雪がキラキラして落ちてくる

雪の武甲山

1304m

持山寺跡 2020年3月16日

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日本二百名山のひとつに数えられる秩父盆地の独立峰。
雲取山や両神山など名の知られる山が多い秩父のなかで、一際、異様な存在感を示して聳えている。
それも削られた北側斜面が要因として大きい。

武甲山の麓には産出されるセメントの工場がいくつも建ち、横瀬から生川の登山口へ進んでいく道中でも、その傍らを通っていく。
大がかりな工場装置を間近に見ることに興奮しながら、山が削られていることに対して複雑な思いも抱きつつ一の鳥居へ。

台風被害の影響で車道の路肩は崩れ、通行しないようにという標識がある中、無理せず入れるところまでと思い、様子を見ながら登っていくと鳥居と狛犬の置かれた駐車場に到着した。
前日までに降っていた雪は、この時点では積もっておらず、滑り止めなどの準備も必要がなかった。

歩いたコース

登り
持山寺跡
下り
表参道
最高標高
1304m
登山口標高
530m
距離
6.59km
累積標高
781m
792m
平均斜度
13.4度
時季
2020年3月
天気
晴れ
日程
日帰り
歩いた時間
登り1:46/下り1:18/合計3:04
平均した歩行速度
2.15km/h

この日のペース

  1. 一の鳥居登山口
  2. シラジクボ(1:14)
  3. 武甲山山頂(1:46)
  4. 一の鳥居登山口(3:04)

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山と高原地図 奥武蔵・秩父 武甲山
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2019年10月の台風19号の影響から、登山口までの道路は路肩が崩れ、表参道と橋立からの登山は遠慮するようにという行政のアナウンスがある中での登山でした。
そもそも登山口までの道路も通行止めの案内があるにも関わらず、車が入れるようになっていたことと、実際、登山口へ入っている人がいました。
そのため「行けるところまで行ってみようか」と進んだところ、登山口へ着くことができたという状況でした。

状況的に良いかどうかといえば、遠慮して然るものと思いますし、登山口での案内板にも従うことが安全に繋がると思います。
そういった意味では、このタイミングで武甲山に入ったことは反省する行動でした。

駐車場には5.6台の車、擦れ違った人数も10人を超えていたように思います。
登りはアナウンスの無かった持山寺跡から。
状況を見ながら下りは表参道へ。
どちらかといえば、駐車場に近づくほど耐風の影響があったように思います。

持って行った水の量

雪の武甲山

市街地から見上げる秩父の象徴的な山のひとつ武甲山。
均整の取れた三角形は採掘のために横縞が見え、ピラミッドのような存在感がある。
3月の歓談を繰り返す気候の中、前日には雪が降り、その形状が際立って見えるようだった。

前年10月には耐風の影響で登山口までの道路が荒れ、登山口からも崩落が見られる状況。
生川の登山口には、登山を遠慮するようにとの掲示物まで見られた。
ここで引き返すべきかという考えもありながら、様子を見ながら行けるところまでいってみようという思いもあり、ひとまず準備を整えて登山口へと入っていく。

武甲山登山

様子を見ながら行ってみる感じで

武甲山の表参道は一丁目から五一丁目までの標が続く。
ひとつひとつが山頂までの目安になるようで、数えながら登るのも楽しい。
序盤は舗装をされた林道。
川を渡り、右手側にカフェなどを見ながら舗装された坂を登っていく。
このあたりには田舎暮らしの売り土地もあり、看板が建っているところも目につく。

武甲山登山

序盤のこれらってちょっと違和感があるというか不思議というか。。。

5分

5分ほど登ったところでコンクリートの舗装は無くなり、林道のように広かった路肩が崩れているところに差し掛かった。
大きく崩落して、立ち入り禁止のテープが張られている。
えぐれているようでもあり、近づくことも憚られるような物々しさ。
すでに踏み跡が付いて迂回するように道が続いていた。

武甲山登山

けっこう崩れたのだな

2・3分

そこから2・3分進んだところでも大きく崩落した箇所があり、歩きやすかった登山道は、崖の上を歩くような細い登山道に変わっていた。
右手側には人が住んでいたような跡地があり、先には魚のいない生け簀が作られていた。
中を覗くと10センチほどのニジマスが2・3匹見える。
この崩落で営業をやめてしまったのか、そういう時季なのかと想像をしていくとすぐに八丁目に到着した。

八丁目からはふたたび舗装された林道のような道が続く。
軽自動車なら通ることができそうな幅が歩きやすい。
左側に沢を見つつ、右側には山の斜面。
ところによっては土石流のように土砂が流出した跡も見られ、なかなかに台風の被害が激しかったことが見てとれる。
登山口から20分ほど歩いたところで表参道と、持山寺跡への登山道との分岐に着いた。

