天狗岳

2646m

八ヶ岳の冬季人気ルート

渋の湯登山口 2014年3月11日

【日帰り】冬の天狗岳(渋の湯登山口) (3月)|雪の八ヶ岳へ!標高2600m越えの雪景色
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標高2,600mを越える双耳峰の天狗岳は、南北の八ヶ岳を分ける夏沢峠の近くに北八ヶ岳の最高峰として聳えている。
様々なパターンのルートがあり、本沢温泉を経由する東側の登山道、白駒池から黒百合平へと続くルートなどなど。
今回は奥蓼科温泉郷のある西側のルートで、渋の湯からスタート。
黒百合平と中山峠と通って西天狗岳へと続くルートを登る。

もしかして。。。
けっこう長い行程になるんじゃ??と。。。

歩いたコース

登り
渋ノ湯
下り
渋ノ湯
最高標高
2646m
登山口標高
1840m
距離
10.28km
累積標高
857m
873m
平均斜度
9.5度
時季
2014年3月
天気
晴れ
日程
日帰り
歩行ペース
登り2:53/下り1:40/合計4:33
平均の歩行速度
2.33km/h

この日のペース

  1. 渋の湯登山口
  2. 黒百合ヒュッテ(1:40)
  3. 天狗岳東峰
  4. 天狗岳西峰(2:53)
  5. 黒百合ヒュッテ(3:33)
  6. 渋の湯登山口(4:33)

歩いたコース

雪のある季節としては高低差もあると思いますが、比較的短時間で登ることができるルートだと思います。森林限界での風の強さや冷たさを感じることもでき、準備さえしっかりしていけば、良い意味で自然の厳しさを知ることができると思います。とても景色が良いので、季節を問わず登山にオススメの山です。

持って行った水の量

  • 水2l
  • 水900ml

天狗岳を渋の湯から登る奥蓼科登山道

スタート地点の渋御殿湯へは乾いた雪の積もった幅員の狭い道路を通る。
標高1800mを越える渋の湯は、登山口から霧氷を見ることができた。
渋御殿湯では最初に駐車料金を払い、駐車場に車を停めさせてもらう。
駐車料金は1台1,000円。
20台ほどの車を停めることができる。

北八ヶ岳天狗岳登山

人気の山だしけっこうギリギリ

渋御殿湯の前を通り、川を越えて登山道へと入っていく。
サラサラの雪が積もり、なかなかに歩きづらい。

右へ左へと折り返す序盤の坂が、黒百合平まで続く行程の中では最も斜面が急な地点。
木に囲まれて陽も当たりづらい。
昨日までの雪がパラパラと上から落ちてくる。
冬の登山道らしい風景に囲まれて歩くのは気持ちが良い。

唐沢鉱泉からの合流地点

登り始めて30分ほどで唐沢鉱泉からの合流地点に到着。
渋の湯からはたくさんの足跡に踏みしめられているものの、唐沢鉱泉側には1つの足跡も無い。
かろうじて足を踏み入れたであろう跡が見えるのみ。
道しるべの通り黒百合平方面へ。

北八ヶ岳天狗岳登山

あっちから来る人は少ないのかな

序盤の急勾配は、だんだんと緩やかな登りに変わって歩きやすくなった。
さらに20分ほど歩くと、再び唐沢鉱泉との合流地点。
唐沢鉱泉からの足跡はさらに深く埋まって人の歩いた気配はどこにも無かった。

やがて周りを囲む木々が薄くなり、ところどころで青空が覗き景色も変わっていく。
左側に見える斜面には背の高い木がなく、高度が上がってきたことを感じる。
右側に大きな尾根が見えるようになってくると、林が開け黒百合平に到着した。
渋の湯から約1時間40分ほどでの到着だった。

北八ヶ岳天狗岳登山

もう???

