千曲川源流を登る周回ルート

甲武信ヶ岳

2475m

千曲川源流コース 2013年5月4日

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甲武信ヶ岳は甲州・武州・信州の3つの国にまたがっている山。
その文字が表すとおり、甲武信ヶ岳という名が付いたという説が有名で、他に「山の形が拳に似てるから」という説もある。
実際、どの角度から見るのが似てるのか分からないがそうなのだろう。
国内最長の信濃川は、長野県を流れるうちは千曲川と呼ぶ。
この千曲川の源流が川上村にあり、甲武信ヶ岳へ通じる登山道に湧き出ている。
甲武信ヶ岳の山麓から始まって、日本海へ流れ出るまで240kmあまり。
やはり登るからには目にしておきたい。

源流コースから登る甲武信ヶ岳は源流まで千曲川に沿って登っていく。
日本一の長さを誇る千曲川が細い沢のような流れのところから見て歩くのは感慨深い。

朝から良く晴れた天候で、樹林帯の中を多く歩くルートは木漏れ日が気持ち良い。
残雪のある季節にも関わらず陽射しは温かく、風はほどよく涼しい。
尾根に出ると富士山が見え眺望が素晴らしかった。

歩いたコース

登り
千曲川源流
下り
十文字峠
最高標高
2475m
登山口標高
1465m
距離
16.35km
累積標高
1518m
1505m
平均斜度
10.5度
時季
2013年5月
天気
晴れ
日程
日帰り
歩いた時間
登り2:50/下り3:25/合計5:15
平均した歩行速度
3.27km/h

この日のペース

  1. 毛木平 駐車場
  2. ナメ滝(1:00)
  3. 千曲川源流(2:00)
  4. 甲武信ヶ岳山頂(2:50)
  5. 三宝山
  6. 大山
  7. 十文字峠
  8. 毛木平 駐車場(5:15)

Amazonや書店で買える地図

山と高原地図 金峰山・甲武信
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毛木平から山頂へは高低差1000mもありますが、源流コースは日帰りが十分に可能なルートでした。
十文字峠を通る場合は、甲武信小屋か十文字小屋での宿泊がオススメ。起伏が激しく眺めも良いので楽しめるルートですが、それに伴って体力も必要だと思います。
源流コースであれば、ほぼ緩やかな道が続き、最後近くになって一気に登るようなコースになるので、体力の消耗も抑えられそうです。
長いルートなので十分に余裕を持った計画を立ててから行かれるのがオススメです。

持って行った水の量

千曲川源流から甲武信ヶ岳登山、十文字峠へ

ルートは毛木平をスタートし、千曲川源流を遡り甲武信ヶ岳山頂へ登り、十文字峠から再び毛木平へ戻る。
およそ17kmの日帰りルート。

甲武信ヶ岳への登山道は川上村の毛木平から。
山頂を経由して十文字峠から下りてくる予定。
距離は15kmから17kmほどになるため、時間に余裕を持って出発したい。 佐久甲州街道から県道68号線を南下し、川上村村内を抜けて梓山地区を過ぎて毛木平へ。

朝焼けに染まる八ヶ岳を右手に見ながら、朝5時半くらいにスタート地点の川上村梓山にある毛木平駐車場に到着した。
ゴールデンウィークということもあって車が多い。
トイレも無料のものが設置してあり、朝早く出発する人はここで車中泊や仮眠をしている。

そわそわと準備をして、忘れ物があるのか無いのかもよく分からないような感じで、ザックを何度も何度も探って本当に登れるのか??と不安になりながら、たぶん忘れ物は無いから大丈夫という結論に達した。

甲武信ヶ岳登山

本当に大丈夫なんだろうか

登山道のゲートを潜り、3分ほどで十文字峠との分岐点に到着。
下山はここに出る予定。
千曲川源流へと続く右のルートを進む。
秋に散った落葉松の葉が溶け出してフカフカとしているのが気持ちが良い。 道幅も広く、ところどころコンクリートも残っている。
ルートの左側にはずっと川が流れているので、その水音を聞きながら進む。
この流れがやがて源流へと続く。

千曲川の源流を目指す

甲武信ヶ岳登山

良い天気で良かった

1時間ほど歩くとナメ滝に到着。
岩盤をなめるように水が流れている。
水の透明度が高く透き通るよう。
あまり流れに近づくこともできないので登山道から眺めて先へ進む。

ナメ滝の付近は、標高も1800mを越えて駐車場より気温も下がってくる。
ところどころに雪や氷が見えるようになり、ルートにも固く締まった雪が積もっている。
とはいえ、陽当たりの良いところでは大きな石がゴツゴツと露出しているのでアイゼンを履いても歩きづらい。

ナメ滝から30分ほど。
前方に甲武信ヶ岳が見えるという看板が取り付けられていた。
木が茂っているので看板の通りに甲武信ヶ岳は見えない。

甲武信ヶ岳登山

どれが甲武信ヶ岳なんだ・・・

ルートの横を流れていた千曲川は一層細くなってくる。
川に掛けられた橋を何度か渡る。

千曲川源流から甲武信ヶ岳へ

毛木平から2時間ほどで源流に到着。
大きな標が建てられているものの、残念ながら雪に埋まっていたため源流を確認できなかった。
ここまでが往路のうち8割ほど。平坦に近い緩やかな登り坂だった。
山頂までは残り2キロ足らず。

