急登の登山道から山頂へ

越後駒ヶ岳

2003m

駒ノ湯 2017年8月10日

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越後三山の北端に位置する越後駒ヶ岳。
高く聳える山容は隆々しく存在感を大きく感じる。
いくつもの尾根が集まって頂点を作っているようにも見え、激しくアップダウンを繰り返している稜線の一際高いところに越後駒ヶ岳がある。
魚沼駒ヶ岳とも呼ばれ、魚沼市街から八海山、中ノ岳と並んで聳える様子には標高以上の深さと高さが見える。

駒ノ湯から登る越後駒ヶ岳へ。急登を登っていくとやがて左側に荒沢岳が見える。
特徴的な稜線を見つつ、さらに標高を上げていくと奥只見湖、会津駒ヶ岳。
荒沢岳の右側には燧ヶ岳や平ヶ岳と次土と百名山が見え始める。
駒ノ小屋付近まで登ってくると、中ノ岳の円錐形が美しい。

南から雨雲が北上してくる予報で、時間が経つほどに雲に覆われて雨が降りやすくなる天候だった。
湿度が高く太陽を背中に浴びながらの山登りは暑さが堪える。
標高が高くなっていくまでの樹林帯に篭もるような暑さを感じる。

本当は平ヶ岳とか荒沢岳とか行こうかと思ってた

駒ノ湯へ

魚沼市街から銀山平へと繋がる国道352号線樹海ラインを東へと進む。
前日までの雨が80mmを越えたため、枝折峠から県境まで通行止めになっていた。
駒ノ湯までの国道は車の通行が可能で、国道から登山口方面へと向かう。

歩いたコース

登り
駒ノ湯
下り
駒ノ湯
最高標高
2003m
登山口標高
375m
距離
13.26km
累積標高
1720m
1725m
平均斜度
13.9度
時季
2017年8月
天気
晴れのち曇り
日程
日帰り
歩いた時間
登り3:23/下り1:58/合計5:21
平均した歩行速度
2.48km/h

この日のペース

  1. 駒ノ湯
  2. 小倉山(1:55)
  3. 小倉山分岐(1:57)
  4. 駒ノ小屋(3:09)
  5. 中ノ岳分岐(3:20)
  6. 越後駒ヶ岳山頂(3:23)
  7. 駒ノ小屋(3:32)
  8. 小倉山分岐(4:16)
  9. 駒ノ湯(5:21)

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山と高原地図 越後三山 平ヶ岳・巻機山
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麓の温泉から見上げた越後駒ヶ岳はとてもカッコ良かったです。
標高が高いというほどではないのですが、麓からの高低差が大きいせいかとても特徴的で迫力がありました。
駒ノ湯登山口からは一気に標高を上げていくような登り坂で、特に中間地点の小倉山までがとても辛かったです。
標高が低いということは気温が高いということにも繋がるので、ましてや樹林帯は風の通りが少なく、水の補給を頻繁に行いながらの登りでした。
その急登から見える荒沢岳の稜線が美しくて、徐々に視界の高さに移ってくるのを楽しみながらの登りでした。
とても大変な登りだったので、また行きたいという気持ちにはなりませんでしたが、確かに魚沼を代表する名峰だったと思います。

8月という季節だからかアブがとても多く、登山前から温泉で汗を流すまでの間の数時間に15箇所ほど噛まれました。
登山道でもアブに囲まれ服の上からでも噛みつかれるので、樹林帯を抜けるまではいっこうに気が休まりませんでした。

持って行った水の量

駒ノ湯から越後駒ヶ岳へ

国道から駒ノ湯へと入り、狭い道を行き止まりまで進むと登山口に突き当たる。
左側には10台ほどの車が停められる。

越後駒ヶ岳登山

アブが・・・

季節のせいかアブがとても多く車のドアを開けた瞬間に車内へと大量のアブが飛び込み、登山準備中も手足に次々と止まり噛みつこうとしてくる。

道路の横にある登山カードのポストが建てられたところが登山口で、とても小さく主だった目印もないため分かりづらい。
先を覗き込みながら、登山道に従って緑の中へと入っていくとすぐに20mほどの吊り橋が架かっていた。
1mほどの幅で歩く度に揺れ、手すり代わりのワイヤには転落防止ネットが張られている。
吊り橋を渡ると右へ左へと折れた後すぐに急登が始まる。

尾根に沿って登っていく駒ノ湯からの登山道は、急な斜面を直登していくようなルートで、急斜面によくあるような九十九折りにはなっていない。
まっすぐに続く尾根の急斜面を登っていく。
雨の降った後は登山道は足元が緩く、水たまりもところどころに。

越後駒ヶ岳登山

とにかく直登な感じ

20分ほど登ると右側の木々の合間から山頂部が見える。
左右に見える景色を楽しみながら3mほどの幅の尾根道を緩やかに登り、急登と緩斜面を繰り返していく。
ところどころで景色が開けると、奥只見の山々が深く聳え並んでいるのが見える。

急登と緩斜面を繰り返しながら標高1000mを越え、中間地点の小倉山が近く高く見え始めると、このルートの核心部に入っていく。

越後駒ヶ岳登山

あれかー・・・

日の照りつける急登の尾根を真っ直ぐに登っていく。
周囲の山々を見渡す余裕も無く急登を登る。
唯一の鎖場だった濡れた岩の急登を過ぎ、いったん斜面が緩み崩れた斜面をトラバースして再び急登へと入っていく。

