強風覚悟の那須岳三座

那須岳

1917m

峠の茶屋 2016年5月5日

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現在も火山性のガスを上げる活火山の那須岳。
那須高原から見上げる大きな山は、茶臼岳・朝日岳・三本槍岳という主要な三山からできている。
主峰の茶臼岳にはロープウェイもあり、那須高原からアクセスが良いために登山者が多く訪れる。
反面で遭難が多い山でもあり、強風のための転倒や経験の浅い登山者でもチャレンジしやすいことが原因とも考えられている。

登山口では僅かに雨が当たる天気で予報は「晴れ」。
茶臼岳から街を見下ろすと明るく陽の光が当たっていた。
心配していた強風も僅かで、峠の茶屋付近だけが注意が必要な状況だった。

歩いたコース

登り
峠の茶屋登山口
下り
峠の茶屋登山口
最高標高
1917m
登山口標高
1496m
距離
11.74km
累積標高
925m
926m
平均斜度
9.0度
時季
2016年5月
天気
曇り
日程
日帰り
歩いた時間
登り2:27/下り1:16/合計3:43
平均した歩行速度
3.16km/h

この日のペース

  1. 峠の茶屋登山口
  2. 峰の茶屋(0:28)
  3. 茶臼岳(0:50)
  4. 峰の茶屋(1:08)
  5. 朝日岳(1:38)
  6. 1900m峰(1:52)
  7. 三本槍岳(2:27)
  8. 1900m峰
  9. 峰の茶屋
  10. 峠の茶屋登山口(3:43)

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山と高原地図 那須・塩原 高原山・八溝山
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ゴールデンウィークという5月でも人の多い時季に那須岳へ。
市街地の天気予報は晴れでしたが、登山口から上は今にも雨が降り出しそうな厚い雲でした。
ロープウェイを使って主峰の茶臼岳へ近づくこともできますが、登山口と山頂との高低差も少ないので今回は使用しませんでした。
稜線の峰の茶屋からは風が強く当たり、噴煙が上がっているのも見えました。
茶臼岳は噴火活動が間近で見られるのと、火山ならではのガレ場が続く特長的な登山道が楽しめました。
朝日岳を過ぎるとはガレ場からハイマツに囲まれた泥の登山道。ひとつの山で様々な状況が楽しめました。
風はものすごく強かったので、しっかりと体勢や服装を準備していくのが良いです。

持って行った水の量

強風の那須岳を日帰り縦走

車で晴れた温泉地を上り、那須高原から峠の茶屋登山口へ。
主峰の茶臼岳へアクセスの簡単なロープウェイもあるが、今回は乗り場を通り過ぎて最上部の駐車場へ行く。
広い駐車場にはすでに多くの車。
小雨がパラパラと当たる中、空の様子を確認して登山口へ向かう。

鳥居のかけられた峠の茶屋登山口からスタート。
序盤は整備された石段を登っていくと、さっそく山の神が祀られた祠が建てられていた。
足元は石が敷き詰められて歩きやすく整備されており、高い段差もなく登っていくことができる。
行く先を見上げると、枝の間から茶臼岳の山頂部が見える。

10分ほど登っていくと敷かれていた石畳は無くなり、大きな石がゴロゴロと転がった登山道に変わった。
稜線が見えるようになると、峰の茶屋までは約半分。だんだんと風が強く当たるようになってきた。
茶臼岳の大きな石が転がった斜面を左側にしながら、緩やかに登っていく。
稜線のすぐ下に20mほどの雪渓が残っているが、しっかりと踏み跡が付いているので滑り止めは必要ない。

那須岳主峰の茶臼岳へ

峠の茶屋から30分。
稜線上の峰の茶屋に到着した。
朝日岳と茶臼岳の分岐点になり、この周辺がもっとも風が強く当たる。

左側に聳える茶臼岳へ。勾配はキツくはなく、大きな石のガレ場は浮き石も無く歩きやすい。
目の前にはガスが吹き上げているのが見え、火山の雰囲気をいっぱいに感じながら登っていく。

風の強い斜面を登り切ると、いったん勾配は緩んで東側へと巻いていく。
眼下に那須の街を見下ろしながら、山頂へ向けて登る。
大きな熔岩のような石も多く立ち並び、その脇を通っていく。
振り返ると赤茶けた朝日岳と、その背後に並ぶ那須岳の峰々。
峠の茶屋から15分ほどでロープウェイからのルートと合流した。

合流地点からは火口を回るように登山道が続き「お鉢巡り」ができるようになっている。
合流地点を右へと進み、風を正面に受け硫黄の香りを嗅ぎながら歩く。
大きな岩とガレ場、吹き上がるガスは火山という雰囲気を醸しているが、火口はそう大きくはなく、すぐに半周して山頂部に到着した。

登山口から50分ほどでの到着だった。
山頂は大きな石が多くガレガレとした状態。
石の上を渡るように山頂部を移動すると、那須嶽神社と書かれた祠と標が建てられていた。
山頂に立ち見渡すと那須高原と、ここから北へと続く那須岳の峰。
雲の流れが速い。

