鬼ヶ城

1449m

角間温泉 2026年5月5日

  1. 登山百景トップ
  2. 上信越の山
  3. 鬼ヶ城登山
登り
角間温泉
下り
角間温泉
最高標高
1449m
登山口標高
985m
距離
2.14km
累積標高
489m
489m
平均斜度
24.53度
時季
2026年5月
天気
晴れ
水の量
水900ml
歩いた時間
登り1:28/下り1:01/合計2:29
平均歩速
2.07km/h

この日のペース

  1. 登山口
  2. 三合目(0:14)
  3. 四合目(0:30)
  4. 鬼ヶ城(0:37)
  5. ジャンクション(1:07)
  6. 雲雀峰(1:28)
  7. 岩頭(1:33)
  8. 登山口(2:29)
impressions

鬼ヶ城は一度でも見てみたいと思っていました、
標高はそう遠くなく、山深いとはいえ街からも遠すぎない距離。
それでいて高度感やインパクトの強さは、他の山々よりも強烈なところだと思います。

登山道の勾配のキツさ、落葉の上に積もった岩場の難しさも、鬼ヶ城までの難しさを際だたせているように感じました。

岩峰までは高低差が少なく、比較的短い時間で着くことができるため、今回のように周囲の峰と合わせて登るのが良いと思います。

使った登山道具

最恐の高度感と急登の峰

角間渓谷に突き出た岩峰。
200mあまりの高低差で登山口からも見える鬼ヶ城が今回の核心部。
一人が歩くのがやっとという狭い岩尾根、左右には200mの高さで岩崖が切れ落ちる。

角間渓谷には様々な岩峰が乱立し、それらをまとめて鬼ヶ城と呼ぶ説もある。
ただ明らかな登山道があり、高度感や形状から知名度が高いのが角間温泉の真上に聳える岩峰だ。

標高が1220mと夏季に登るには気温の心配があり、適期として登ることができるのは初夏まで。
緑の綺麗な季節に鬼ヶ城へ訪れてみたかった。

  1. 登山口
  2. 三合目
  3. 鬼ヶ城
  4. ジャンクション
  5. 雲雀峰
  6. 岩頭
  7. 登山口

角間温泉から鬼ヶ城へ登る

上田市街から西へ。
真田町を菅平方面へ向かう道中に、右手側に立ち並ぶ山々が角間渓谷。
この連立する峰と尾根の中には、いくつもの岩峰が並んでいる。

角間渓谷に近づくと、角間川沿いに険しい岩崖が見えてくる。
立ち入ることのできる終点近くに角間温泉があり、そこから鬼ヶ城の岩峰を見上げることができる。

鬼ヶ城は、平安時代、この地域を苦しめていた鬼が棲み、坂上田村麻呂が征伐したという謂れがある。
とても快適に棲めるような印象も無いほどに狭く険しい岩峰で、高さ200mの高度感を味わえる。

登山口近くにある温泉旅館の岩屋館の駐車場をお借りして準備を整える。
今回は鬼ヶ城へ登り、そこからさらに奥の雲雀峰まで足を伸ばす。
高低差は500mほどで短いものの、険しさと奥深さが感じられるコース。

歩いて2・3分のところにある登山口、枝葉を避けて見上げると間近に鬼ヶ城が見えた。

鬼ヶ城登山

まさかこんなに近くに見えるとは

登山口には、真田幸村の伝説が残る一っぱい清水。
僅かながら水が湧き出て、取り付けられたホースから滴っているようだった。
案内に書かれているような茶立てに使われるほどの水量は無かった。

鬼ガ城の登山口を示す案内板が立ち、その先には踏み跡が続いていた。
柔らかな土と積もった落ち葉で、足を踏み出すと登山靴のソールが埋まる。
斜面に耐えるために力を込めると、足が埋まって滑るような踏ん張りが利かない印象だった。

踏み跡も明瞭ではあるものの、獣が歩いたような跡もはっきりと見え、地形によって登山道のように見える場所もはっきりと見える。
細かく印が付けられているために迷いはしなくても、ぼんやりと歩いていたら間違った場所へ入り込みそうな斜面の形状をしていた。

鬼ヶ城登山

登山口近くだし、上へ登る以外の目的で山に入る踏み跡もあるのだろうな。きっと。

上を目指して登っていくと、足元の石に印が見え、枝にはピンクテープが巻かれている。
ところどころに鬼ヶ城と書かれた看板も取り付けられていた。

三合目

登山口から17分ほど、急斜面をトラバースして登った尾根の上で、1本の木にペンキで「三合目」と書かれていた。
そこまでの柔らかな土の上に落葉が積もり、石が多く転がった斜面は、滑りやすく不安定で苦労していた。
斜面から尾根に移ったことで、歩きやすくなる期待をした。

いったん水を口に含んで息を整える。
三合目の斜面から見上げた先には、大きな岩が見える。
角間温泉から見えた鬼ヶ城の距離感から、そろそろ真下に出ても良い頃。
先に見える岩壁がそれではないだろうか。

鬼ヶ城登山

アレじゃねーか?

