根子岳

2207m

菅平高原 2019年3月9日

  1. 登山百景トップ
  2. 上信越の山
  3. 根子岳登山
登り
菅平高原
下り
菅平高原
最高標高
2207m
登山口標高
1460m
距離
7.66km
累積標高
734m
765m
平均斜度
11.07度
時季
2019年3月
天気
晴れ
日程
日帰り
水の量
水900ml
歩いた時間
登り2:35/下り1:19/合計3:54
平均歩速
1.96km/h

この日のペース

  1. 菅平牧場入口
  2. 登山口(0:18)
  3. 東屋(0:47)
  4. 根子岳山頂(2:35)
  5. 登山口(3:42)
  6. 菅平牧場入口(3:54)

このコースの消費カロリーを計算する

体重を入力すると、このページで紹介しているコースのおおよその消費カロリー(登り+下り)を計算します。

※距離と「登り+下り」の累積標高から計算した目安の値です。
※雪質・気温・荷物の重さ・歩くペースなどにより、実際の消費カロリーは大きく変動します。

Amazonや書店で買える地図

山と高原地図 志賀高原 草津白根山・四阿山
山と高原地図 志賀高原 草津白根山・四阿山
Amazonで見る

良く晴れるという予報に気持ちを高めて朝早くから出発しました。
この日はふたつの条件がありました。
10時には下山をしたかったこと、標高2000mを越える登山は4ヶ月ぶりであること。
これからを鑑みて、できるだけペースをゆっくりと保ちながら、休まず歩き続けられる時間に出発することに決めました。
登山開始前から分かっていたことですが、前々日に降った雪が深い状態でした。
また非常に柔らかな上に先行者が1名という、久しぶりの雪山での足腰には堪える条件になりました。
当初、四阿山へ向かいたいと考えていましたが、結果、根子岳まででタイムアップでした。

眩しい雪と強い風の山へ

長野県の菅平高原にはふたつの山へと通じる登山口がある。
百名山のひとつ四阿山と、花の百名山の根子岳。
並んで聳えるふたつの山は同じ登山口から周回して登ることができるため、縦走の行程を取る人も多い。

夏季は登山口に最寄りの菅平牧場の駐車場へ車を停めることができるが、冬季は関係車両以外の通行が禁止されているため、20分ほど手前の空き地に車を停めて登山口へと向かう。

記録的に雪の少ない冬が過ぎて3月になった。
2日前に雪が降り黒くなり始めていた山は真っ白に戻った。
その後の晴天予報は、どの山であっても絶好の眺望が約束をされているようで、どこへ向かうべきか迷うようだった。

新雪の根子岳へ

上信越自動車道、長野須坂東ICから菅平へ向かう。
国道406号線の大笹街道から菅平高原スノーリゾートへと入り、山へ向かって進むと長い直線の登り坂の途中に、駐車可能な空き地がある。
菅平牧場は私有地のため、冬季の一般車両通行止め。

降雪後に快晴の天気予報だったため、明け方にも関わらず空き地には数台の車が停まっていた。
まだ陽が昇る前の真っ暗な駐車場で準備を整え、まっすぐな道路を上っていく。

根子岳登山

すべすべの足元に、すぐ横を通り過ぎる車ってちょっと怖い

先が見えない直線の上り坂は、アスファルトに積もった雪が固く凍って滑りやすい。
ときどき通行禁止を間違って侵入してくる車が横を通り過ぎ、上部で駐車できずに折り返して下っていく。
あのブレーキランプとバックランプが点いているのが上り坂の終点だと目安にして、長々と続く中を歩いていく。

車を停めたところから25分ほど登ったところで、ようやく登山口に到着した。
すでに空は明るくなりはじめ、ヘッドランプも必要がないほどに視界が良い。
直角に曲がった道路から山の中へと続いていく登山道は、除雪のせいか雪が高く積み上がり、誰の足跡も無いようにも見える。
登山口から新雪を踏みしめて登るとなると、かなり早めの時間に出発したとはいえ、山頂まで登るのは厳しい。
試しに雪の上に載ってみると、ひとり分だけの踏み跡があった。
これに沿って登る。

菅平牧場から根子岳へは、序盤は木段の登山道が続く。
左側には牛が放し飼いにされている牧場があり、その先の眺望が素晴らしく、妙高山や戸隠連峰、北アルプスは白馬岳北方から穂高岳や乗鞍岳まで見渡すことができる。
ただ単調でなかなかに進んでいる感触がなく、眺望が良いにもかかわらずこの登山道上では最も退屈な時間を過ごす。

根子岳登山

毎度のことだけどココは長い

序盤の目安になる東屋まで、駐車場から47分。
明るくなった空は、だんだんと紫から薄桃色に変わり、北アルプスの山並も赤くなり始めていた。
東屋で朝の明るさを迎えるのは、想定よりも遅く、ここまで掛かった時間と体力を考えると、この眺望で満足して帰っても良いのでは無いかと思えた。
6時前の今なら朝寝もできる時間帯。

