荒倉山

霧見岳縦走路 2018年11月22日

落葉と細尾根が続く鬼女紅葉伝説の山

  1. 荒倉山

歩いたルート

今回の登山レビュー

この日のコースタイム

  1. 鬼ノ岩屋登山口
  2. 安堵ヶ峰(0:10)
  3. 偽霧見岳(0:30)
  4. 霧見岳(0:37)
  5. 砂鉢山(1:07)
  6. 紅葉の岩屋分岐(1:58)
  7. 紅葉の岩屋(1:59)
  8. 奥の岩屋(2:09)
  9. 鬼ノ岩屋登山口(2:17)
最高標高
1415m
登山口標高
1174m
距離
5.36km
登り
鬼ノ岩屋登山口
下り
鬼ノ岩屋登山口
行動時間
登り1:07・下り1:10・合計2:17
累積標高
443m
447m
平均斜度
9.43度
歩行速度
2.34km/h
時季
2018年11月
天気
曇り

裾花川から旧鬼無里村を見下ろす山で、戸隠から見える大きな姿を印象的に思っていました。
なかなか足が向く感じでは無いので、信州百名山とはいえ、訪れる機会もないまま、ベストシーズンとはいえない落ち葉の季節に行って来ました。
登る前の情報では、アップダウンが厳しいことと尾根が細いことを知ることができたのですが、そこはさすが戸隠の山という感じで、戸隠の中では比較的楽な山では無いかと思います。
木々に覆われた山なので、葉の落ちた季節は見られない眺望が得られます。
珍しい角度で高妻山が眺められることや、戸隠連峰を間近で見られ、楽しめました。

鬼女紅葉伝説の山 荒倉山

長野市鬼無里に伝わる鬼女伝説。
紅葉という都から旧鬼無里村へと流された女性が、やがて鬼女になり退治されるまでを綴った伝説で、能で歌われる「紅葉狩」の題材になっている。
その紅葉が住処としたところが荒倉山で、山腹には岩屋が残り、現在では景勝地のひとつになっている。

荒倉山は戸隠の南側に位置し、山全体が厚く潅木林に覆われている。
そのために眺望は少なく、紅葉の季節が最も楽しめる。

葉が枯れ落ちた11月は色を失い、紅葉の山としての華やかさを無くしているが、代わりに枝から葉が落ちたおかげで戸隠連峰をはじめ、飯縄山など近隣の山々を眺めることができる。

雨雲が近づく曇天のもと、鬼女紅葉の岩屋近くにある龍虎隧道から霧見岳縦走路を通って最高地点の砂鉢山へ向かった。

荒倉山の計画

10:30 龍虎隧道(0:00)
11:30 霧見岳(1:00)
12:30 砂鉢山(2:00)
13:00 砂鉢山出発(2:00)
14:30 龍虎隧道(3:30)

荒倉山へは長野市戸隠にある荒倉キャンプ場へと向かう。
長野市街にある善光寺の門前から国道406号を白馬・奥裾花方面へ。
祖山郵便局前の分岐を戸隠栃原へと向かい、集落の狭い道路を縫って荒倉キャンプ場へ。
キャンプ場から10分ほど登ったところに龍虎隧道がある。

  • 【荒倉山】登山百景-ココから登る

    ココから登る

  • 【荒倉山】登山百景-すぐに岩屋の分岐

    すぐに岩屋の分岐

  • 【荒倉山】登山百景-尾根に出た

    尾根に出た

荒倉山の最高地点 砂鉢山へ

荒倉キャンプ場から、林道のような急カーブの続く狭い車道を登っていく。
車道をショートカットするように登山道が横切り、道路はくねくねと曲がりくねりながら上へ。
龍虎隧道の横には5台ほどが停められる空き地になっていた。
見上げるとそう高くも無い位置に尾根が見えるものの、そこまでは九十九折りの急斜面が続いている。

準備を整えて登山道へと入ると、すぐに紅葉伝説の岩屋への分岐点にさしかかった。
岩屋は登山道を真っ直ぐ、荒倉山は右へと登る。
右へ折れ、左へ折れ、距離を長く歩いていないうちに車は下にかなり見えた。

5分ほど歩いて尾根上に出ると、霧見岳縦走路の看板が見えた。
右にはキャンプ場から続く登山道、左が山頂へと続く尾根の道だった。
キャンプ場からの登山道は見るからに狭く険しい雰囲気で、とても下から登りたいとは思えない状態。
掛けられた矢印の方向も、これから向かうとはいえ急な登り坂で、見るからに先が思いやられそうだった。