茶臼岳から朝日岳へ

いったん茶臼岳を下りて峰の茶屋へ来た道を引き返す。
15分ほどで分岐点まで戻り、先ほど登ってきた地点から朝日岳へと向かって進む。
左側にある尖ったピークを巻き、斜面をトラバースして行く。
ピークの反対側へと出ると朝日岳はすぐ目の前に。
赤い岩肌がますます険しさを感じさせる山容で、ゴツゴツとした岩の窪みに足をかけながら登っていく。

いくつもの岩が積まれてできたようにも見えるが、少し進むととてつもなく大きな岩山を踏んで歩いていると感じる。
鎖のかけられた岩の斜面は、真後ろから強風に吹かれ、背中を押されるようにして登っていく。
大きな岩の斜面を登り切ると、鎖のかけられた狭いルートになり、そこを過ぎると稜線まで一気に急登が続く。

稜線上、朝日岳との分岐点にあたる朝日の肩へ。
峰の茶屋からは20分ほど。
朝日岳へと向かうため登山道を右へ。だんだんと稜線は狭く変わって、つい先ほど登った茶臼岳の全体を見渡すことができる。

峰の茶屋から25分。朝日岳へ到着した。
標高は1866m。山頂部は狭く、高さ20センチも無いほどの小さな鳥居が置かれていた。
茶臼岳にいた時間帯よりも若干天候も好転し、茶臼岳の向こうには雲の切れ間や青空も見える。
休憩も早々に朝日岳からさらに北側の三本槍岳へ進む。

朝日岳から三本槍岳へ

朝日岳から朝日の肩へ標高を下げ、分岐点から南へと進む。
目の前に見えるピークへ向けて、いったん下げた高度を再び上げて熊見曽尾根、1900m峰へと過ぎていく。

眼下には清水平の湿地帯が広がり、その向こうに丸い三本槍岳。茶臼岳も遠く見える。
1900m峰を下りると清水平の木道が続く。
うっすらと水の張った湿地帯を渡るように歩くのは気持ちが良い。
その木道もすぐに終わり、笹とハイマツの中を縫うように緩やかな斜面を登っていく。
足元は水気を含んだ泥で、滑りやすく、ところどころに水たまりもある。
目の前に見える丸い丘に向かってゆっくりと登り、中ほどで西へと折れて登山道は下っていく。

足元の水気はますます増えて、足を踏み入れたくないような泥の箇所も。
周りには笹が多くなった。

三本槍岳の直下からは高い段差の登り坂に変わる。
一気に高度を上げて登っていくが、木段が整備されているとこもあり歩きやすい。

朝日岳から50分ほど、三本槍岳に到着した。

茶臼岳から朝日岳、三本槍岳へと歩き、登山口からは2時間27分だった。
朝日岳からは峰の影になり、ハイマツに囲まれて歩いていたため、風の影響も少なかったが、三本槍岳の山頂部は風を避ける物もなく強く風が吹いていた。
雲に覆われた景色のため眺望は悪いものの、晴れていれば安達太良山や飯豊山などの東北の山が見渡せる。
振り返れば茶臼岳と朝日岳。ここまで歩いてきた距離が思われる。

那須岳からの下山

三本槍岳から登ってきたルートを引き返して峠の茶屋へ。
湿地帯の木道を過ぎると1900峰へと登り返す。

いったん下りたところからの登り返しの急登は足にキツく、登り切ったところでは風が強く吹き付けてきた。
清水平の土の足元は岩のガレ場に変わり、登りでは背中を押されるようだった風は、正面に受けるようにして下りていく。
朝日の肩を下りたところにある狭いトラバースは、急な吹き付けで体勢を崩さないように。
岩の急な鎖場は吹き上げてくる強風に体を起こされながらの下り坂になった。

峰の茶屋付近が最も風が強く、体を持っていかれそうなほど。
耐風姿勢を取って風をやり過ごし、避難小屋の影でひと息付いた。

稜線からは風も弱まるものの、下りながら背中を押されるように吹き付けるので注意。
三本槍岳から風に耐えながらの下りはペースも速く、ガレ場に転倒しないように注意が必要だった。

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使った登山道具

下山後に立ち寄った温泉

(閉店)那須大丸ガーデン

30台以上が駐車できる大丸駐車場の前にある施設。外観は土産物屋のようで、看板に日帰り温泉と休憩の文字が見える。硫黄の香りが漂う温泉は源泉掛け流し。内湯と露天風呂があり、温度の調節も可能。

土産物屋にしか見えないので、入るのには少し勇気がいりました。店内のレジで温泉に入る旨を伝えると案内してもらえます。大型の看板犬が2匹出迎えてくれますが、どこまでも懐いてくるので、脱衣所にも顔を出します。硫黄の香りは程良く、雰囲気からも温まるように感じました。しっかり温まると硫黄の香りが体に染みつくようで、いつまでも香ります。露天風呂はまるで民家の裏庭のような雰囲気で、目の前にコンクリートの壁がありますが、外の冷たい空気にさらされて適温になった温泉は気持ちが良かったです。

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