七合目登山口から冬の蓼科山へ
佐久市方面からビーナスラインを通って白樺湖方面へ。
晴れていれば車窓からも景色が楽しめる気持ちの良い道路を上り、白樺高原国際スキー場から御泉水自然園方面へと入っていく。
急カーブの続く道路は、日影では雪や氷が残り、ノーマルタイヤでは怖さも感じる。
11月下旬は七合目登山口から先は通行止めになっているためか、何台も車が停められる駐車場には1台も停まっていなかった。
鳥居の建つ七合目登山口は標高1860m。山頂までは600mほど。
一般的な登山時間は2時間もあれば山頂に到達できるという。
とはいえ冬の入口。
道には雪もあって風が強く吹いている。
山頂方向を見上げれば、灰色の雲がかかり冬の装備が必要だった。
登山口の鳥居から足元はすでに雪。
積もり始めたばかりの雪はフカフカのさらさらでグリップ力が全く無く見た目以上に滑りやすい。
石の多いルートだけに、歩きづらさも見た目以上。
七合目から登るルートは蓼科山にある登山道の中では短い方になる。
西側から登るスズラン峠ルートと比較して七合目からのルートは歩きやすくなっているとはいえ、登り坂は短いながらも急な勾配が続く。
スタートから20分ほどで勾配がきつくなる。
中継地点の将軍平まで半分を過ぎたころに経由する天狗の露地。
ここを過ぎると、だんだんと木の枝に着いた霜も大きく育ってくる。
あちらこちらに「蓼科山山頂・蓼科神社」と書かれている看板。
振り返ると女神湖が青く見える。
将軍平
登山口から1時間足らず、将軍平の蓼科荘に到着。
ここが大河原峠からのルートの分岐になる。
風が強く当たるせいか木に張り付いた霜は大きく育ち、雪も溜まっていた。
雪に埋もれたルートを進むと、新雪がギュッギュッと鳴って気持ちが良い。
新雪が被った岩は滑りやすい。
さらに誰も踏みいった跡が無いので、凹みや不安定な岩に足の踏み場に迷いながらも、なるべく石が積み上がった安定していそうなところに目を付け、雪が被っていないところを選んで足を乗せる。
雪が積もっていたり濡れている岩の上は滑るので、どんなに気をつけていても、やはりバランスを失いやすい。
このルートのようにフカフカで柔らかく、うっすらとかぶった程度の雪だとアイゼンも効かないので、しっかりと注意しながら進みたい。
足元が安定しないとはいえ、雪のつもり始めた登山道は美しく、濃い青と真っ白な世界に目を奪われる。
歩いてきた後ろを振り返れば、同じく雪をかぶった浅間山が見える。だんだんと背が低くなり始めた木には雪が付着して身の回りを囲んでいる。
山頂が近いという雰囲気も。
足元が悪く登りづらい将軍平からの坂も、すぐに樹林帯を抜けることができた。
樹林帯を抜けると、景色が良くなって風を遮るものが無くなるので、とんでもなく寒くなる。まっすぐと登っていたルートは横への移動に変わった。
山頂ヒュッテが見えると蓼科山の山頂はすぐそこ。
岩がごつごつして、雪がすべすべして歩きづらいのは変わらないものの、ここまで来ると目と鼻の先の山頂にテンションが上がる。
蓼科山山頂への到着はスタートから1時間半で到着。
蓼科山の山頂
蓼科山の山頂は広いので、ぐるっと一周するのも良い。
西側からはアルプスの山々と霧ヶ峰を見渡すことができ、東側には浅間山を眺めることができる。
山頂の中央付近には蓼科神社奥社の小さな祠が建てられている。
ただし、山頂もゴツゴツと岩の転がった場所になるので、転倒しないように足元には注意が必要。
風も強いので、木に囲まれた登山道とは全く別の気候のつもりで準備をしてきた方が良い。