根子岳登山

ここまでの新雪でも満足した感がある

東屋で足を停め、しばらく時間を過ごして景色を眺める。
四阿山の影になっているために朝陽は見えなくても、広がる景色が徐々に朝を迎えていくのは気持ちが良く、薄桃色だった北アルプスの雪山が、徐々に強い赤になっていくのは目が離せなかった。

根子岳登山

モルゲンロートを見たのも久しぶりな気がする

東屋でしばらく景色を楽しんだあと、根子岳へ向かって登ることにした。
踏み跡はひとり分。
登山道から少し外れたところを歩いているようにも思われるが、それを外して新雪を歩くよりはと、踏み跡に沿って歩くことにした。
ただ、牧場の鉄条網に沿って踏み跡が続き、徐々に本来の登山道から外れていく。
途中で踏み跡もそのことに気が付いたのか、急に斜面を下りるように折れていく。
これに倣って進むべきか、斜面を下りないように徐々に登山道へ向かっていくかを考え、後者のように進むことを選択。
右側にあるはずの登山道を意識しながら、新雪の森の中を登っていくことにした。

根子岳登山

この踏み跡は完全に登山道を見失っているな・・・

すぐに踏み跡と合流し、薄暗く柔らかい雪の中を登っていく。 先を行くひとり分の踏み跡は、少し登山道を外れながら、木々の間を縫って登っていく。
そのあとを追うようにして、踏み跡に歩幅を合わせて樹林帯を登った。

東屋から30分ほど樹林帯を登ったところで、雪の向こうから陽が射し始めた。
四阿山に隠れていた朝陽が、ようやく根子岳の斜面にも登ってきたようで、あっという間に明るさが増していく。

根子岳登山

そうか。四阿山があると朝陽が射すのは遅くなるのか。

先行の踏み跡は、夏の登山道に沿っているようで外れているように見えて、だからといって周りを見回して正しい登山道へ戻ることができるほど明瞭でもなく。
雪の付いた枝が凍っているのを潜ってこんもりとした雪の上に出ると、周りを囲っていた木々が開けた。

山頂はすぐそこに近く見え、両側を木々が覆う尾根が続く。
振り返ると北アルプスが広がり、妙高・戸隠はトゲトゲとした稜線が見える。
尾根から左側の木々の中へと下り、もう一度尾根へと戻っていく。
そこで先行していた踏み跡がなくなり、そこで景色を楽しんでいる人を見かけ、同じように早朝に出発した人だと分かった。

根子岳登山

ここからは先頭になるのか・・・

踏み跡も無くなったところで、左側へ離れてしまった登山道へ戻ろうと思い、新雪へ足を踏み入れる。
雪は膝の上まで埋まり、場所によっては腰までが埋まる。
これでは登山道へ戻っても登ることができないと思い、また尾根の方へと戻る。
風が強く当たる尾根上なら、足が埋まるほどの雪も少なく、場所によっては固く締まっている。
岩が露出しているのも見える。
植生を傷めてしまうようなこともあるので、歩くことは推奨できないのは承知の上で戻るか登るかと思いながら、できるだけ岩を選んで山頂へ登る。

根子岳登山

登山道に戻ろうにも、今さら戻るのも大変なところへ来てしまった

右側には目指す四阿山が大きく見え始めた。
太陽の影に見える四阿山は距離的に近いにもかかわらず、この太ももの疲労具合では行けそうにもない。

山頂へ近づくと雪が柔らかく、膝上まで埋まることも多くなった。
根子岳山頂の祠はすぐそこに見える。

根子岳の山頂

駐車場から2時間35分、根子岳の山頂に着いた。
それまで気にもならなかった風がとても強く、細かな雪の粉が巻き上がって顔に当たる。
四阿山の方を見ると、登山道上に大きな雪庇があるようで、とてもそこを歩く気にもならず、根子岳からの眺めだけで満足感が大きくなった。
特に志賀高原・草津白根山側に見える山並が綺麗で、キラキラと輝いて見える雪の粉との合わさって印象的だった。

根子岳登山

雪のパラパラが顔に当たって冷たいし痛いし

山頂の祠に身を隠しながら風を避けて、しばらく景色を楽しんでいたかったが、時間が経つほどにリュックや防寒着の上に雪が積もっていき、指先もだんだん冷たくなってきた。
また来れば良いと思いながら、ほどほどにして下山。

根子岳登山

目的の山頂へは行かなかったけれど満足感があった。
ここが自分の現在地という感じ。

雪の下山路

下山はできるだけ登山道上を歩こうと思い、GPSを片手に新雪の中へと入っていく。
フカフカの雪は下りの膝に優しく、足が埋まっても抜け出しやすい。
ただ笹の上に乗ってしまうと、想像以上の深さまで雪の中に埋まってしまい、身動きが取れなくなってしまうことも。
眼下に菅平高原を見下ろし、遥か遠くに北アルプスの稜線を眺め、根子岳を後にした。

埋まった・・・
根子岳登山

ズボズボに埋まりながら見る北アルプスも良かった

感想をお聞かせください

こちらのフォームからお送り頂けます。

メッセージは文字まで、送信は一日回まで
現在文字数 0文字

同じ時季に登った山