甲斐駒ヶ岳

2967m

双児山ルート 2013年11月2日

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登り
双児山
下り
仙水峠
最高標高
2967m
登山口標高
1967m
距離
9.80km
累積標高
1247m
1279m
平均斜度
14.5度
時季
2013年11月
天気
晴れ
日程
日帰り
水の量
水2l 水900ml
歩いた時間
登り2:55/下り3:28/合計6:23
平均歩速
1.68km/h

この日のペース

  1. 北沢峠
  2. 双児山
  3. 甲斐駒ヶ岳山頂(2:55)
  4. 摩利支天
  5. 仙水峠
  6. 北沢峠(6:23)

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※雪質・気温・荷物の重さ・歩くペースなどにより、実際の消費カロリーは大きく変動します。

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宇多田ヒカルさんが出演しているCMでも映っている山です。真っ白な山容は、まるで雪が積もったようで、これまでに登った百名山の中でも群を抜いて美しい景色でした。
この白さは良く晴れた青空と、緑に囲まれた中で楽しみたい景色です。近づくと点在する丸い石と石碑や祠は不思議な雰囲気がありました。北沢峠からでしたら日帰りしやすく周辺の眺めも良いので、初心者の人にもお勧めな山です。時間と耐力に余裕があれば隣の仙丈ヶ岳にも登りたいところですが、最近の流行りとしては栗沢山でしょうか。

秀麗な南アルプスの岩峰

甲斐駒ヶ岳は比較的なだらかな山々の多い南アルプスの中でも急峻な山容を誇る。
全国に数多くある駒ヶ岳の中でも独立峰としては最も高く標高は2,967m。古くから信仰の山として親しまれている。
主な登山道は、長野県側は北沢峠から。山梨側からは黒戸尾根から登られている。
とくに黒戸尾根は登山口に駒ヶ岳神社が祀られており、甲斐駒ヶ岳山頂付近の本社へと続く表参道の役割を持っている。

北沢峠から双児山を経由して甲斐駒ヶ岳へ登る

ルートも長く、黒戸尾根からは7合目に七丈小屋があるものの、北沢峠には登山口に小屋があるだけで、通常は登りで4時間ほどかかる。
伊那市戸台口からの往復バスの時間を考えると、通常時間より余裕を持って下山しなければならない。

11月連休の戸台口バス停

南アルプスへは一般車両の乗り入れが禁止されているため、登山者の多くは戸台口からのバスを利用する。
バス乗り場には無料駐車場があるため、そこで夜を明かす登山者もいるほど。

始発は朝6時。
バスが出る前の戸台口は、まだ陽が昇らない真夜中のような景色で、バスを待つ車の上にはたくさんの星が出ていた。
徐々に明るくなるに従って、待機していた登山者が並び始め、出発10分前には50〜60人ほどは並んでいたと思われる。臨時で3台ほどのバスが出発。

戸台口から北沢峠へと進むバスの車中、運転手さんが景色を都度説明してくれる。
北アルプスや中央アルプスの眺めだけでは無く、すぐ近くに切り立った鋸岳に見える鹿の小窓や、これから向かう甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳への眺めやルート状況なども話してくれる。
バスに揺られるおよそ50分、退屈することは無かった。

北沢峠から双児山へ

北沢峠は仙丈ヶ岳への登山口にもなっており、こもれび山荘、長衞小屋で宿泊し、ふたつの縦走を目指す登山者も多い。
甲斐駒ヶ岳へのルートに選んだ双児山はこもれび山荘の横からの登山開始。

九十九折りに続く坂道をどんどんと登っていくと、木の間から仙丈ヶ岳がチラチラと見え始める。
坂尾折り返すと北岳。
11月の南アルプスは仙丈ヶ岳も北岳も雪を被っていて寒そうだ。

