のテント場があり、テント場を過ぎると建物が見えた。
槍平からは3時間ほどでの到着だった。
槍ヶ岳山頂へ
槍ヶ岳山荘から山頂までは約30分。
山荘に荷物をデポして槍ヶ岳山頂へと向かう。
緩やかな斜面から岩壁に取り付き、矢印に沿って登っていく。
鎖場とハシゴの連続する山頂への登山ルート。
肩からの高さもあり、高度感は下から見上げている以上。
岩の段差に足をかけ、岩を掴みながら鎖を使って登っていく。
L字の鋼でできたハシゴは手が掛けづらく、場所によっては岩との距離も少ないため足の置き場が狭いことも。
ハシゴから遠く見下ろすことができる高度感。
手元と足元に気をつけながら約15分。
槍ヶ岳山頂に到着した。
岩場は高度感があるけど、気をつければ大丈夫
新穂高登山口からは約6時間48分での山頂到着だった。
ハシゴを登り切ったところから見る槍ヶ岳山頂はとても狭く高かった。
北側の端に祠が置かれ、ハシゴからは反対側に位置している。
槍ヶ岳山荘は遥か下に。
雲の合間からは常念山脈。
立山や槍ヶ岳へと通じる登山ルートが全て見えるような景色だった。
せっかく来たのだから山頂でダラダラ過ごしたい
大きな岩が転がって足場の悪い山頂にしばらく滞在したあと、下山用のハシゴを使って槍ヶ岳山荘へ戻る。
ピークの混雑時でも渋滞を緩和するために上り下りのルートが分かれているものの、どちらも高度感は変わらず難しい。
足元に気をつけながら下りていく。
むしろ下りの方が気を遣う
槍ヶ岳の山頂は、槍ヶ岳山荘から誰かが常に見上げている印象だった。
槍ヶ岳からの景色
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槍ヶ岳 -
大喰岳の奥に穂高岳 -
常念岳と蝶ヶ岳 -
槍ヶ岳 -
南の空 -
朝陽が昇る -
笠ヶ岳 -
大喰岳 -
槍ヶ岳の西側 -
槍ヶ岳の岩壁に花 -
槍ヶ岳の山頂 -
山頂の祠 -
槍ヶ岳の影 -
裏銀座方面 -
後立山の方 -
北の方の空 -
槍ヶ岳山荘を見下ろす -
穂高岳の方
槍ヶ岳からの下山ルート
槍ヶ岳山荘での宿泊後、西鎌尾根から槍平へと下山。
千丈乗越から奥丸山方面へ。
飛騨沢の急登のように、西鎌尾根も急登でガレ場が続く。
一気に高度を下げて見上げると槍の穂先は遥か上空に。
双六岳との分岐にあたる千丈乗越を左へ下山。
この斜面から草花が多く咲くようになり、奥丸山への稜線になるとすっかりと樹林帯に包まれた。
上からは比較的平地に見えた稜線のルートもアップダウンが続く。
湿度のせいか飛び交う虫も多い。
こっちを登るのも大変だったろうな
奥丸山へと登るルートの途中から槍平小屋へと分岐する。
真下に見えていた槍平まで約400m。
一気に高度を下げていく。
下りとはいえ槍平小屋まで遠かった
槍ヶ岳山荘から槍平小屋までは2時間30分ほど。
槍平からは登りと同じ登山ルートを下りていく。
それまでの急登から歩きやすい緩斜面になり、徐々に高度を下げて登山口へ。
滝谷から白出沢、新穂高への下山は約5時間15分ほどだった。