【高難易度】妙義山 白雲山縦走ルート (3月)|事故多発の縦走ルートへ反省の登山

妙義山

1104m

1

高難易度の残雪期表妙義

白雲山縦走 2016年3月17日

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上毛三山のひとつに数えられる群馬県の岩峰。
大きく白雲山と金洞山に分かれ、登山道も東側の表妙義と、西側の山を渡りあるく裏妙義とある。
険しい岩場と鎖場が連続するため、縦走路は上級者向けのコースとされ、滑落事故も起きている。
とくに白雲山の縦走路では妙義神社奥の院の横にある鎖場。
白雲山の稜線からの玉石は危険度が高く、十分に注意が必要なコースになっている。

葉の茂り出す前の妙義山。
登山口付近ではひとあし先に花々が咲き始める。
妙義山を見上げるには最も華やかな季節を迎えている。

前日まで山沿いでは雪が降り、場所によっては登山道へのアクセスも難しい天気だった。
3月中旬を迎えて雪解けもかなり進んだ暖かな日が続き、この日も快晴だった。

歩いたルート

最高標高
1104m
登山口標高
427m
距離
5.67km
登り
白雲山
下り
タルワキ沢
行動時間
登り2:30・下り1:26・合計3:56
累積標高
774m
775m
平均斜度
15.3度
歩行速度
1.56km/h
時季
2016年3月
天気
晴れ

この日のコースタイム

  1. 道の駅みょうぎ
  2. 妙義神社(0:10)
  3. 中間道(0:21)
  4. 辻(0:46)
  5. 奥の院(0:53)
  6. 玉石(1:08)
  7. 大のぞき(1:32)
  8. タルワキ沢分岐(2:18)
  9. 相馬岳(2:30)
  10. タルワキ沢
  11. 中間道
  12. 妙義神社
  13. 道の駅みょうぎ(3:56)

今回の登山は反省の多い登山でした。まずは残雪の予想が甘かったこと。
東側は雪の付きにくい岩壁ですので、大きな問題は無いのですが、稜線から西側は深いところで20センチを超える雪が残っていました。雪の下では氷結していることもありますし、雪解け水で滑りやすいことも考えられます。
妙義山は滑落事故の多い屈指の岩山です。長く高度感のある鎖場、そこに加えてスタンスの少ない箇所や浅い箇所が多く、体全体を使って登る必要があります。そのような中で濡れやすい時季に立ち入ることは自分の身を必要以上の危険にさらすことになりました。
もともと危険地帯の少ないタルワキ沢からのルートを取る予定でしたが、あまりの天候の良さから白雲山へと向かってしまったことが大きな反省点です。奥の院まで登ることができても、稜線の雪の付き具合から過信せずに戻ることも重要だったと考えています。
かならず雪の無い時季、雨露の残っていない天候で登ることを心がける山でした。
無事に下りてきたことを幸運に思います。

こういった危険な状況の登山は掲載すべきではないとも考えましたが、状況をお知らせする意味合いと自戒の念を込めて掲載しました。

持って行った水の量

  • 水2l
  • 水900ml

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山と高原地図 西上州 妙義山・荒船山
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使った登山道具

  • 道の駅の下に登山者用

    登山者用は下

  • 妙義神社から登る

    妙義神社から登る

  • 門を通っていく

    門を通っていく

高難易度の妙義山へ白雲山縦走

妙義山への登山口は妙義神社から。
上信越道松井田妙義ICから妙義神社へ向かう。
曲がりくねった登り坂を進み、妙義神社の手前に登山者用の駐車場へと進む交差点がある。

最寄りの道の駅の近くには登山者用の駐車場が設けられている。
100台は余裕で止まれるのではないかというほどの広い駐車場。
難点は道の駅まで長い階段を登らなくてはならないこと。
花の咲く土手を眺めながら階段を登り、道の駅を横切って妙義神社へ。

  • 妙義神社

    妙義神社

  • 横に登山口

    横に登山口

鮮やかな彩色の社殿を横目に、石段を上がって登山口へ向かう。
奥にある社殿の横から中間道の登山道が続いていく。
大きな木に囲まれながら、枯れ葉でフカフカとした足元。
木の間からは金洞山の険しい岩峰が見える。
斜面を横切るように緩やかに登っていく。
ところどころに丸太の階段が整備され、標識も多く歩きやすい。