甲武信ヶ岳登山

源流を見に来たのに雪の下でどうでも良くなった

源流を過ぎた先のルートは傾斜を直登。
雪が積もっているからこそのルートなのだろうけれど、もともとが急な勾配の斜面なので直登は堪える。
特別、難しいところの無い源流コースでは、この斜面が一番の難所。

急な斜面を約15分ほどで一気に登り切り、分岐点に到達した。
右へは金峰山へと続く国師岳方面。
これとは反対の左が甲武信ヶ岳になる。
尾根に出たおかげで、八ヶ岳が大きく見え、金峰山や八ヶ岳の奥には南アルプス、遠くには浅間山も見える。

木々に囲まれたルートに少しだけ隙間があったので、それまで視界の無かった南側を眺めてみると、近くに富士山が大きく見える。
登山道の先には山頂も近く見える。

甲武信ヶ岳登山

そうか。富士山が近いんだ。

残り5分ほど、それまでの木に囲まれた道から岩場に変わり、景色を遮るものが何も無くなった。
おかげで風当たりが強くなり、陽を浴びる以上に体温が奪われる。

毛木平のスタートから2時間50分で山頂に到着。
2つの標とベンチが置かれているのみで狭くユックリと休めそうな場所もない。

甲武信ヶ岳登山

写真を撮る人のジャマになる場所だし。

眺めの良い甲武信ヶ岳山頂

甲武信ヶ岳からは百名山のうち43座が見えると言われるほど眺めが良い。
富士山を始めとして、秩父の山々、アルプスが一望できる。
山頂をクルクルと回って景色を堪能して、早々に移動することにした。
風がなかった気持ちが良いのだろうと思いながら、今回はユックリするには寒すぎる。

山頂の南側直下には甲武信小屋があり、山梨側へと通じる登山道になっている。
バッジを買うため、いったん山梨側の甲武信小屋へ下りた。
10分ほどの下り坂には厚い氷が張っている。
甲武信小屋は、山小屋らしく質素な雰囲気だった。
縦走をしながら、ここでゆっくりと過ごすのも楽しいだろう。

下りの登山道は十文字峠へ

甲武信小屋から山頂へと戻り、チラッと景色を眺めたあと十文字峠へ。

スタート地点の毛木平へと続く十文字峠へと下りていく。
こちらは三宝山や大山を経由して進む10キロ近いルートで、所要時間は約4時間ほどの時間。
いくつかのピークを経由するのでアップダウンが激しく、岩場が何カ所かあり、源流コースとは違って体力が必要なコースだった。
三宝山から下り、大山に近づくにつれ足元は氷と岩の繰り返しになり、登っては降りるというアップダウンも繰り返す。
なかなか楽にならないなというのがこのルートの印象だった。

確実に標高を下げているのだろうという中で登りも多く、あまり下ってきた気にならない。
それよりも、氷と岩が頻繁に入れ替わるためにアイゼンを外すタイミングが掴めない。
気にせず歩く人を見ながら、やはりガリガリと音を立てて歩くのは気持ちが悪く雪の無いところでは外したい。
アイゼンを持っていないがために、氷のところで派手に転んでいる人も見かけたけれど。

下り始めて50分ほどで尻岩という大きな岩に出た。

甲武信ヶ岳登山

この時点でけっこう太ももプルプル状態。

大山へ登るため、ここからさらに登り坂。
大山は岩の塊のようなところでとても眺めが良い。
十文字峠の小屋まではここからさらに1時間半。
ずっと同じようなルートが続き、下りては登り、氷とガリガリの岩。

途中の十文字峠までは3時間のアップダウンを繰り返して400mだけ標高を下げる。

甲武信ヶ岳登山

十文字小屋に入ると皆さんが焼きそばを食べていて、一斉に注目を浴びてしまった。

甲武信ヶ岳登山

あいさつをして「バッジをください」と言うと、「こぶし?」と聞かれたので、「行ってきたよ」という意味で「こぶし」と答えると、「こぶしのバッジは無いよ」と言われ、続けて「十文字ならある」と。

十文字小屋を過ぎるとアイゼンの必要も無くなり、落葉松の落ち葉が積もったフカフカの登山道。
その後1時間で600mを一度に下る。

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使った登山道具

お世話になった山小屋

十文字小屋

十文字峠にあり、標高2035mに位置する。川上村毛木平から甲武信ヶ岳へのルートにあたり、三国峠へも続いている。小屋の敷地内にはシャクナゲが群生しているので、季節には花を楽しむことができる。

毛木平からは3時間余り。甲武信ヶ岳からも3時間余りと長い長いルートの中にあってホッとします。玄関ドアは重くキツイですが、薄暗い屋内はとても落ち着きます。
甲武信ヶ岳へと続くルート内にありますが、バッジは十文字峠のものでした。

甲武信小屋

甲武信ヶ岳の山頂直下、山梨側にある小屋。長野から登ってきた場合には、山頂を経由して10分ほどで到着する。
甲武信ヶ岳のバッジはこちらで購入可能。

素朴でいかにも山小屋的な落ち着く佇まいが魅力的な小屋です。
徳ちゃん新道というルートは、小屋番の徳さんから来たのか?と思います。山頂直下なので、きっと日の出は大きな富士山と一緒に楽しめるのだと思います。

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