石鎚山へ登る
愛媛県西条市から石鎚山脈へ山深く県道を進んで行く。
この季節の石鎚には何を持っていけば良いのだろう?って思いました
石鎚山の表参道は、石鎚山温泉に車を停めて、ロープウェイで登山口へと向かう。
駐車場は広く、かなりの台数が余裕をもって停めることができる。
日帰りの駐車料金は1000円。
アーケードのような通路を入っていくと、旅館の前で車を停めて駐車場へ通される。
駐車場のかたわらには、石造と一緒に石鎚山を模した巨石が置かれている。
巨石にはプラスチックの鎖が取り付けられ、登山道を表しているようで登る前から興味深い。
帰りはここの温泉に寄るんだ
駐車場からロープウェイ駅までは歩いて10分と掛からないほど。
アスファルトの急な道路で、1月はスキー客向けにマイクロバスが往復している。
ほんの2・3分のバスでも乗せてもらえるのはありがたく、バスに揺られて駅の入口で下りた。
トイレもココで済ませる
石鎚山のロープウェイに乗って登山口へ
ロープウェイは20分ごとの発着で、1月の始発は8時40分から。
ただ実際は予定より早く運行をしているようで、この日もすでに始発が出ていた。
5分ほどで高低差900mほどを一気に登り山頂成就駅へ。
良く晴れた陽射しの温かそうな日でも、ロープウェイを下りると気温2度。
標高1200mを越えた地点は、温暖な地域とはいえ寒い。
愛媛まで来て2℃っていうのも新鮮な気がする
ロープウェイ駅の外に出て準備を整え、ここから登山開始。
まずは整備された未舗装の道路を成就へ向かって上っていく。
すでに眺めが良く、振り返れば雲のかかった瓶ヶ森が見える。
瓶ヶ森が見えるじゃないか
ここでも十分じゃないかと思えるほどに眺めもよく、実際、ここから成就までは観光客も多く訪れる。
やっぱり寒いんだ。
樹林帯の登りはほとんどが日影で、露出した土は霜柱が高く育っている。
バリバリに固く締まり、夜間の寒さが思われる。
凍結などは特になく、滑りやすいようなところや歩きづらいところもなく、成就までは18分ほどで到着した。
成就から登山道へ
成就は、石鎚山を登頂した役行者が、山頂を振り返ったといわれる場所で、石鎚神社中宮成就社が建つ。
成就社に背を向けるように進んで、山門を潜るところから表参道の登山道が始まる。
この下りは好きじゃない
登山道の序盤は下りが続く。
八丁といわれる地点までの高低差100mほどの下り坂。
階段が設けられた歩きやすい登山道とはいえ、この下りは帰りでは登りになることを思うと、あまり長く下りていきたくはない。
木々の間からは、これから登ろうとしている石鎚山の稜線が見える。
下りていくほどに稜線も高く聳えていくようで、テンションも下がっていく。
帰りは登るのだよね。。。
10分ほど下って鳥居を潜り、さらに下りを進んで行くと日影にはうっすらと雪が見えた。
枝から葉が落ちて風が当たりやすく、日影も多いために体が冷えやすい。
木の間からは石鎚山の稜線が見え隠れするものの、成就から見えるよりも高く、まだ続く下りは続いていく。
石鎚山が見えても嬉しくない
八丁からの連続階段
八丁には成就から15分ほど。
成就から下りきって、ここから山頂への登りが始まる。
幅が広く歩きやすいものの、階段が多く歩幅を合わせるのに苦労する。
日影は薄暗く、枝の間から陽が射すところだけが眩しい。
登山道は尾根を進むように、徐々に細く両側が深く落ちたように変わっていく。
ただ歩くのに気を遣うような狭さではなく、階段が長く続くところ以外は歩きやすい。
にしても、階段が多い。
鎖場の巻き道
階段ばかりでようやくココまで来た感じ
登山口から1時間が経ったほどで、試しの鎖に着いた。
試しの鎖は、一の鎖から山頂部へ続く鎖場の最初。
「試し」とはいえ長い鎖場で、凍結の季節には登らずに巻き道を通りたいところ。
試しの鎖が架けられた岩峰の左側に巻き道があり、ここから反対側の売店へ向かうことができる。
今日は全ての鎖を巻くんだ
ここは夏なら営業してるとかあるのかな?