三合目から岩を左上に見ながら、斜面を横切っていく。
折り返してさらに斜面を上へ。

柔らかかった土は、登ったことでさらに柔らかく感じられる。
積もった落葉も深い。
そのうえ、転がった石は少し小さくなったようで、石の上に足を置くと土に埋まるか転がり落ちるか。

鬼ヶ城登山

なかなかに歩きづらい

四合目

三合目から 分ほどで岩に「四合目」と書かれた地点まできた。

鬼ヶ城登山

これ、10合目はどこを指しているのだろう?

斜面から見上げた先は、だんだんと明るく山頂部や尾根が近い雰囲気になった。
振り返って登ってきた斜面を見下ろすと、滑落しそうなほどの角度。
斜面を横切る登山道も狭く柔らかいために、さらに下への意識が働く。

鬼ヶ城登山

油断したら落ちるんじゃないかと

斜面をトラバースすると、鬼ヶ城を指す看板と、ペンキの印があった。
上を指す印に従っていくと分岐に到着した。

明らかに右へと続いていく登山道。
左には登山道とは思えないほど狭い踏み跡と段差。
ただ、鎖が見える。

葉っぱに覆われた空に向かって目を凝らすと、鬼ヶ城の巨岩らしき影が見える。
やはり三合目あたりから見えた岩壁は、鬼ヶ城の直下だったようだ。

目的地の雲雀峰を目指すには、鬼ヶ城へ向かわなくても右の登山道で登っていくことができる。
ただここまできたら鬼ヶ城も岩尾根の道も見ておきたい。
木に括り付けられた看板によると、鬼ヶ城はここから4分。

岩の斜面にできた細く柔らかい登山道に取り付いた。
斜面に設置されたトラロープは湿っていて、手を掛けると伸びる。

鬼ヶ城登山

トラロープの耐荷重ってどれくらいだろう?

トラロープを掴み、木の根に手を掛けながら、段差に足を載せる。
少し登るとトラロープは鎖に変わった。
ひとりが石に身を寄せる程度の幅で、すぐに数メートルの高さに。
狭いうえに高くなり、石の段差は腕の力も使って登るほど。

間近に迫ってくる尾根を分かりながらも、唐突に景色が開けたように感じた。

鬼ヶ城

登山口から30分

鬼ヶ城の岩峰が間近に見えた。
なによりも高さが目に入り、登った先がまっすぐに切れ落ちているのが、視界のどの景色よりも印象に残る。
あの岩峰を見たいと思って訪れた登山口だったが、実際に来てみると鬼ヶ城よりも気を抜くことのできない尾根の印象が強い。

鬼ヶ城は角間温泉の登山口から見上げていたものよりもかなり大きく、そこへの細尾根も近寄りがたい雰囲気だった。
とにかく1mでも高いところから見たくなくて立ち上がりたくないという思いだった。

鬼ヶ城登山

高いところは嫌い

岩尾根に立つと最初に目に入るのは烏帽子岳からの稜線。
おそらく角間峠あたり。
そして高さ200mの切り立った崖。
鬼ヶ城の岩峰に目を移し、さらに西を見ると遠くに北アルプスが見える。

鬼ヶ城からさらに上部へと続く尾根は、さらに狭く高くなっていく。
鎖が取り付けられているものの、場所によってトラロープに変わっているところがあり、人ひとり分の幅しかない岩尾根は見ているだけで恐怖だった。

もともと鬼ヶ城を真下から見上げ、この岩尾根を登って雲雀峰へ行きたいと考えていた。
ただ尾根の上に乗ってみて、想像以上の高さと鬼ヶ城が見られた満足感から巻き道を通るで十分だと感じた。
登れないことに残念さはあっても、自分の力以上のチャレンジをする必要はないと思えた。

雲雀峰へ向かう

鬼ヶ城の岩峰から、いったん岩の下の分岐まで戻ることにした。
岩尾根の上を伝って雲雀峰を目指すコースもあったが、高さ200mの上で人の幅ほどの細い尾根を登る気にはならず、岩の横を歩く巻き道で十分だった。

尾根に登るための鎖とトラロープが付けられた場所は、段差が高く苦労していたため、登るとき以上の苦労があると注意深く足を下ろした。
下も見づらくそっと下ろした足が、意外と段差の下まで届く。
重い身体も意外と手でバランスが取れる。

