黒姫山への登山道
今回は一般的なルートのひとつ、大橋登山口からスタート。
水門の横から車両通行止めの林道を通って黒姫山へ向かう。
駐車スペースは10台ほど。
大橋で車を停めることが出来なかった場合でも、近くに別の登山口があるのが便利なところ。
出発はゆっくりめ。
ゲートをまたいで林道へと進む。
車が通れるようになっているため、広く整備され歩きやすいが、全行程の3分の1近くの距離を歩くので、印象としてはとても長く退屈に感じる。
冬季は佐渡山や乙妻山へのルートとしても使用される。
30分ほどで分岐点に到着。
黒姫山への登山口は右へ。
左は佐渡山。
車の通れる林道から登山道へと入っていく。
黒姫山への登山道
笹が茂り、タラの芽などの山菜がところどころに。
登山道までも葉が伸びているため、足元は決して良いとは言えないものの歩くのに支障は無い程度。
真っ直ぐと登っていくと、何度か林道を横切った。
笹が多いし熊もいるのだろうな
蛇行しながら登る車道と、真っ直ぐに登っていく登山道という形になっているようだ。
20分も登ると日影には雪が残るようになり、場所によっては登山道を覆うように雪が残っていた。
周りを見渡せば、落葉松林の隙間から高妻山や五地蔵山、佐渡山が見える。
分岐を西新道へ進む
登山口から1時間も立たずに分岐点に到着。
右は古池からのルート、左は山頂付近の池を巡る峰の大池ルート。
この時季はまだ大池には雪が残っているため、歩きやすい西新道へ。
足首ほどまで残っている雪を踏みしめながら、西新道を進んでいく。
雪が解けたところでは泥の上に水が流れている。
新道との分岐から10分ほどで到着した平坦な場所ではトレースが消えていた。
どこへ行ったら良いんだ
この場所ではテープや看板も無いため、林を眺めて登山道らしい形の場所に目星を付けて進むと、足跡が戻ってきた。
再び登りが始まり、解けた雪は一層滑りやすくなった。アイゼンを着けて登りたいところが、泥と岩、雪と代わる代わるルートが変化するので壷足のまま。
西新道の急登
登山口から1時間半。大きなシナノキが立っていた。
ベンチもあり、周りも開けているので休憩にはちょうど良い。
シナノキの横を過ぎると、雪は本格的に残って坂も急な勾配に変わっていく。
木も少しずつ疎らになり、高妻山もハッキリと見えるようになってきた。
雪の登り大変
雪の急登は約30分。
黒姫山の尾根に到達するまで登る。
笹平になっているため掴まるような木もなく、雪に足を差し込みひたすら登る。
振り返れば眺望は素晴らしいものの、この箇所では景色を愉しむ余裕もないので、足元に気をつけて尾根を目指す。
尾根に出ると遮る木は減り、目の前に眺望が広がった。
黒姫山の南西の山が一望。
間近に見える高妻山と戸隠山、その奥には北アルプスが並ぶ。
この尾根道が一番の見どころだと思う
黒姫山山頂を目指して尾根を歩く
雪が溶けかけた時季とはいえ、尾根にはまだ雪が残っている。
表面だけが緩く滑る雪の上を山頂に向かって進む。
約1時間の道程で緩やかに登り、アップダウンを繰り返す。
木の周囲では解けた雪が窪んで落とし穴のように口を開けているので注意。腰や胸の高さまで落ちる可能性もある。
眺めは良いけれど窪みもあるし油断大敵
山頂は黒姫山の尾根の中でも、北西側に位置している。
登ってきたルートは南西側のため、長く尾根を進んでいく。
右側の眼下には飯縄山と長野市や、その北側の街。
志賀高原や浅間山を広く眺めることができる。
直下の急登を登り山頂へ
黒姫山の山頂は、尾根から突き出たようなピークになっている。
ルートは一旦下って雪の急坂を登る。
爪先を差し込むことはできるので、登りに苦労することはないのだけれど、ここまで雪のアップダウンを繰り返し歩いてきた足には堪える。
滑りやすいので注意をしながら登ること15分。
スタートから2時間45分、ようやく山頂に到着した。
やっと
山頂に置かれている祠には、毘沙門天が祀られていた。
西側に木が茂っているが、東側は視界を遮るものがなく、眼下の黒姫高原や野尻湖、向かい側には志賀高原、四阿山やその先には浅間山と八ヶ岳を眺めることが出来た。
尾根を歩いてきたため、大きく見えていた高妻山は木の陰になってしまったものの、飯縄山からその遠く先に見える北アルプスは、うっすらと穂高岳連峰や槍ヶ岳を望むことができた。
下りるところを間違えたから
迷いやすい黒姫山からの下山道
黒姫山の山頂近くは笹に覆われているために木の間を縫って歩くような登山道にはなっていない。
そのため、雪が積もるとどこでも歩くことが出来る反面で、ルートとは違う尾根を下ってしまう可能性がある。
周囲に登山道が多くあったり街も近かったりしても、やはり正しいルートを安全に歩くに越したことは無いので、事前の調査と注意深いルート選びをしたい。