売店は閉鎖されているが、空いた場所も多く座って休憩ができる。
木が開けているため、瓶ヶ森への眺望も良く、序盤の休憩場所としてもちょうど良い。
とりあえず瓶ヶ森は抑えとく
中盤から尾根に出る
売店を過ぎ、5分ほど階段を登り進んで行くと、そこまで登ってきた斜面の反対側が見えるような尾根上に出た。
登山道の脇には石でできた小さな祠が建ち、登山道には雪が多くなった。
凍結しているところも多く、特に木道の上では固く締まって滑りやすくなっていた。
滑りやすそうだ
うっすらとした雪の斜面を登っていくと、緩やかな峰をひとつ越え、一気に眺望が開けた。
山頂部への視界を遮るものはなく、弥山にある石鎚神社も見える。
ここから岩壁のような山体に、三の鎖の建物が見え、登っていく登山道を見るようだった。
建物が大きく見えてきた気がする
西之川登山道との合流地点 夜明け峠
鞍部の夜明け峠には、登山口から1時間19分だった。
夜明け峠は西之川登山道との合流地点。
ロープウェイを使わない場合は、ここから表参道へと登っていくことができる。
両側には笹が茂り、周囲の眺めは良い。
陽射しを遮る物もなく温かく感じられる。
西之川登山道はロープウェイを使わないヤツ
鎖場の巻き道
笹から階段を登り、夜明け峠から6分ほどで一の鎖の取り付きに着いた。
一の鎖には大きな取っ手の鎖が4本下がっている。
この鎖も巻き、斜面を折り返しながら登りが続いていく。
日影部分では標高が上がったぶん、さらに凍結が厚くなり、足の置き場所によっては滑りやすい。
登りでは平気だけど、下りは要注意な感じ
二の鎖が間近に見えてくると、登山道は雪に覆われるように変わった。
積雪量は多いというほどではなく締まっており、陽の当たるところでは凍結も無いため、滑りやすいところもない。
登山口からは1時間38分、二の鎖に着いた。
二の鎖には、冬季でも簡易トイレ専用のブースが開放されている。
眺めの良い場所でもあり、特にトイレの前からは谷を挟んで瓶ヶ森を眺められる。
眺めも良いけれどトイレしたい
鉄製の階段が連続する
寒い。。。
二の鎖からは登山道が日影になり冷たさが増していく。
斜面をトラバースするように続く登山道は、谷側が深く落ちているため、サラサラとした雪は滑りやすく注意をしたいところ。
鉄梯子を渡り、階段を登って二の鎖を巻いていく。
階段の踏面部分は、たくさんの人が踏みしめているためか、雪が締まり凍り付いてしまっていた。
登りで気を遣うようなところではないが、下りでは滑りやすそうに見える。
鉄の梯子って、濡れて滑ったりするんじゃ。。。?
二の鎖から13分ほどで三の鎖に着き、そこからは鉄製の階段を登っていく。
風が強く体感気温が低い。
階段からは高度感のある景色が広がる。
鉄梯子には手摺りがあるものの、狭い雪の登山道は手を掛けるところもなく注意深くなる。
階段を折り返し、大きな石の壁の間を通ると、山頂稜線へ出た。
ついに・・・!
強く風が当たり、その中で景色を見渡すと、尖った形の二の森が存在感が強い。
周囲には雲海が広がり、山肌が雲に触れていたところは、真っ白な霧氷が着いていた。
晴れていて良かった
山頂稜線の石鎚神社頂上社
登山口から1時間57分、石鎚神社頂上社の前に出た。
広場のようになっている弥山の上で、頂上社が山頂の天狗岳の方を向き、その背後には三の鎖が下がっている。
弥山から山頂の天狗岳へは10分ほど。
天狗岳には霧氷が無いのか・・・残念
石鎚山山頂への岩場
もっとも気を遣うところで、高い段差と狭い岩場が続く。
左手側は垂直に切れ落ちた岩壁で、その上を歩くように登山道が続いていく。
弥山から登山道へは、いったん10mほどの鎖場を下りる。
角度がきつく、段差の高い鎖場で、ソールが固く足首が固定された冬靴では歩きづらい。
ここまで雪の無い状況では、夏季用の靴の方が安全に歩くことができるだろう。
かちかちのソールに足首がっちりホールドは歩きづらい
草木の巻き道は植生保護のため通行止め
岩場に付けられた矢印に沿って、岩に手を掛けながら山頂へ。
ときどき強く吹き付ける風には、体を振られることのないように気をつけ祠の前に着いた。
石鎚山の山頂
ロープウェイ駅から2時間5分。
石鎚山山頂の天狗岳に到着した。
西側には瓶ヶ森、登山道を振り返って北側を見ると弥山と頂上社があり、その背後に雲海が流れている。
雲海を背負った頂上社は存在感があり、風の冷たさが気にならなければ、しばらく眺めていたい景色だった。
西側には二の森、南側には岩稜の先端部と、土小屋登山口が見えた。
深い山々ばかりではなく、瀬戸内海や海岸線まで見ることができた。
風が寒い
ピストンで下山
天狗岳から弥山へ、稜線を折り返す。
登りで気を遣った岩の稜線は、下りでも同じように気を遣う。
弥山手前で鎖場を登り、間近に見える頂上社へ稜線を折り返した。
登りも大変だと思ったけれど、帰りもやっぱり大変
山頂付近はどこにいても寒かった
弥山から登ってきた登山道を戻っていく。
鉄製の階段上では凍結しているところもなく、木の階段では踏みしめられたところだけが凍り付いていた。
急な角度の階段では凍結箇所が滑りやすく、場所によっては滑落しやすい。
みんないろいろな装備で登っている感じだった
二の鎖を過ぎると積雪も無く、滑りやすい場所も無くなる。
ときどき振り返って石鎚山を見、登ってきたとおりに鎖場を巻いて下りていった。
八丁からの登り返しは、序盤で思っていたとおり。
足にも肺にも厳しかった。
もうこの登りは嫌い
成就に立ち寄る
役行者みたいなことをしてみようかと思って。
成就では、役行者が振り返ったという見返り遥拝殿に立ち寄った。
建物の壁が大きく開放され、拍手を打つと石鎚山を拝むようだった。
ロープウェイに乗って下りる
成就からはロープウェイ駅へと下りていく。
登りで見かけた霜柱はまだ霜柱の形を保っていて、こうやって育っていくのだろうと思えた。