斜面を登り続けること約30分。
尾根に出たようで風が一気に冷たくなった。
樹林帯とはいえ11月の風は寒い。
北沢峠と双児山との中間地点まで来ると西側には北アルプスや中央アルプスも見え、仙丈ヶ岳と比較してもだいぶ高度が上がったように感じる。

木々を抜けて眺望が開けると双児山に到着。
北沢峠からは1時間10分ほど。
通常2時間掛かるとされているので、この区間で時間を稼ぐことができた。

双児山まで来ると背の高い植物は無いので、視界も一気に開けて目指す甲斐駒ヶ岳も大きく見える。
甲斐駒ヶ岳山頂の白い岩肌がまるで雪のよう。

双児山を越え、いったん標高を下げてから駒津峠を目指して登っていく。

仙水峠との合流地点「駒津峠」

双児山を越えると土と落ち葉の足元は、岩と砂利のガレ場に変わる。
振り返れば仙丈ヶ岳が何の障害物も無く見え、北岳はますます尖っている。

ハイマツに囲まれたガレガレのルートを上り双児山からおよそ30分、駒津峠に到着した。
駒津峠からは甲斐駒ヶ岳山頂がよく見えるばかりか、周囲の景色も良く鳳凰三山の奥に見える富士山は大きく迫力がある。

甲斐駒ヶ岳山頂へ

駒津峠からはいったん標高を下げてから再び登りに。
鎖があっても良いんじゃ無いか?と思うような岩場を降り、大きな岩を巻いて、甲斐駒ヶ岳頂上の直下へやってきた。
この分岐から直登するパターンと、巻き道を上っていくパターンがある。
直登はまさに岩場をまっすぐ登るようになるらしく、160センチくらいの身長が無いと厳しいとのことで、今回はしっかりと巻き道を踏みしめて登ることに。

岩を越えて下ってきた足元は、ますますと細かな砂のような雰囲気になり、岩も丸みを帯びた白っぽいものに。
この山頂一帯が花崗岩でできているのか真っ白で上を見ても下を見ても、不思議な景色が広がっていた。
ただ、この砂地のようなジャリジャリとした足元は、あまりグッと踏ん張れる感じでは無いので、足への疲労感がゆっくりとやってくる。

ところどころで見える岩の走るラインは、同じような形をした細かな石が食い込んだように並んでいる。
岩の色も含めて、とにかく不思議な山だと感じた。

直登と巻き道との分岐から40分、黒戸尾根との合流地点を過ぎ、さらに登ること5分。
甲斐駒ヶ岳山頂に到着。

登山口から2時間55分。
山頂は広くて、砂地の足元に丸みのある岩が埋まっている。
格子戸の石造りの祠と、石碑がいくつもあって、信仰の山という雰囲気がする。

山頂から5分ほど降りたところには駒ヶ岳神社本社があり、大己貴尊が祀られ石碑と社殿が建てられていた。
さらに下り、山頂へのルートから横にそれること15分ほど。
摩利支天峰に辿り着くと、こちらにも石碑が多く置かれ、甲斐駒ヶ岳の山頂を一望することができた。

摩利支天峰

駒津峠から仙水峠への下山ルート

仙水峠へのルートは双児山からのルートに比べて距離が長く、緩やかに下って行けそうな雰囲気があるが、実際には仙水峠まで一気に高度を下げ、そこから長衞小屋まで緩やかに下りていく。
駒津峠からハイマツに囲まれながら下り続け、樹林帯の中を進むこと1時間。仙水峠に到着。ここは熔岩石のような黒い石が多く転がり、ところどころに積み重ねられている。

仙水峠からはコケと落葉松に囲まれたルートに変わり、仙水小屋を過ぎると川を横目に進むようになる。
ここは歩きやすいルートで、危険な箇所や体力や技術が必要なところも無い。