  • 【荒倉山】登山百景-この尾根を登る

    この尾根を登る

  • 【荒倉山】登山百景-安堵ヶ峰へ

    安堵ヶ峰へ

  • 【荒倉山】登山百景-安堵ヶ峰を登ったら下りる

    安堵ヶ峰を登ったら下りる

  • 【荒倉山】登山百景-高妻山が見える

    高妻山が見える

安堵ヶ峰

尾根上に出てから迎えた急登は、岩が露出し、その上に落ち葉が降り積もった状態だった。
丸味を帯びた尾根の急登で、葉の落ちた木々の間からピークが見える。
安堵ヶ峰と呼ばれるこのピークは、鬼女紅葉を退治したあと平維茂が勝ち鬨を上げたといわれている場所。
飯縄山や長野市街を見渡せるというものの、いきなりの急登と狭い尾根でその余裕も無く、早々に安堵ヶ峰を過ぎていく。
ピークは、まるで三角錐そのものといった様子で広さがなく、すぐに急な坂を下りる。
右側は切れ落ちた崖で、高さ10mはあろうかという真下に急斜面が谷になって落ちていく。
木が茂っているために高さを感じることはないものの、落ちれば戻ってくることが簡単ではない以上に、ただごとでは済まない雰囲気が感じられる。

知ってはいたけれど、いきなり狭かった

霧見岳

安堵ヶ峰を越え、急な斜面を下りると右側に戸隠連峰が見え始める。
木々の間から覗き見るような眺望で、葉のある季節では見ることができないだろう景色に、落葉の季節に登った良さを感じた。
この角度で見る高妻山や戸隠連峰南部の西岳への距離感は貴重で、他の山からは得ることができない。
落ち葉が積もった中、丸く狭い尾根を下りては登り返す。
尾根の右側は高く落ちた崖、左側は急な斜面と、どちらも迷い込むことのできない状態で、木々を縫うように落ち葉が続いているのが道標のようだった。

  • 【荒倉山】登山百景-下りたら登る

    下りたら登る

  • 【荒倉山】登山百景-先に高い峰が見える

    先に高い峰が見える

  • 【荒倉山】登山百景-鎖場

    鎖場

  • 【荒倉山】登山百景-けっこう角度がキツい

    けっこう角度がキツい

  • 【荒倉山】登山百景-登った上は細尾根

    登った上は細尾根

木々の影に一際高い峰が見え、鞍部から崖のように急な登り坂が続いていた。
このルート上で唯一の鎖場で、滑りやすい落ち葉と土の急斜面。
木の根が張っているため、足の置き場所や、手がかりには苦労がないものの、戸隠特有の脆さや急斜面の高度感が不安にさせる。

ここも知ってはいたけれど、ちょっと急すぎやしないか・・・

鎖場を登り切ると平坦な細尾根が続き、その先に小さな石仏が置かれていた。
登山道を示す木の標には、エンピツで「霧見岳」と書かれていた。
ここが中継地点の霧見岳とばかりの標で、それと相まって木々が開けて戸隠連峰が一望できる。
一夜山から北方へと続く険しい稜線は、北端の乙妻山まで見通すことができた。
この角度からか、さらに北にある妙高山は高妻山とそっくりな山容に見えた。

とっても眺めが良くて満足度が高い

  • 【荒倉山】登山百景-眺めの良いところに出た

    眺めの良いところに出た

  • 【荒倉山】登山百景-エンピツで霧見岳と書いてある

    エンピツで霧見岳と書いてある

  • 【荒倉山】登山百景-戸隠連峰が一望できる

    戸隠連峰が一望できる

  • 【荒倉山】登山百景-高妻の奥に妙高

    高妻の奥に妙高

  • 【荒倉山】登山百景-また下る

    また下る

  • 【荒倉山】登山百景-登り返した峰の上

    登り返した峰の上

霧見岳と書かれた標をあとにして下る。
落ち葉の中を登り返して広い峰の上に立つと、霧見岳と書かれた看板が朽ちていた。

え・・・

まさか・・・ここが霧見岳

どうやらここが本当の霧見岳らしく感じられた。
登山口からは37分ほど。
これまでの登山道上と同じように眺望は無く、さきほどのエンピツで書かれた場所がいかにも霧見岳山頂のようにも思えた。

霧見岳を後にすると、遠くに高い峰が見えた。
尾根は右へ巻くように続き、急な斜面が下りている。
これまで以上に狭い尾根と高さを感じる急斜面を見下ろす。

尾根から急斜面をトラバースし、大きな岩の真下を登って前岳との分岐を砂鉢山方向へと進む。
登り切ると狭い岩尾根があり、下りて登り返す。
霧見岳から見えた高い峰へと近づくと尾根はますます狭くなり、左右には高度感のある急斜面が下へと落ちている。
狭い尾根を渡るように通過して、何度目かの登り返しで峰の上に着くと、砂鉢山と書かれた木が建てられていた。

