二度上峠から登る鼻曲山
北軽井沢から群馬県倉渕町方面へ向かう県道54号線。
国道146号線からセーブオンのある十字路を入っていく。
別荘地を過ぎ、駒髪山を見上げながら登り坂を折り返しながら車を走らせていくと、徐々に浅間山への眺望が良くなっていく。
最高地点に二度上峠の看板があり、その脇に小高くなっている場所が駐車場で4台ほどの車を停めるスペースがある。
この登山口、分かりづらいけれど浅間山の眺めは最高だった。
すでに浅間山への眺めの良い二度上峠に車を停め、登山の準備を整える。
浅間山を見に行くという目的ならば、すでにここで達成されているのではないかと思えるほどに眺めが良い。
強い風の音を聞きながら防寒を整え、駐車場のすぐ脇にある登山口から鼻曲山へと向かっていく。
雪の残る登山口からすぐは下りから始まり、最初のピークへと登る。
左側は切れ落ちた崖になっており、尾根を伝うように登山道を登っていく。
崖って気が付かなければ気にならないレベルかも。
木も生えているし。
ちょっと獅子岩に登る勇気は無いな。
滑りそう。
ひとつふたつとピークを越えると、特徴的な形をした獅子岩の右側を巻いていく。
獅子岩はその上に登ることができるように登山道が分かれているが、雪で滑りやすく、かつ狭く墜落の危険もあるため、場所だけを見て鼻曲山へと向かう。
葉の落ちた樹林帯からは、ずっと鼻曲山の山頂が見えている。
登り返しと下りを繰り返しながら山頂へと向かっていくと、登山道上の雪も徐々に多くなっていくようで、笹に覆われることも多くなった。
まるで先導するかのように動物の足跡がずっと続き、それを追うようにして進んで行く。
中間地点の氷妻山には約40分。
標識を見ると二度上峠からは1.4km、山頂へは2.1kmと書かれていた。
ここまで結構長かった印象
氷妻山のピークを過ぎると陽当たりが良くなったようで雪の量がグッと減り、足元は針葉樹の落ち葉を踏むようにフカフカとした状態に変わった。
広がっていた笹も減り、登山道が見やすく分かりやすい。
氷妻山からのなだらかな下り坂を5分ほど進んだところで、下り坂の勾配がキツくなり、一気に標高を下げていく。
約100mほどの下り坂で、急な勾配が終わったところが最低地点。
そこから緩やかに登り返しが始まる。
一気に下った。
ということは、帰りは一気に登るということか。
また多くなった笹の間を縫うようにして、木々の間から見える山頂へと進んでいく。
遠く見えていた鼻曲山も氷妻山を過ぎると間近に見え、鞍部へと下りるとその高低差が高く見えた。
遠いというのか、高いというのか。。。
実際、距離はそんなに無いのだけど。
緩やかだった登り坂は徐々に急な勾配に変わりピークをひとつ越えた。
目の前に高く見える鼻曲山の山頂部。
一番低いところまで下りると登山道は山の影に入ったために太陽が当たらずに雪が深くなり、斜面でもあるせいか強く風が当たる。
それまで穏やかに歩いてきた登山道からの変化が大きく、防寒を改めながら、滑りやすくなった斜面を登っていく。
リボンは付いているものの雪に覆われているために正しいルートは分からず、登山道らしい場所に目星を付けながら進む。
一気に標高を上げていくような登り坂で、振り返ると歩いてきた登山道は低く見え、氷妻山も低い場所に見えた。
時間にして約20分ほどの登り坂は、歩きづらさと風の冷たさで長く感じ、ようやくなだらかな勾配に変わって、また笹が深くなったときには安心感があった。
ここが結構寒くて。
日影を舐めていたなと後悔した。
雪と笹の登り坂から稜線はすぐで、国境平との合流地点に出ると、山頂ほぼ視線と同じ高さに見えた。
稜線で太陽が当たるせいか風も穏やかに感じ、冷たかった体感温度もかなり回復した。
太陽は偉大だ
鼻曲山の象徴といえるふたつの山頂のうちのひとつ、小天狗は合流地点からすぐ。
長日向との合流地点でもあり、とても見晴らしが良い。
二度上峠からは1時間29分での小天狗到着だった。
小天狗からは軽井沢北側の険しい山々が見渡せ、遠く八ヶ岳や南アルプス、その奥に富士山の山頂部も見えた。
鼻曲山からの景色で期待していた浅間山への眺望は、木々が生長したせいか枝に覆われるところもあり、全てが見渡せるほどではなかった。
なんかちょっと思っていた眺望と違う
小天狗から山頂部の大天狗はすぐ。
5分と掛からないほどの距離で、いったん小天狗を下りて登り返す。
登山口からは1時間33分での鼻曲山山頂への到着だった。
霧積温泉の合流地点が間近にあり、木々が茂っているため小天狗ほどの眺望は無く、岩壁の真上にあたる先端に立つと高崎の街が遠く見渡せる。
小天狗での眺めを見ているためか、山頂部で景色を楽しむというよりは、ここを踏んでから小天狗へと戻った方が楽しめるという印象だった。
正直なところ、こんな感じかなと思った。
下山
山頂で周辺の景色を見渡し小天狗へと戻る。
強い風は相変わらずで、陽の光で温かさはあるものの落ち着いているほどの温度でもなく、早々に下山を始めた。
登りと同じ二度上峠へのピストンで、日影になって登るのに苦労をした急斜面はまるで滑り下りるかのように一気に過ぎ、鞍部から小ピークへ登り返して振り返るとあっという間に下りてきたような印象だった。
どういうわけか、帰りの方がアップダウンは楽勝な感じだった。
氷妻山へ登り返し二度上峠へと戻る最中で、朝と比べて雪の緩みもあったため獅子岩へと登ってみた。
僅かな距離と高さではあるものの1mも無いほどの幅で、滑って踏み外せば間違いなく命に関わることになる高さのため、安全とはいえない状態だったと感じられた。
獅子岩の真上に立つと視界を遮る物のない状態で浅間隠山を見ることができ、登りの道中ならば景色も楽しめるだろうと感じた。
獅子岩乗ったけど。
恐る恐る登るような状況なら、別に登ってみなくても良いかなと思う。