  • 木がいっぱい

    木がいっぱい

  • 金洞山が見える

    金洞山が見える

  • 分岐

    分岐

中間道から大の字へ

登山口から10分と掛からないほどで白雲山へと続く大の字の分岐点に到着した。
ここまで歩いた調子と天候の良さもあり、白雲山方面へ足を進める。
遠目で見た印象では標高の高い地点や日影では雪が多く残っているようだった。
この時点で、風の当たる稜線ではそれも少ないだろうと予想した。
春の暖かな陽気からも、固く締まり凍っているという可能性も少ないだろう。
中間道を真っ直ぐに進んでいれば、比較的難易度の低いタルワキ沢の登山道を登ることになっていた。

  • くねくね

    くねくね

  • 東側へ巻く

    東側へ巻く

  • 大の字が見える

    大の字が見える

分岐からは九十九折りに斜面を登っていく。
山を巻くように登っていた登山道も、ここから東側へと戻っていく。
すぐに妙義山の象徴的な「大」の字が見えた。
葉の落ちた枝からは、群馬県が一望できるかのように眺めが良い。
足元は急な斜面で、足を滑らせれば妙義神社まで落ちていきそうなほど。

  • 一本杉茶屋跡

    一本杉茶屋跡

  • 石の尾根を登る

    石の尾根を登る

  • 最初の鎖場

    最初の鎖場

  • 見晴台

    見晴台

大の字が見えた場所からは、尾根のような狭いルートに変わり、フカフカとしていた足元も岩の感触に変わった。
決してキツい勾配ではなく緩斜面の尾根が続いていく。
徐々に左右の幅が狭くなり、最初の鎖場がは分岐から20分ほど登ったところだった。
この鎖場は2mほどの高さだったため難なく越えると、目の前には1.5mほどの大きな岩が立っていた。

「見晴台」と看板の付けられた岩は、おそらくその上に立てば金洞山への眺望が素晴らしいのだろう。
見下ろせば高度感のある斜面。
丸みを帯びた尖塔系の岩の上に立つ勇気は無い。

  • 少し下りる

    少し下りる

  • 最初の難所

    最初の難所

  • 岩壁トラバース

    岩壁トラバース

  • そして登る

    そして登る

見晴台からはいったん下り坂に変わり、下りきったところから一気に難易度が上がった。
2mほど鎖場を下り、その先へと続くのは岩壁のトラバース。
鎖が掛けられているものの足を掛ける場所が浅く雪も残っている。
慎重に場所を選びながら壁を渡ること約10mほど。
その先からは尾根ではなく落ち葉の斜面を登っていくルートに変わった。

  • 辻

  • 少し鎖場

    少し鎖場

  • 狭いのに慣れた

    狭いのに慣れた

大の字との分岐点にあたる辻には40分ほどで到着した。
中間道の分岐からは35分ほど。
木が茂って日の当たる場所も限られていたため、他の場所よりも雪が多く残っている。
石のサイズも大きい。
土質は崩れやすくもろい印象。
常に高度感のある斜面の上を歩いて行く。

  • 右は眺めが良い

    右は眺めが良い

  • 左は岩壁

    左は岩壁

  • 石が階段状に

    石が階段状に

どこまでも続く平野が見渡せ、反対に見上げれば高い岩壁。
不思議な景色に見とれながら登っていくと目の前には大きな岩。
長い年月で変形したのか、妙義神社の登拝用に削られたのか、岩が階段のように刳り抜かれた形になっていた。

  • 奥の院着いた

    奥の院着いた

  • 右側に鎖場

    右側に鎖場

奥の院から白雲山稜線へ

岩と岩が組み合わさった奥の暗がりに仏像が祀られている奥の院。
まさに信仰の場という雰囲気がひしひしと伝わるような佇まいで、その真横の岩壁に鎖が垂れている。
まさに岩壁と呼びたくなる鎖場で、目の前にしてどう登ろうか考えてしまう。
浅いながらも足を掛けるところは多そうで、3点支持もしっかりとできる雰囲気だった。
長さは30mほどはあるかと思われる長い鎖場。
足元を確認しながら慎重に登っていく。

  • 登り切る

    登り切る

登り切ると岩の隙間から奥の院の仏像が見えた。
まるで仏像の頭の上を歩いているようで申し訳ない。
難易度の高い鎖場をひとつ過ぎ、いったん気を休めて登っていく。

  • さらに鎖場

    さらに鎖場

奥の院から登ってすぐに次の鎖場に出た。
こちらもなかなかの角度で、右側の高度感が凄い。
まるで奥の院の真下まで見えるような気さえする。
ただ右左と交互に窪みが作られていたのでリズムを刻むように登ることができ、そう難易度は高くない。

