北陸を象徴する巨大な山

白山

2702m

砂防新道 2012年9月20〜21日

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白山は富山県、石川県、福井県、岐阜県に跨がる北陸を代表する山で、山頂部分は石川県と岐阜県に聳える。
標高2,702mの御前峰が最高峰で、日本三大霊山に数えられ白山比咩神社の奥社が建っている。
活火山で山頂部には15個ほどの火口湖があり、新しいものは江戸時代初期にできたという。

古くから信仰のために白山への登山道が作られ、中でも石川県白山市の別当出合から登るのが比較的簡単で、山小屋の建つ室堂平からは御前峰と登るルートとお鉢巡りをしながら山頂へと歩くことができる。

白山といえば山頂付近のお池巡りが楽しみのひとつで、その周辺には花も見られる。
もともと花の豊富な山ではあるが、すでに盛りを過ぎて紅葉に近づいている。
御前峰や室堂から見下ろす北陸の山並みや、北アルプスを楽しみたい。

晴れの予報が続く9月中旬、砂防新道を登り始めたところでガスに周りを覆われる。
雨が降るようなことはなかったものの、いまにも降り出しそうなほどに白く、気持ちも盛り上がりに欠ける。
南竜分岐付近で急にガスが引き、展望を楽しみながらの黒ボコ岩、御前峰となった。

歩いたコース

登り
砂防新道
下り
観光新道
最高標高
2702m
登山口標高
1250m
距離
12.80km
累積標高
1532m
1516m
平均斜度
12.5度
時季
2012年9月
天気
曇りのち晴れ
日程
1泊2日(山小屋泊)
歩いた時間
合計9:00
平均した歩行速度
1.42km/h

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山と高原地図 白山 荒島岳・能郷白山・金剛堂山
山と高原地図 白山 荒島岳・能郷白山・金剛堂山
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北陸の山といえば白山だと思います。
週末の交通規制を考えると、車での交通の便は決して良くは無いですが、広い駐車場や整備された登山道、室堂センターもあり登りやすい山だと思います。
登山時間は往復6〜7時間ほどなので、早い時間に出発をして日帰り登山を楽しむ人も多いようです。
時間に余裕があれば、御前峰からのお池巡りもオススメ。
オコジョなどの野生動物にも会うことができました。

持って行った水の量

別当出合から砂防新道を白山へ

石川県白山市の別当出合から白山へと登る。
いくつかある登山道の中で石川県の白山市から登るのが一般的で、その中でも別当出合からのコースが良いという事前情報だった。
別当出合には広い駐車場があるが、週末以外は交通規制のため市ノ瀬からバスで向かうことになる。
金沢駅からの登山バスもあり、マイカー以外でも登山口へ行くことができる。

白山への登山口の別当出合は金沢から1時間半ほど。
週末には交通規制がされるため、温泉地に近い市ノ瀬駐車場からバスに乗ることに。
平日であれば狭くて勾配の急な山道を別当出合まで車で行ける。
駐車場に着くとは広くて立派なスペース。
広く余裕があるので難なく停められる。

駐車場から少し歩いて、別当出合にある登山口には案内所が建っている。
観光新道と砂防新道のどちらもこの登山口から登ることができる。
登山道の案内板によると観光新道から白山へ登った方が時間的には少し早そうだが健脚向きとのこと。

白山登山

できるだけ楽して登りたい・・・

砂防新道へと入っていく橋では「蜂注意」という看板を見つけるよりも早く橋脚の蜂の巣が目についた。
たしかにこんなに大きな蜂の巣だと怖い。
遠目ながらブンブンと飛び回っているようにも見えるのでサッと橋を渡って登山道へ。

入口から30分ほどの中飯場に公衆トイレが建っている。
ここには石のベンチもあり休みやすい。砂防新道という名前のとおり、この辺りから右側にはずっと砂防工事をしているのが見える。
工事中の人も見え遠くで大きな音もする。

だんだんと標高が上がるにつれて雲の中に入ってきたのか天気が崩れてきたのか、まわりは真っ白になってきた。
いまにも雨が降ってきそうな雰囲気もして寒い。
中飯場の次の休憩地点の甚之助避難小屋。
ここまで約2時間ほど。
少し休み、天候の様子を伺っていたら徐々にガスが晴れてきたようだった。
甚之助避難小屋の新しくピカピカの大きな建物は、とても避難小屋という雰囲気では無いのだけど水道もトイレもあって便利。

甚之助避難小屋を少し進むと、南竜ヶ馬場との分岐になる。
黒ボコ岩を目指して歩くのが近道になるのだけれど、南竜ヶ馬場も人気があるようだ。
コースも幾つかあるので、違う眺めも楽しめるのだろう。

白山登山

眺めが良くなってテンションも上がった

黒ボコ岩へ

黒ボコ岩への登山道は落石の危険があるようで、「ここから100m落石注意」の看板があったり、急な石段が続いたりする。
ここがけっこうキツイ。
砂防新道は登り続ける感じのルートなので、下り坂や平らなところがなく休まるところがほとんど無い。