鬼ヶ城登山

思っていたより楽かもしれない

登った時間とそう変わらずに登山道の分岐まで戻った。
鬼ヶ城の尾根にいたときの落ち着かない雰囲気とは真逆の安心感があった。

安心感が戻ったとはいっても急斜面をトラバースする柔らかな足元は変わらず、谷側は深く斜面が落ちている。
一部ではトラロープが張られ崩落したように見えるところを通過。
巻き道とはいえ、なかなかの難路で気が抜けない。

左側のすぐ上には鬼ヶ城から続く岩尾根が見える。
高度感の先がどうなっていたかが見えるようで、真下を歩くだけでも想像が膨らんだ。

3分ほど歩いたところで登山道が分かれた。
右はトラバースをしながら上へ。
左は岩尾根に近づいていくように見えた。

鬼ヶ城登山

せっかくなので岩尾根のほうへ行ってみる

分岐を左へ進むと、岩に貼り付くような狭い登山道。
足には木の根に乗ったような反動があり、乗った場所が折れるんじゃないかという不安を覚えつつ、いろいろなものを掴まっていく。

大きな岩の壁を回り込むと、斜面のうえで岩尾根がキレットのようになっているのが見えた。
岩尾根を登ってきたときに、ここで尾根から離れて巻き道へ下りることができるのだろう。
あのキレットのような場所の先は、深く切れ落ちているはずと想像をしながら、急斜面を登ってみることに。

トラロープは括り付けていた木が折れてしまったようで、引っ張ると手応えが無い。
土の段差に指をかけて体を持ち上げ、太い木に体を預けながら尾根まで登ると、トラロープが岩の上へと続いているのが見えた。
鬼ヶ城から尾根を歩いていたら、この場所を下りるのだろう。

鬼ヶ城登山

とんでもないところを下ろされるのだな

さらに尾根を進む様に踏み跡が続いており、土をかぶって草の生えている段差は脆そうに見えた。

鬼ヶ城登山

ここは行けそうだけど行かない

岩尾根の様子が見られ満足した。
苦労して登った斜面を戻り登山道へ。

細かく折り返していく岩尾根がすぐ近くになり、登山道も合流するようなところが出てきた。
岩尾根から登山道へ入ってくるような踏み跡もいくつか。
せっかくだから尾根の上の登ってみようかという気になり、様子を伺っているところでちょうど尾根からの登山道と合流した。

岩尾根は木々は周りに木々が茂っているおかげで高度を感じずに歩くことができる。
ただ狭さは相変わらず。
少し高い段差の上から周りを眺めると、東側に烏帽子岳と霧隠峰が見えた。
霧隠峰のあの特徴的な形は興味がそそられる。

鬼ヶ城登山

霧隠峰の先には林道があって今回は行かないけれど林道下山というのも選択肢にできると思う

登山道は木々の中を登っていく。
序盤のような石が多く転がっているところや、落ち葉が厚く積もっているところもなくなり、斜面の脆さを感じることも無くなった。
明瞭な踏み跡とピンクテープもあって快適な登りだった。

ジャンクション

登山口から1時間7分、ジャンクションに到着した。
急勾配を登った先の小高い場所で、ジャンクションと言いながらも他の山への分岐は無かった。

あいかわらず眺望はなく、ほどほどに木漏れ日が射す。
いったん水を入れて、この先にある雲雀峰へ向かった。

下山ではジャンクションの間近から斜面を下りることにしていた。
登山道とはいえない斜面は、どこでも踏み跡に見え、歩こうと思えばどこでも歩けそうな雰囲気。
あらかじめ地点を確認しながら雲雀峰へ続く尾根を渡っていく。

雲雀峰直下の急斜面

雲雀峰へ向かう登りは急な勾配の斜面だった。
テープは上へと続き、踏み跡もところどころにあって迷うような登りではなかったものの、枝が伸びて先の邪魔をするところも多く、結局のところ直登をするのが正しいような雰囲気。
序盤ほどの脆さはなくても、落葉の柔らかな土を直登すると崩れやすい。
くわえての角度のキツさはフクラハギに堪える。

15分の直登、150mほどの高低差とはいえ体感時間は長かった。
行く先に空が見えてきた。

鬼ヶ城登山

着いたか

急斜面がなだらかになり、霧隠峰と雲雀沢を指す看板が視界に入った。

雲雀峰

角間温泉を出発して1時間29分

雲雀峰の頂に到着した。

広くなだらかで、どこが山頂といえる一番高い場所なのか見渡す。
どこも木々に覆われて、眺望は良いとはいえない。
ただ少し先に下りたところで岩頭という展望台があるようだった。