およそ6時間半ほどの行程で、バスを利用した日帰りルートとしても余裕が持てた。

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双児山から眺める甲斐駒ヶ岳

双児山から眺める甲斐駒ヶ岳

北沢峠から登る甲斐駒ヶ岳は、危険箇所も少ない上に眺望も良くオススメの登山コースです。林道バスを降りたらそこは標高2000m。甲斐駒ヶ岳まで900mあまりです。
北沢峠からは長衛小屋を通って仙水峠を登ると、こもれび山荘の真横にある双児山を越えて行くコースがあります。
オススメはなんといっても双児山を越えるコースです。

序盤は樹林帯に囲まれているのですが、木々の間から北岳や仙丈ヶ岳をチラチラと覗き見ることができ、そして双児山に到着するとこの眺めです。

まるで雪をまとったかのように真っ白な甲斐駒ヶ岳の姿。この写真は秋も盛りを過ぎたころなので、葉の色の鮮やかさもありませんが、夏だったら濃い青と活き活きとした葉。そこに浮かぶ真っ白な山容を楽しむことができたと思います。

双児山から甲斐駒ヶ岳を望みながら山頂を目指しますが、夏の甲斐駒ヶ岳を想像しながらの登山でした。
色の濃い季節に甲斐駒ヶ岳へ登りたいと終始考えていました。

比較的早めに稜線に出ることができ、南アルプスの大きな山と、真っ白で美しい甲斐駒の姿を楽しみながらの登山コースです。難易度が低くてもちょっと混んでいても、ここの眺めは忘れることができません。

下山後に立ち寄った温泉

仙流荘

伊那市長谷にある南アルプスへのシャトルバス乗り場の横にある施設。露天風呂の付いた大浴場、休憩室があり宿泊も可能。駐車場も広く、朝早くから南アルプスへ向かう際の宿泊地にも使える。

下山してすぐに温泉に入ることが出来るのが嬉しいです。
荷物を下ろしてすぐに温泉に入る贅沢感が味わえます。
玄関の横には、登山者用に大きな荷物が置けるようにブルーシートが敷かれていました。温泉も広く綺麗ですが、露天風呂は少し小さめでした。

お世話になった山小屋

長衛小屋

北沢峠の山梨側にある山小屋。戸台の案内人だった竹沢長衛が最初に建てた小屋で、幕営場所が非常に広く、平で整備された場所で100張まで可能。2006年から2012年までは駒仙小屋、2013年からは長衛小屋として営業している。2階建ての大きな施設で、シャワールームやトイレもある。

広々と明るいテント場が魅力的です。北沢峠のバス停から歩いて10分ほどの場所で、山から下りてきたときにはホッとする印象があります。トイレは外にあるので、宿泊者で無くても立ち寄れます。

仙水小屋

北沢峠から1時間半ほどの場所にあり、甲斐駒ヶ岳へと続くルート上に位置している。標高は2,130m。甲斐駒へと続くルート上では最後の水場となる。水場の利用は小屋に声をかけてから行うようになっている。宿泊者のみが小屋への立ち寄ることができる。

入口に「準備中 立入禁止!予約者はお入り下さい」や、「この小屋に公衆トイレは有りません」と掲げてあるので、少し近寄りがたい雰囲気のある小屋でした。とはいえ、お世話になった方から悪い評判を聞くことはないです。完全予約制で30人までの比較的小さめの小屋なので、落ち着いて宿泊できると思います。

こもれび山荘

標高2036mの北沢峠にある山小屋。収容人数は110人と、この辺りでは最も大きな山小屋となっている。長野県伊那市から、山梨県甲府市からの南アルプスへ向かうバスの終点地点となっており、仙丈ヶ岳、甲斐駒ヶ岳への登山口に位置しているため、登山者の行き帰りの場所になっている。

山を下りてきたときに、この建物が目に入るとホッとします。バスの待ち時間にも食料や飲み物を帰るため、癒やしの場所というイメージです。長野側から甲斐駒へ登ると途中に小屋が無いので、長衛荘か長衞小屋を利用することになります。

同じ時季に登った山