室賀氏の居城を登る
上田市街から修那羅峠方面へ向かう。
川西地域から国道を離れ山間の県道を室賀へ。
日帰り温泉の看板が出されているため、そこを目印に山へ近づいていくと下洞山が見えてくる。
1000mにも満たない標高と集落からの僅かな高低差は周りの山々の存在感が強く、よほど下洞山を意識しない限り見つけることも難しい。
西側に修那羅峠、北側に室賀峠という自然の要害で、戦国時代には狭いエリアながらも室賀氏が村々を守るのには都合が良かったのだろうと想像が膨らむ。
日帰り温泉の少し上に下洞山があり、その麓には室賀水上神社。
向かい合うように前松寺があり、寺の背後には室賀氏の墓所が置かれている。
一般的にはマニアックな部類かなと思います
鳥居を目印にして室賀水上神社へ向かい、神社の空きスペースで準備を整えて、まずは社殿に向かって石段を上った。
木々に囲まれて野鳥の鳴き声が響く。
小さく装飾の無いシンプルな社殿で、左側へ下りるように道が続いていた。
見てみると幟旗が立てられ、城跡まで整備された道だろうと思えた。
逆に幟旗がないと、どこを歩くのか分からないのだけど
整備された道はなだらかな登り坂で、木々が疎らなため、どの斜面でも通路のようにも見えた。
幟旗に沿っていくと、急斜面を横切った先に向かう方向を指している看板が見えた。
アレか!
看板の場所まで登ってみると、尾根上の地形になっており、反対側には集落の屋根が見える。
道は尾根に沿って上へと続き、枝が迫り出してあまり人が歩いていないような雰囲気。
陽が当たり暖かな斜面になっているせいか、日影に僅かな雪が残る程度で凍っている様子も無かった。
油断してるとエラい目に遭う感じ
登りとはいえ歩きやすい程度の斜面で、落ち葉を踏みしめながら登っていくと2・3分ほどで急な角度のこんもりとした場所に出た。
一見してどこを歩くのかを迷うようなところで、ロープを見つけてそれに沿って行く。
このロープが立ち入り禁止を示すのか、手がかりになっているのか分からないと思いながらも、だからといって他に歩く場所もなく、踏み跡にようにも見える斜面を登る。
すぐに、さらに急な登りになり、そこにもロープが張られていた。
落ち葉と柔らかな地面が滑りやすく、ロープがあって良かったと思える。
ロープも怖いのだけど、でも助かりました
登り切るとなだらかな斜面に変わり、少し登った先には祠が置かれ、下洞山の山頂部に出た。
城跡の下洞山山頂部
室賀水上神社から16分
下洞山の山頂部は城跡らしく、平坦で広々としたところだった。
室賀水上神社からは16分、登り坂続きとはいえ気軽な山歩きと思うとちょうど良い。
山頂部の橋には木々が開けた場所もあり、笹洞城趾の看板が建てられていた。
室賀地区とその先の塩田平を一望するようで、室賀氏が治めていた戦国時代に思いを馳せる。
絶景が見られる標高の高い山も良いが、内山のような家々に近い山で思いを巡らせるのも良い。
城郭跡を探すわけでもないので、周囲の眺めを楽しんだ後、登ってきた道を折り返して戻った。
下りの方でロープに助けてもらいました