  • 【荒倉山】登山百景-向こうに砂鉢山らしき影

    向こうに砂鉢山らしき影

  • 【荒倉山】登山百景-下りると細い

    下りると細い

  • 【荒倉山】登山百景-細尾根からの急斜面トラバース

    細尾根からの急斜面トラバース

  • 【荒倉山】登山百景-また登り返す

    また登り返す

霧見岳から砂鉢山って意外と遠く見えた

  • 【荒倉山】登山百景-細尾根を登る

    細尾根を登る

  • 【荒倉山】登山百景-登ったら平ら

    登ったら平ら

  • 【荒倉山】登山百景-岩の下を登る

    岩の下を登る

  • 【荒倉山】登山百景-前岳との分岐を砂鉢山へ

    前岳との分岐を砂鉢山へ

  • 【荒倉山】登山百景-分岐から登って下りる

    分岐から登って下りる

  • 【荒倉山】登山百景-狭い

    狭い

きっとこの辺が核心部なんだろうな

  • 【荒倉山】登山百景-山頂手前の細尾根

    山頂手前の細尾根

  • 【荒倉山】登山百景-この上へいく

    この上へいく

  • 【荒倉山】登山百景-山頂はこの先

    山頂はこの先

荒倉山最高地点 砂鉢山

登山開始から1時間7分ほどでの到着だった。
山頂には小さな祠がひとつと、腰を下ろしやすい切り株がいくつか置かれていた。
事前の情報で知ってはいたものの、樹木が茂っているために眺望は遮られ、比較的に木が少ないところでも背の高い枯れ草が残り、十分な視界ではなかった。
それでも飯縄山や戸隠連峰といった近隣の山々、白馬岳北方の山、後立山から南へと続く稜線を見渡すことができた。

  • 【荒倉山】登山百景-砂鉢山山頂に着いた

    砂鉢山山頂に着いた

  • 【荒倉山】登山百景-祠と標がある

    祠と標がある

  • 【荒倉山】登山百景-北の方には飯縄山

    北の方には飯縄山

  • 【荒倉山】登山百景-菅平・四阿山の方

    菅平・四阿山の方

  • 【荒倉山】登山百景-白馬岳北方

    白馬岳北方

  • 【荒倉山】登山百景-戸隠連峰

    戸隠連峰

何も見えないと思っていたから、これくらいでも大満足の眺望だった

下山

砂鉢山からの下山は、登ってきた登山道をピストンで戻る。
高く狭い尾根は逆向きでは登りでは感じなかった高度が感じられたり、気を遣ったところが難なく通れたりと、まったく趣が違って感じられた。
アップダウンの多いルートは、登りのペースとさほど変わらず、登山口付近の岩屋分岐まで50分ほど掛けて下りた。

  • 【荒倉山】登山百景-細尾根を戻る

    細尾根を戻る

  • 【荒倉山】登山百景-安堵ヶ峰へ登り返す

    安堵ヶ峰へ登り返す

鬼女紅葉の岩屋

登山口をすぐ真下に見たところで、鬼女紅葉の岩屋へと立ち寄った。
分岐から2分ほど進んだところにある岩窟で、紅葉が隠れ住んだ場所されている。
広い方の窪みは、中に小さな祠と奉納の木杭が何本も立てられ、小さい方の窪みは暗く深く、物音ひとつせず薄暗く特殊な雰囲気だった。

岩からさらに先には、紅葉稲荷が祀られる奥の岩屋がある。
赤い鳥居をふたつ潜り岩の横を進むと急斜面を横切るように登山道が続いていた。
斜面が急なところには木段が設けられ、岩に鉄杭が打ち込まれた上に丸太で階段が作られているところもあった。
階段の先には落ち葉の積もった急斜面が続き、太いロープが架けられていた。
つい先ほど通ってきた尾根へ近づいていくようで、登山道へ戻るんじゃないかと思えるほど。

  • 【荒倉山】登山百景-鬼女の岩屋

    鬼女の岩屋

  • 【荒倉山】登山百景-広い方には紅葉稲荷

    紅葉稲荷

  • 【荒倉山】登山百景-狭い方

    狭い方

  • 【荒倉山】登山百景-静かで音もしない

    静かで音もしない

なかなかに不気味というか一人では来ないだろうな

紅葉の岩屋からは10分ほど。
ロープに沿っていくと尾根の下にある大きな岩の窪みに、ハシゴが掛けられているのが見えた。
脆く崩れやすい土と岩の急斜面で、真っ暗な窪みに向かってハシゴが続く。
ハシゴを登って窪みを覗くと小さな鳥居と祠が祀られ、そこには紅葉稲荷大明神と書かれていた。
奥の岩屋から見上げると、すぐそこに見える尾根へ戻れそうな雰囲気でもあった。

奥の岩屋から来た道を戻り、紅葉の岩屋から登山口へと戻る。
落ち葉で滑りやすく、アップダウンの多い登山道ではあったものの比較的歩きやすく、秋が楽しみな登山道だった。

  • 【荒倉山】登山百景-奥の岩屋へ

    奥の岩屋へ

  • 【荒倉山】登山百景-急斜面を横切る

    急斜面を横切る

  • 【荒倉山】登山百景-階段を登る

    階段を登る

  • 【荒倉山】登山百景-ロープに沿っていく

    ロープに沿っていく

  • 【荒倉山】登山百景-奥の岩屋はこの上

    奥の岩屋はこの上

ちょっとこの辺、急斜面過ぎやしないか・・・

  • 【荒倉山】登山百景-岩屋はハシゴの先

    岩屋はハシゴの先

  • 【荒倉山】登山百景-中には紅葉稲荷

    中には紅葉稲荷

  • 【荒倉山】登山百景-龍虎隧道へ戻ってきた

    龍虎隧道へ戻ってきた

荒倉山周辺の山

同じ時季に登った山

荒倉山立ち寄り情報