  • 鎖場の上の景色

    鎖場の上の景色

  • 景色が良い

    景色が良い

  • 岩だらけ

    岩だらけ

鎖場を登り切ると視界は枝よりも高く、これまでよりもさらに眺めが良い。
陽当たりもよく、これまで所々で見えていた残雪も無くなった様子。
目の前に続く岩と土が交互に続く登山道を上ると、目の前が青く晴れ、稜線に出た。

登山口から1時間ほどだった。

  • 岩を登ってく

    岩を登ってく

  • この上が稜線

    この上が稜線

白雲山の稜線

見晴と看板の掛けられた白雲山の右端。
足場は決して広くは無いが、とても眺めが良く浅間山や上毛の山々、関東平野が眺められた。
これからの縦走路を見ると稜線上には雪が残っているようだった。

  • 稜線からの眺め

    稜線からの眺め

  • 赤城山の方

    赤城山の方

  • 関東平野一望

    関東平野一望

  • この先

    この先

  • 雪が若干

    雪が若干

様子を伺うため稜線上を歩いてみる。
雪に埋まるのはソール程度の深さ。
凍っている様子も無い。
湿り気はあるものの土も見えているので問題は無さそうだった。

相馬岳と書かれた看板を目安に稜線を進んで行く。
ルート上は緩やかなアップダウンが続き、ふと西側へと巻いた。
さすがに西側は日が当たらずに雪が残っている。
これまでどおり狭く高さもあるため、慎重にゆっくりと歩いて行く。
するとすぐに2mほど登る鎖場になった。
雪も付いているし、あまり良い雰囲気では無かったが2mほどならば登ることもできると判断して取り付いた。
想定通り、難なく登ることができたその先に危険地帯があった。

5mほど続いている鎖場。
スラブ上の岩の上には10センチほどの雪が積もり、風が当たっていたせいか固く締まっていた。
場所によっては雪の下に氷もある。
鎖を持ち強く揺らせば、付いた雪も落ち、合わせて氷も取り除くことができた。
慎重に足元と手元を確認しながら少し登ってみる。

  • 玉石の鎖場

    玉石の鎖場

これぐらいならば登れると判断して進むと、想像以上に続く鎖場。
5mほどに見えていた先に、まだまだ10m以上は続いていた。
さすがにマズイので、振り返るととても戻れる状況には思えない。
雪の付いた岩場は、登ることはできても下りるのは難く見えた。

  • 稜線の雪

    稜線の雪

記憶の中でルートを反芻しながら、最悪、登ることも降りることもできずにいることを想像した。
救助のための保険にも入っている、手続きもできる、ただそれは無事だった場合。
雪のために手が冷え、さらに濡れた手袋が滑る。
手が外れることだけは避けるため、腕に鎖を巻く。
体重が掛かった場合、鎖が絡まって腕が折れる可能性はあるが、すぐに落ちることはないだろう。
巻き位置をずらしながら、足元を確認し、雪の状態を確認しながらとりあえず上へ。
上へ行くほどに足を掛ける場所がなくなっていく。
ようやく稜線の真上、鎖場の終わりと思われる場所が見えた。
その場所からは足を掛けることも難しかったため、体を起こし、鎖を握る手に力を込めて、足の裏全体で登ることにした。
運良く氷を踏むことが無かったため、足を滑らせることもなく登り切ることができた。

  • 寝袋が落ちてる

    寝袋が落ちてる

  • 狭い

    狭い

  • 鎖場高い

    鎖場高い

稜線上は足首ほどまでの雪が残っていた。
右手には長野との県境の景色、左手には視界の遮るもののない関東平野。
これ以上ないほどの眺望が広がる。
足元は1mも無いほどの幅のため、ゆっくりと景色を楽しむ余裕も無く、滑らないようにと気を遣う時間が続く。

次の難所は大のぞきの手前、ナイフリッジの登りだった。
鎖が1本あるが、左右とも切れ落ちて幅は50センチとないほど。
登り切ってもナイフリッジが続く。
かろうじて右側に木が生えているので、そこに安心を感じながら進んで行く。

大のぞきから相馬岳へ

  • 大のぞき着いた

    大のぞき着いた

登山口から1時間30分ほど。大のぞきに到着。
少し広い足場に、ようやく安心して腰を下ろせる場所に到着した。

  • 振り返る

    振り返る

大のぞきには2つの石碑が建てられ、そのうちの大きな方には「御嶽三社大神」と掘られていた。
浅間山をバックにした石碑は、そこから見える山々を祀っているようにも見える。
大のぞきからのルートを確認して、さらに先へ進むことに。