武甲山登山

分岐を左へ曲がって持山寺跡へ行く

持山寺跡へ

表参道は登山口からの標を数えながら登り、持山寺跡へは左側の斜面へと入り、シラジクボで大持山からの縦走路と合流する。
周りを杉に囲まれ、右へ左へと折り返しながらの登山道が続く。
この時点では積雪もなく、前日までの天候の影響も無い。
眺望もないままただ樹林帯を九十九折りに登っていく登山道が続き、分岐から20分と経たないところでうっすらと雪が見え始めた。
木々の間から見える山の上部には、一面が真っ白になるほどの雪が見える。

武甲山登山

けっこう雪があるように見える

分岐から20分

登山道を登っていくほどに、足元の雪は徐々に増えていく。
分岐から20分ほど登ったところで、狭い登山道から林道のような広い道に出た。
雪はソールを覆うほどの厚さ。
踏み跡に沿って林道を進み、途中から脇道に逸れるように再び登山道へ。
まるで曲がりくねった林道をショートカットするかのように登山道が間を縫っている。

武甲山登山

この林道らしき道はどこから来ていたのだろう

杉林の平坦な道を過ぎていくと持山寺跡との分岐点に着いた。
持山寺跡は左、武甲山は右という標に従って山頂方向へ。
ふたたび林道へ出て、すぐに登山道へ戻るように脇へと入っていく。

武甲山登山

狭い。

1時間

登山道の左側は大持山からの斜面で左側へと落ちていく。
斜面をトラバースするような狭い登山道が続く。
標高を上げていくほどに積雪も多く、適度に湿度を持った雪が滑りやすい。
このあたりで登山開始から1時間近く時間が経っていることもあり、木に着いた雪が溶け始め、ところどころで落ちてくる。
背中から上がってくる朝陽を振り返ると、ちょうど落ちてきた雪がキラキラと反射して美しい。
ただ、足元の狭さには注意しながら歩いていく。

武甲山登山

滑りそうな感じもする

シラジクボからの急登

1時間15分

登山口から1時間15分ほどで、シラジクボに着いた。
北側にある橋立からの登山口との合流地点で、大持山からの縦走路とも合流をする。
武甲山の山頂へはここから200mほどの高低差を一気に登る、約30分ほどの急登が続く。

武甲山登山

ここまでなかなか歩いた感じがある

武甲山登山

寒い

それまで周囲を覆っていた厚い樹林帯は、この一体では落葉樹ばかりになり、景色がチラリと見える代わりに冷たい風が吹き付ける。
急な角度を登りながらも、空気の冷たさを全身に受ける。
細かな折り返しと、少しの段差に足を上げながら登り、裏参道と表参道との分岐まで登ってきた。
どちらに進んでも数分ほどで大きくは変わらない。

武甲山登山

裏参道というか登山道から外れて直登っぽい

山頂間近の御嶽神社

1時間45分

シラジクボからは30分ほど。
御嶽神社へと着いた。
武甲山の山頂部は神社の後ろ。
御嶽神社の広い社地には、冬季のため閉鎖しているもののトイレがあり、足を停めて休憩をしやすい場所になっている。
鳥居を潜り社殿の前へと進むと、痩せ細った犬のような狛犬があり、建物の裏手へ回り込むように順路が書かれている。

神社からは10mほどの高さ、緩やかな斜面を登っていくと、武甲山の山頂部へと着いた。

武甲山山頂

登山口から1時間46分、武甲山の山頂に到着した。
僅かな積雪と冷たい風の中での山頂だった。
山体が大きく掘られているため、北側の眺めが良い。
フェンスが張られた先の真下には大きな工場と重機が見える。

空には雲が多いため、遠くの山並みを見渡すことができないものの、眼下に見える秩父の街並みを一望することができる。

武甲山登山

街を見下ろすのが楽しい山だと思う

武甲山登山

遠くの山に雲が多いのが残念だった

表参道を下山

武甲山からの下山は表参道へ。
樹林帯を緩く折り返して標高を下げていく。
登山道のほとんどが樹林帯に厚く覆われているため眺望が無く、落ちてくる雪が煌めくのを楽しみにして歩いていく。
途中、登山道が崩れた跡や新しく掛けられた足場があり、登りとは違った登山道の様子が見られた。

武甲山登山

雪がパラパラして、あちこちキラキラだった

持山寺跡からの登山道と合流し、武甲山の周回ルートを歩くことができた。
登山口に戻ってくると5.6台の車が停まっていた。

武甲山登山

立ち入りはやめてねって書いてあるのに、意外と車が多い

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使った登山道具

下山後に立ち寄った温泉

秩父湯元 武甲温泉

武甲山の北側にある日帰り温泉施設。
入浴の他に休憩や食事をすることができる。
浴室は内湯と露天風呂で、サウナも楽しめる。
泉質はアルカリ性の単純硫黄泉。神経痛や関節痛などに効果があるとされている。

武甲山から近く、駅から徒歩10分ほどと近いため立ち寄りやすいです。
料金は800円と若干高め。入口で焼き芋が用意されていて玄関から甘い香りが漂ってました。
温泉には珍しく、浴室内と外との両方に洗い場がありました。
外の洗い場は寒そうでしたが、塀まで広々とした中に作られていたので開放感は抜群です。
お湯は熱くもなくぬるくもなくといった感じで入りやすいです。

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