黒百合平に到着

黒百合ヒュッテは通年営業している山小屋。
平らで木に囲まれているとはいえ、この時季でも気温は氷点下。
屋根にソーラーパネルを付けた板壁の建物は落ち着く。
外にはベンチが置かれ休憩もできる。

黒百合平からは5分ほどで中山峠に到着。
白駒池からの合流地点で、標高は2,410m。
中山峠の分岐を天狗岳方面へ進むと林の隙間から東峰が覗く。
急な斜面と険しい岩肌は硫黄岳の爆裂火山跡を思わせる。

ほどなくして急な斜面にさしかかり、駆け上がるように登ると、いよいよ森林限界に到達。
木に覆われていた視界は一気に開け、冷たくて痛い風が吹く。
目の前には天狗岳の2つの峰が見えた。

北八ヶ岳天狗岳登山

おお。。。

東天狗岳へ

登山道の右側は雪原が広がり、左は切れ落ちた斜面、振り返れば北アルプスと北八ヶ岳が並ぶ。
大きく開けた視界は歩みを進めると、一度背の低い林の中に入り、もう一度木の中から出たときには急な雪の斜面が待っていた。
ガリガリに締まった雪。アイゼンの爪が刺さる感触が気持ちが良い。
滑り落ちないように足裏に力を込め、アイゼンを刺しながら慎重に登る。
目指す先には東峰の険しい岩肌。
雪の下から伸びている木の枝には氷が凍みついている。

黒百合ヒュッテから約1時間。東天狗岳に到着した。
これまで登ってきた斜面以上に冷たい風が強く吹く。

北八ヶ岳天狗岳登山

こっちが山頂みたいな佇まい

南八ヶ岳との境に近いせいか、硫黄岳を歩く人影も見える。
遠く東を眺めると、浅間山の隣にうっすらと赤城山が見えた。
360度が見渡せる絶景の地点だった。

北八ヶ岳天狗岳登山

標高の高いあっちへ行こう

山頂の西天狗岳へは、いったん鞍部へと下りる。
15分で西天狗岳へ着く予定ではいたが、東峰から見下ろす鞍部は遠く低い。
西天狗岳にいる人影も小さく遠く見える。
予定よりも時間が掛かるかもしれないつもりで、雪の凍みついた西側の斜面を下りた。

北八ヶ岳最高峰の西天狗岳へ登る

低く見えていた鞍部は、下りてみると思っていたほどの距離は無く、下から東天狗岳を見上げると感じていたよりも近い。
次は西天狗岳に向かって登る。
東側の斜面にあたる登山ルートは雪が深く、新雪のようにフカフカに埋まる。
先に歩いたトレースはあるが、場所によっては足が取られて歩きづらい。
東天狗岳のような険しい岩の斜面では無く、丸みを帯びた柔らかな斜面だった。

東天狗岳から西天狗岳へは20分ほど。
ほぼ予定していた時間で到着できた。
西天狗岳は東峰よりも広く、風も弱く感じた。
若干、西側へ寄ったので、山頂からは赤岳や阿弥陀岳がよく見える。
眼下には根石岳と雪に埋まった根石山荘が見える。

北八ヶ岳天狗岳登山

行程が想像できなくて、すっごくいろいろな準備したけれど、思っていたよりは簡単に着くことができて、しかも眺めが良くて。

天狗岳から下山

山頂は風が冷たく強いので、景色を楽しんだあとは黒百合ヒュッテへ戻って休憩をすることに。
登りに1時間かけたルートは下りは40分ほど。
穏やかな天候のせいか、締まっていた雪は少し緩んだようだった。
黒百合ヒュッテから渋の湯へは1時間足らずで下山した。

下山後に立ち寄った温泉

渋御殿湯

北八ヶ岳、奥蓼科温泉郷にある鉱泉。天狗岳へと続く登山道の入口にあり、20台ほどの駐車場を借りることができる。素泊まりや1泊2食付きの宿泊も可能。温度が低く小さな浴槽の源泉と、温かく大きなお湯とが楽しめる。

ここまでの道路は狭くすれ違いも大変なのですが、とても静かで落ち着く場所にあります。
ここで宿泊後にスタートするのも良いと思います。建物は大正時代に作られたようでとても趣がありますが、風が吹き込むところがあったりもしました。
大きくて深い浴槽なので、ゆっくりと浸かることができました。

お世話になった山小屋

黒百合ヒュッテ

天狗岳直下にある北八ヶ岳の山小屋。北は白駒池から、西側は渋ノ湯・唐沢から2時間ほどで到着できる。通年営業のため、冬季でもテントを張ることができる。外にはベンチがあり、休憩にも適している。

可愛らしい看板が掛けられた入口が印象的でした。中は暖かく落ち着いた雰囲気。休憩の際にお茶とかりんとうを頂けるサービスもありました。登山口からも程良い場所にあるので、休憩にちょうど良いです。

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