荒船不動から荒船山へ
荒船不動のある佐久市は冬季の気温が低く、降雪は少ないものの積雪が溶けずに残り、雪質も乾いた滑りやすい状態で残っていることがある。
道路の除雪も通行量の少ない山間部では行き届いていないこともあり、特に内山峠から荒船不動までの道路は滑りやすく、スタッドレスだけではなくチェーンの準備が必要な場合もある。
登山口の荒船不動の手前には20台ほどが停まれそうな駐車場があるが、この季節ではそこまで到達できないこともあるため、直前の天候も含めて確認をしておいた方が良い。
荒船不動から雪の登山道へ
荒船不動の手前で車を停め、雪の積もった道を上っていく。すぐに不動の境内に入り、お堂や地蔵尊などが建ち並んでいる。
建物にひと気はないが、物干しや掃除された様子がある。その脇を小さなリスが足跡を残して走って行く様子も見られた。
お堂を過ぎるとしばらくは緩やかな登り坂が続く。山の斜面を横切るような登山道で、左側には急な斜面が沢に向かって落ちている。
5分ほどして凍り付いた沢を渡り、案内板を横目に見ながら本格的な登山道へと入っていく。
足首ほどまで雪の積もった登山道に沿って、折り返しながら徐々に標高を上げていく。
木々の間から左右に山影が見え、目安になる星尾峠までの高低差や距離を感じさせる。
乾いた雪の滑りやすい登山道を25分ほど。
荒船山と兜岩山との分岐にあたる星尾峠に出た。
星尾峠から荒船山のテーブルへ
星尾峠は荒船不動と経塚山との間の高さ。1,260mの星尾峠からは1,423mの経塚山が高く聳えて見える。
しばらくは幅1mほどの登山道が続き、雪は陽当たりが良いために重く湿っている。
3分ほど歩いたところで鉄製の橋を渡って窪みを越えて行く。
雪で濡れた足元には鉄が滑りやすく、油断すると橋から滑り落ちそうになる。
橋を過ぎてすぐに登山道の崩落部分があり、補修がされないままになっていた。
案内板によると「雨のため」とのことで、立ち入り禁止ではないものの通行には十分に注意がいる。
雪の下は地面が固く凍っているため、登山靴のソールを食い込ませることもできず、雪のためにグリップを効かせることもできない。
できればいったん登山道を外れて、下部から崩落部分を巻くようにした方が安全だと思われる。
星尾峠から200m地点。黒滝山不動寺へと続く分岐に出た。
荒船山へと示している看板は、雪の急登を差していた。
斜面を登っていくと雪に埋まった階段になり、5分ほどで斜面を登り切ることができた。
登山口からは45分ほど。
荒船山絶壁・経塚山と書かれた標識があった。
ここから北へと続く平坦な山頂台地の先に木も生えない艫岩の絶壁がある。
経塚山へと足を向けて最後の急坂を登っていく。ここまで来ると八ヶ岳方向から吹き付ける風が強く寒い。
足元には枝に着いた氷が落ちてパラパラとした状態で積もっている。
これまでとは違った登りづらさで、すぐそこに見える山頂を目指して歩く。
荒船山山頂
荒船不動から登ること55分。
山頂の経塚山へ到着した。山頂には小さな石の祠と二等三角点、山頂の標が2つ。
木々に覆われているため周辺の眺望は良くない。
風が強くあたるため、雲に覆われた周辺の山を眺めて早々に下山をした。
荒船山からの下山路
下山は登りと同じルートをピストン。荒船不動へと下りる。
フカフカで滑る雪も、下りでは膝への衝撃が緩くなって歩きやすい。崩落部分は登りよりも難易度が高く感じられた。
斜度もキツくないので雪の感触を楽しみながらの下山で荒船不動へと戻った。