  • あの先を越える

    あの先を越える

  • 大のぞきを下りる

    大のぞきを下りる

  • 鎖場長い

    鎖場長い

大のぞきからは、3つの鎖場が連続していた。
雪の付いた鎖場で、下りの場合は足を掛けるところが見えづらい。
岩に靴を当てて雪を払いながら下りていくとちょうど鞍部の最深部になった。

ここからは古いトレースが残っていた。
稜線上にあった寝袋の持ち主か、タルワキ沢からのピストンか。

  • 天狗岩へ登り返す

    天狗岩へ登り返す

  • けっこう雪

    けっこう雪

  • 天狗岩着いた

    天狗岩着いた

次のピークの天狗岩を目指して鞍部からの登り返し。
西側の斜面に回り込んでいるので日の当たりが悪いせいか雪が多い。
足首まで埋まるような状態で、湿気を多く含んだ雪質だったので、ステップを踏んでいけば難なく登ることもできる。

  • 岩がピョコ

    岩がピョコ

  • 相馬岳方面へ

    相馬岳方面へ

  • 相馬岳は向こう

    相馬岳は向こう

ピョコとした感じの天狗岩を過ぎていくと、目の前に最高峰の相馬岳らしい影が見えてきた。
距離はそう遠くないが、そこまでにタルワキ沢の鞍部と登り返しがある。
木の間から見ると、鞍部はなかなかに深い。
天狗岩から西側の斜面を下り、15分ほどでの鞍部到着だった。

  • 浅間山が白い

    浅間山が白い

  • ルート分かりづらい

    ルート分かりづらい

  • タルワキ沢の分岐

    タルワキ沢の分岐

タルワキ沢はからの登り返しもそれまで通りの雪のルート。
ココからは雪が残っていても比較的登りやすく、おそらく雪の中を歩いた人も多いのだろうと思う。
新雪の下に固い感触が残っていた。
足を滑らせることも少ない。

ルートが鮮明では無いので、ところどころで迷うところはあったものの、無事に相馬岳に到着。

登山口からは2時間半。
稜線で1時間半の苦戦だった。

  • 相馬岳へ登る

    相馬岳へ登る

  • 相馬岳そこ

    相馬岳そこ

  • 相馬岳に着いた

    相馬岳に着いた

妙義山最高地点の相馬岳

1104mで妙義山で最も高いピークの相馬岳。
白雲山から金洞山への通過点のような尾根上に三角点があった。
標識が立てられ、まだまだ続く妙義山の縦走ルートと、八ヶ岳や蓼科山、荒船山が一望できた。
この周辺の超自然的な岩の形状が凄い。

木が多いせいか風もあまりあたらずに温かく、縦走路の険しさを忘れるような長閑さだった。

  • 振り返る

    振り返る

  • 金洞山と八ヶ岳

    金洞山と八ヶ岳

  • 浅間山の方

    浅間山の方

妙義山の下山ルート

相馬岳からはタルワキ沢を通っての下山。
登ってきたルートを戻り、天狗岩と相馬岳の鞍部にあたるタルワキ沢から下りていく。
両側に高く岩壁が聳え、ときどき落雪がある。
ここは落石にも注意をしたい。
急な斜面が続き、一度に高度を下げていく印象のルートだった。
鎖場は数カ所あり、そのうちのひとつは高さもあり、このルート上では唯一の難所だった。

  • タルワキ沢から下りる

    タルワキ沢から下りる

  • 鎖場あった

    鎖場あった

  • 鎖場続く

    鎖場続く

  • 中間道に出た

    中間道に出た

中間道の分岐までアップダウンもなく、一定した斜面が続くので落石にさえ気をつければ気軽に妙義山に登ることのできるルートだった。

下山後に立ち寄った温泉

妙義ふれあいプラザ 妙義温泉もみじの湯

妙義山の麓にある市営の日帰り温泉。妙義山を見上げ、群馬の街を見下ろし眺めの良い場所にある。浴室は大浴場と露天風呂。大浴場には大きな窓があり、お湯に浸かりながら外を眺めることができる。休憩のできるスペースもある。
料金は3時間510円。3時間以降は時間に応じて料金が加算される。

妙義神社から近い場所にある温泉です。
登山以外の観光客も多いせいか、登山者用の駐車場は歩いて5分ほどの離れた場所に用意されています。
疲れた足には少し堪えますが、大勢で訪れるときには気にした方が良いかと思います。近い場所にあるので便利だと思います。

周辺の山

同じ時季に登った山