登山口から1時間55分掛けて小倉山に到着。
周囲を草木に囲まれたピークで、東側の展望が良く荒沢岳がよく見える。
登山道はそのまま先へと続き、小倉山から2分ほど下りると枝折峠からの登山道と合流した。
合流地点は登山道も広く草の背も低かったため、小倉山の山頂と同じように左側には荒沢岳が見え眺望が良かった。
先へと続く登山道を見ると越後駒ヶ岳が大きく高く見えた。

越後駒ヶ岳登山

ここまでの急登は辛かった

合流地点からの登山道は、小倉山までの急登から変わって緩やかに登りながら長く続いている。
トンネルのように枝を伸ばした中を潜り、整備された木段を登りながら標高を上げていく。
このあたりからちょうど太陽を背にするようにして登っていくので、日光を直接浴びるような形になり、体感温度はとても高い。
風が吹けば涼しさも感じるだろうところも、樹林帯に覆われているためか風もなく、なかなかに我慢の登り坂だった。

越後駒ヶ岳登山

そういえばアブがいなくなってる

小倉山の分岐から30分ほど歩いて百草ノ池を過ぎた。
湿原と呼ぶには小さな池塘がポツンと見えるだけで、そう広くはない湿地が笹に囲まれていた。

越後駒ヶ岳登山

百草ノ池ってもっと大きいと思ってた

越後駒ヶ岳の山頂もかなり近づいて見え、山頂までに目の前のピークを越える必要がある様子が見てとれた。
ピークへの急斜面に取り付くと、周りにあった背の高い植物も徐々に減り始め、足元の土は岩々とした様相に変わっていく。
周りを見渡すと越後三山の中ノ岳の存在感があり、尾瀬の山並みも見通すことができる。

越後駒ヶ岳登山

折り重なる山々の眺めは良い

山頂の下には駒ノ小屋のアンテナらしき鉄棒が建っているのが見え、高く見える場所も視界から感じるよりも近くまでやってきたように感じた。
左右を笹に囲まれた岩の急登を登って駒ノ小屋へと近づいて行く。
小さな段差が連続しているような岩の登山道も、崩れづらくシッカリしているために登山靴のグリップが効いて歩きやすい。

登山口から3時間が経ったくらいの時間で駒ノ小屋に到着。
小屋の前に流しっぱなしになっている水を頂き、間近にまでやってきた山頂を目指す。
若干、緩やかに変わった登山道の木段を踏み、駒ノ小屋から10分ほどで稜線上の中ノ岳への分岐点に到着した。
稜線上の緩やかな斜面を山頂へ。

越後駒ヶ岳登山

ここの水が美味かった

越後駒ヶ岳登山

着いた

越後駒ヶ岳山頂

駒ノ湯登山口から3時間23分、越後駒ヶ岳の山頂に到着した。
10mほどの円形の山頂はベンチが周囲に置かれ、八海山を背にして像が祀られていた。

雲が多い中でも周囲への展望は良く、八海山との間の深く落ち込んだ谷、その先の八海山の八峰と中ノ岳とを繋ぐ険しい稜線が見えた。
魚沼の市街地を見下ろし、山深い奥只見と険しくもカッコの良い魚沼の山々を見渡す山頂からの眺望はとても良く、時間と天候が許すのなら長く眺めていたいところだった。

越後駒ヶ岳登山

大変だった

越後駒ヶ岳からの下山

下山は登りと同じ駒ノ湯への急斜面を下りる。
駒ノ小屋へと戻り、空へ飛び出すような眺めから樹林帯へと戻っていく。

蒸し暑い空気の篭もるから振り返ると、あっという間に山頂が遠く離れていく。
小倉山の分岐へと戻ると、ここからはより深く樹林帯に覆われた登山道へと戻り眺望も変わる。
登りで苦労した急な斜面は下りでも同じで、滑りやすく湿った土質と木の根にバランスを保ちながら歩いていく。
斜面は急勾配でもなかなかに標高は下がらず、長く感じる下り坂で、標高を下げるほどに暑く蒸した空気が流れる。

尾根のすぐ下に駒ノ湯旅館の屋根が見えた瞬間には安堵した。

越後駒ヶ岳登山

またアブの中へ戻ってく

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使った登山道具

下山後に立ち寄った温泉

駒の湯山荘

魚沼市から枝折峠へと続く樹海ラインにある温泉旅館。
越後駒ヶ岳へと登る駒ノ湯登山口から近く、歩いて温泉へと向かうことができるほど。
もともと旅館として営業しているため、日帰り温泉は外湯の露天風呂のみ。
男性が入れる混浴風呂と、女性専用の風呂がある。
33度ほどの冷泉と加温した小さめの湯船があり、泉質はアルカリ性単純温泉。
湯船の中心からは豊富なお湯が吹き上げている。

季節がらかアブがたくさん飛んでいて気持ちが休まらなかったというのが感想です。
防虫スプレーも置いてありましたが、数が多すぎて気休め程度にしか効いていないようでした。
ただ登山後の火照った体には冷たいお湯がとても気持ちが良くて、いつまででも入っていられそうに感じました。
加温したお湯もありましたが、冷泉の方が湯船が広く、たっぷりの掛け流しの中に肩まで浸かることができてオススメです。
混浴露天風呂と言うことで開放的な雰囲気です。

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