岩菅山と裏岩菅山の縦走
東館山、一の瀬とスキー場の間を縫うようにして岩菅山へ。
登山口周辺からは500mあまりの標高差ということもあり、見上げる岩菅山は近い。
その稜線を北へと視界を移していくと裏岩菅山の大きく平らな山頂部も分かる。
志賀高原の蓮池から発哺温泉、一の瀬方面へと進む。
高天ヶ原を過ぎて一の瀬から細い林道を登山口方面へと進み、道路の脇にある駐車スペースに車を停める。
6月は山菜採りのため、停められる場所が限られるばかりか、路上駐車や歩行者が多く見られる。
山菜採りの車に混じって空いたスペースに車を停め、聖平の上から岩菅山へと向かって登山道へと入っていく。
登山口からの登りは階段が整備され、広く歩きやすい登山道が続く。
5分ほど登ったところで分岐になり、沢を右にして平坦な道が続く。
とても綺麗な沢の流れを見ながらの登山道は気持ちが良く、長く平坦に続くところが森林浴でもしているかのような気分で進んでいける。
20分ほど歩いたところでアライタ沢に着いた。
浅く薄い水の流れがあり、3mほどの沢には幅が狭くなったところに橋が掛けられている。
アライタ沢を過ぎると急登に。
平坦だった登山道は階段が続くようになり残雪も見える。
急な階段を登り、平らな土の道に変わり、また登るといった状態を繰り返しながら徐々に高度を上げていく。
周辺には背よりも高い笹が生い茂り、風が吹く度にカサカサと音を立てるのが、まるでその中に動物が潜んでいるような気分にもなる。
登山口から40分ほど登ると、左側に岩菅山が高く見えてくる。
さらに5分ほど進むと地面に「中間点」と書かれた看板が置かれ、山頂まで70分と書いてある。
この周辺だけ木が少なく青空が広がり、岩菅山への眺めも良い。
木々の中に戻って登っていく間も岩菅山が見えたまま、徐々に山頂が視界の高さに合ってくるようだった。
一の瀬からの合流地点のノッキリには1時間10分ほどで到着。
左へ進めば山頂で右は一の瀬という分岐点で、一の瀬方面には厚い残雪が見えた。
ノッキリから見える岩菅山は高く険しい。
見渡しの良い笹原に岩の急な斜面が続いているのが見える。
左側は木の茂った樹林帯、右側は疎らになった木を埋めるように一面の笹。
おかげでとても眺めがよく、赤石山や大高山といった県境に聳える山が見える。
岩菅山山頂への傾斜は徐々にキツくなり、足元の段差や石も大きくなる。
振り返ると北アルプスへの眺めが良く、槍ヶ岳などの北アルプス南部の山が小さく見え、後立山の山並みの手前には高妻山や妙高山が大きく見えた。
段差の大きな箇所に掛けられたハシゴを登り、山頂手前でハイマツと笹のトンネルを潜ると山頂はすぐ近くに見える。
岩菅山山頂
岩菅山には登山口から1時間30分と掛からずに到着した。
広い山頂部には石碑や祠が建ち、北側には避難小屋が建っている。
良く晴れた天候のおかげで人も多い。
山頂を過ぎて北側へと続く尾根を見ると、細かく登り下りを繰り返しながら登山道が続いている。
その先には苗場山や佐武流山。
新潟側には雲海が広がっている。
裏岩菅山への縦走路
岩菅山から急な下り坂を進んで裏岩菅山へ。
右手側には笹原が広がる。
先に見える一際高いピークへ登山道が続き、行く先を見ながらの縦走路は楽しい。
ところどころに雪が残り、柔らかくなった雪面と雪解けでぬかるむ登山道を踏みしめながら登っていく。
岩菅山から20分ほどのところで急登に差し掛かり、登り切ると緩やかで広いピークに出た。
左側には焼額山。
先にはまだ登山道が続いている。
緩やかに登りながら進むと平坦に続く登山道の先に小高く盛り上がった山頂が見えた。
残雪と笹に囲まれた登山道を進み、裏岩菅山の山頂に到着した。
裏岩菅山山頂
岩菅山からは30分ほど、登山口から1時間58分での到着だった。
裏岩菅山からは遮るものが無く周囲を見渡すことができ、秋山郷の切明まで続く尾根道が見えた。
尾根上には烏帽子山、その向こうには雪の残る苗場山。
東側へと目を移すと鳥甲山。
雲海が広がる中に妙高山が浮かび、戸隠連峰や北アルプスが並ぶ。
西側には佐武流山から白砂山。
うっすらと榛名山が見え、雲のかかった浅間山や四阿山が見えた。
切明への登山道を眺めていると、この先の尾根を歩いていきたくなる気持ちに駆られる。
下山路
裏岩菅山からは聖平の上へとピストンで戻る。
岩菅山へと続く笹の尾根道は、登りよりも下りの方が見渡しが良く気持ちが良い。
ほどよく風が吹くと、背の低い笹が揺れる。
緩やかな下りと登り返しを繰り返しながら岩菅山へと戻り、岩菅山からは急な岩場を下ってノッキリへ。
ノッキリからは聖平の上へと分岐を進み、登山口へと戻った。