途中、岩の間から水がちょろちょろと流れ出ていて延命水と書かれていた。
先を行く登山者が飲みながら「だんだんと水量が減ってきた」と話しているのを聞いた。

真っ白な中を歩き続けて、平らな所に出たと思ったらそこは黒ボコ岩だった。
観光新道との合流地点。
ここで少し休もうと決めていたのだけれど、腰を下ろした途端に雲が晴れてきた。

白山登山

こんなに広くてキレイなところだったのか。。

室堂平到着

目指す室堂はすぐそこに。
白山の頂上もすぐそこに大きく見える。
下からは全く様子も見えなかったけれど、こんなに広くてキレイなところだったのかと感動。
広く平らなところに掛けられた桟橋を通り、ガレガレの岩の坂道を登る。
ここは石の隙間にストックを挟まないように注意。
先端のゴムカバーを落としやすい。

白山登山

でっかい・・・

室堂センターは大きい。
たくさんの人が訪れる場所ということなのだろうか整備もされていて、その名の通り山小屋よりはセンターという印象だった。

白山登山

でもケータイは圏外だった。

白山の最高峰「御前峰」

室堂センターにある白山神社祈願所。
8月31日までなら祈願を受け付けているそうだ。
白山の最高峰「御前峰」を見上げるように建っているのもなかなか宗教的な感じがして良い。

室堂平から御前峰頂上までの道のりは約40分。
まだまだだと思っていた紅葉も、室堂から上では色づいている雰囲気がある。
もうじき本格的な秋になることを感じた。

ゆっくりと時間を掛けて御前峰へ到着。
到着するとまず白山神社が見えた。
けっして大きくは無い社殿が日本海を見下ろすように西を向いて建っている。
その傍らの小高い場所に山頂の標が建てられていた。

白山登山

思い描いてようやく着いたという感じ

街から見上げることしか無かった白山は、実は頂上では岩だらけで火口らしきものがあるという様子も見られた。
山頂での時間を過ごしていると、オコジョが現れ、こちらの様子を伺ってはカメラを向けると逃げることを繰り返していた。

お池巡りのコース

御前峰からはお池巡りのコースを通って室堂平へ。
白山頂上の裏側へ下りると背の低いハイマツと小さな植物だけでとにかく広く景色が見える。
室堂平から見えていた白山の景色が、山頂の反対側へ回り込むと火山らしい印象だった。

室堂センターへ戻り夕食を済ませた後、まだ空が明るかったので、もしかしたら夕暮れが見えるんじゃ無いか?と思って外を眺めてみた。
1日を通して雲が多く空を眺めるには良い天気とはいえず、星も見ることはできなかった。

室堂平は白山の西側に位置しているため、日の出を見るには御前峰に登るか南竜ヶ馬場の方へ行くのが良いそうだ。
室堂平からでも朝陽に染まる様子が見えるのでは無かろうかと思っていたのだけれど、朝陽では無く朝の青空に陰る白山が見られた。
青い空に広がった小さな雲はとてもキレイで、遠くに広がる雲海も雄大だった。

白山登山

太陽が出ていない時間の室堂はとても寒くて葉っぱは白くなっていた

白山から観光新道で下山

帰りのルートは、黒ボコ岩から観光新道へ。
尾根づたいは眺めも良く晴れていれば最高のルート。
砂防新道と比べて急勾配の江斜面も多く、初めての白山であればやはり登りでは砂防新道を登るのが楽しめる。

観光新道は登る前に見たマップに書いてあったとおり、健脚向きのキツイ坂道だった。

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使った登山道具

下山後に立ち寄った温泉

(閉店)白山天望の湯

温泉場が立ち並ぶ白峰温泉にある施設。1階には岩風呂、2階には木造風呂。2種類の浴室は一週間ごとに男女入れ替わるそう。
市ノ瀬からも近い場所にありオススメ。

温泉は広くは無いものの、露天風呂や内風呂の大きな窓からの眺めが良い。
浴室の近くには休憩室もあり、温泉から上がってすぐにダラダラと寝転べるところがオススメ。

お世話になった山小屋

白山室堂ビジターセンター

標高2,450mに位置する大型の山小屋。白山最高峰の御前峰を見上げる室堂に建っており山頂へは約30分ほど。
センターの裏側には白山神社祈祷殿があり、7月1日から8月31日まで開山している。センターが建つ場所から朝陽を望むことはできないが、日本海方面へと沈む夕陽を見ることができる。

とても大きな建物です。部屋は10人ほどの個室が並んでいます。トイレは外にある簡易的なものでした。標高が高く風が通りそうな地形のせいか寒く感じました。食堂は大きくて広く、カレーやラーメンなどが楽しめます。昼食の時間は11時から1時までと短いので、その時間に到着する必要があります。

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