夏山登山道で登る
大山への登山道は主に2つ。
登山可能な最高地点の弥山へと通じる夏山登山コースと、山頂稜線の天狗ヶ峰へと通じるユートピアコーストがある。
いづれも鳥取県大山町からの登山道で、夏季は山頂へと登ることができないため、今回は夏山登山道から1709mの弥山へと登っていく。
米子自動車道を溝口ICで降り、大山へ向かって東へ。
長い登り坂が続き、国道158号線から大神山神社方面へと向かう。
登山口付近には広い駐車場があり、登山口の最寄り停められなかった場合でも付近には駐車場が用意されている。
夏山登山道の登山口近くには駐車場があり、最寄りは下山駐車場。
もう一方の南光河原駐車場は南光河原から登山道へと接続することができる。
南光河原駐車場から川に沿って20mほど登る。
ベンチや机が置かれた川の肩を歩き、右へと折れると歩きやすい登山道が続いている。
石段を登ると整備された道と交叉するように夏山登山道へと出た。
ここから延々と階段を登って大山山頂へと登山道は続いていく。
合流地点から登山道を見上げると、広く長く続く階段。
ひとつひとつの段差に歩幅を合わせながら登っていく。
5分とかからないうちに大山寺の本堂へと続く分岐や、阿弥陀堂が見える。周辺には参拝も兼ねた観光客もチラホラと見える。
10分ほどで一合目に到着した。
一合目を過ぎても階段は続いていく。
丸太を並べて作られた階段は、斜面の角度に合わせて幅が変わっており、場所によっては足の半分ほどということもあれば、2歩ほどの幅ということもあった。
100m置きに標識が建てられ、それを追うようにして階段を登り標高を高めていく。
分かりやすい目安があるので、時計を見ながらペースも掴みやすい。
樹林帯の中での階段に、とくに代わり映えの無い登山道が続いているように感じていたところ、標高1100mを越えた辺りからか、振り返ると日本海が見えるようになった。
生い茂る樹木の間から見える海岸線。高さを求めて登っている最中に見下ろす海も新鮮。
だんだんと角度の変わっていくこの景色を眺めながら、大山の稜線へと近づいて行く。
大山の山頂へと階段が続く
登山口から30分ほどで四合目を通過してさらに階段を登っていく。
標高はすぐに1200mを越え、樹木の隙間から見上げると稜線が見える。
南側を登るこの登山道に対して北側を登るユートピアコースの方向と思われた。
振り返ると相変わらずの日本海が真っ白に見下ろせる。
五合目を過ぎるとすぐに行者登山口との分岐に出た。
大神山神社からの登山道で、こちらから登る登山者も多い。
相変わらずの階段は続くが、石が増えてきた印象もあり、そう思えば樹木も若干低くなったようにも思える。
大山六合目の避難小屋
六合目の到着は登山口から1時間40分ほどだった。
ここでは景色が開けていることや避難小屋が建っていることもあり、たくさんの登山者が腰を下ろして休んでいる。
これから目指す弥山や、大山の稜線を見渡すこともでき、海岸線もキレイに見える。
ここから先を見上げると大きな木は見当たらず、徐々に風が強く当たりそうな尾根ルートになっていく。
六合目から七合目はすぐで10分ほど。
砂利のような足元に階段が作られ、石を針金でまとめて階段を作っているところも見られた。
岩場らしい岩場はこの付近で、1500mを越えた辺りが最も岩の露出した登山道に感じられた。
周囲が背の低い木に変わるのはあっという間で、登るほどに麓の街が低くなり、曇り空の下で海と空との境目も真っ白に見える。
六合目から20分ほど、稜線の木道に出た。
樹木を踏みつけたり山体を傷めないようにと設置された木道は、地面より少し高くて稜線歩きには不安定な印象がした。
木道自体が揺れ動くわけではないのだけれど、地面を踏んでいないことが空気の上にいるような感じだった。
木道を渡りきったところは標高1600m。
ちょうどイワカガミが良い時季で、一面にピンク色の小さな花が咲いている。
それを横目に見ながら、ふたたび木道へと入っていく。
ココまでくると目の前には丸い弥山の山頂が近く見える。
幅1mほどの木道を歩きながら、間近に見える弥山へ。
大山最高地点の弥山
登山口から1時間34分。
弥山に建てられた石碑の前に到着した。
ここからは大山の稜線の眺めも、見渡す周囲の景色も良かった。
標高は1700mあまりとはいえ、遮るもののない弥山は、日本海から当たる風も強く、体感温度は低く感じられる。
ちょうど広く階段が作られているため休みやすい反面、風にはあまり当たりたくないといった印象だった。
すぐ近くには有人避難小屋もあるため、そこでは休憩はもちろんのこと軽い食事を取ることも可能。
あいにくの曇り空でも、大山から眺める景色は素晴らしく良かった。
夏山登山コースを下山
下山は登りと同じルートをピストンで。
階段が延々と続くため、爪先を引っかけての転倒には要注意。
登ってくる人も多いため、擦れ違いや道の譲り合いなどが頻繁にあった。
距離は長くは無いので、勾配に気をつけていれば比較的早く到着する印象だった。