雲雀峰のもっとも高いところは西側へ進んだところ。
祠が崩れたような石積みと、巨石が乱立した曰くのありそうな場所の先、壊れた山名標が括り付けられていた。

鬼ヶ城までの難路と、鬼ヶ城での極端な高度感、雲雀峰の急登と行程の短さのわりには盛りだくさんな登山道だった。

腰を下ろしてしばらく時間を過ごす。
陽の暖かさと風がちょうど良く、下りることを忘れて時間を過ごしたい場所だった。

岩頭

雲雀峰から霧隠峰へ向かうと岩頭と名付けられた地点を通る。
5分ほど下りたところで、烏帽子岳方向や上田市街への眺望が良い。

雲雀峰での眺望がなく、せっかく登った場所でもあるので、岩頭からの眺めを見ておくことにした。

鬼ヶ城登山

近いけれど意外と下る

岩頭から戻るときに、ふたたびの雲雀峰へ登り返すのを億劫に感じながら眺望が得られる場所へ向かっていく。
陽が射す明るい斜面で歩きやすい。

岩頭へ到着すると、まっすぐに下りていた斜面は深く切れ落ちていた。
そのかわりに松の枝が視界に入るほかは遮るものがなく間近に山々が見える。

今朝方の寒さで白くなった烏帽子岳の木々と、霧隠峰の奇岩、西峰と東峰に分かれている間には、植林と思われる生え際のくっきりとした木々。
あの生え際まで林道が来ていると思うと、やはりこの先も踏破してみる楽しさはありそうだった。
ただ切れ落ちている先は、それなりの岩場と高低差があることは見てとれた。

上田市街の方は松の隙間を潜って眺めを楽しむ。
尾根を伝っていくことのできる達磨山は、距離の近さもあってか存在感が増して見える。
整備された登山道ではないものの、林道から登ることができるため、いろいろな角度から登ってみたいという興味は尽きない。

下山

岩頭から雲雀峰へ登り返し、角間温泉へ戻る。
陽が高くなったせいか、野鳥の鳴き声が多く聞こえる。
どこにいるのかと周りを見回しても、なかなか居所が場所が見つけられず、仕方なく登り返していると濃紺の鳥が飛んでいくのが見えた。
姿を確認しようとあわてて望遠レンズを取り出すと、そのときにはもうどこかに行っていた。

鬼ヶ城登山

登山時の望遠レンズは野鳥観察のため

雲雀峰からジャンクションへの下りは、足元がフカフカとしてクッションのようで、快適な下り坂だった。
ただ角度がキツいのは登りと同じで、調子に乗ると石に足先を引っかけそうだった。

日影になりやすいこの斜面でも、野鳥をいくつか見ることができ、キビタキが見えたときにはレンズを取り出そうとしてそのまま見失った。

ジャンクションの手前から斜面を下りる

雲雀峰から急斜面を下りて、細尾根の緩斜面に変わった。
ここからジャンクションへ登るという手前で、左の急斜面へと下りていく。
事前に見ていたログで下りる場所を調べていたことと、手元の地形図で線が引かれていたこともあって、下山は岩尾根から離れたところを歩こうとしていた。

斜面には落ち葉が深く、ところどころにある倒木でできた段差が見えない。
足を踏み込んだらスネまで埋まり、そのまま土が崩れて滑るようなところも多い。

そのうち歩きやすいところもあるだろうと斜面をジグザグに下りていくと石が増え、その石も簡単に斜面を転げ落ちていく。
体重を乗せようとすれば、石と一緒に足を踏み外すのだろう。
ログで見ていた斜面は思いがけずに難路だった。

ただ右側に岩尾根が続いていることや、そこから離れずに下りることで間違うこともなく下りられるため、足の踏み場の良いところを選んで斜面を下りていった。

鬼ヶ城登山

けっこう大変

苦労しながら25分ほど下った。
粒の大きな石が増えた。
斜面を塞ぐ巨石が見えるようになり、木にはピンクテープが巻かれていた。
思っていた以上の難路ではあったものの序盤の登山道と合流し、テープに沿って下りていくと見覚えのあるものが次々と現れ、登山口が近づいたことが分かる。

結局、ジャンクションから40分ほど掛けて角間温泉まで下りてきた。

最後まで見てくださり
ありがとうございます

よろしければご感想をお送りください

メッセージは文字まで、送信は一日回まで
現在文字数 0文字

下山後に立ち寄った温泉

千古温泉

上田市真田にある日帰り温泉施設。
間近に神川が流れ、その向岸には戸石城が聳える斜面となっている。

浴室は内湯のみ、洗い場は2つと小さく落ち着く。
硫黄の香りが漂う単純硫黄冷鉱泉で、筋肉痛や関節痛などに効能があるという。

静かな雰囲気で、落ち着いた印象でした。
ほどよい浴室の小ささがのんびりとできたと思います。

硫黄が香るのと、ほんのりとしたトロミが良かったです。

同じ時季に登った山