位ヶ原から残雪の乗鞍岳へ
松本市街から休暇村乗鞍高原へ、国道158号線を沢渡手前で左へと進む。
梓湖を渡って道なりに乗鞍高原へ。
夏は高原の雰囲気を楽しむ観光客が多く訪れる乗鞍岳も、スカイラインの開通前はスキー客が多く訪れる。
森林限界に達した広い山肌は、障害物の無い絶好のオープンバーンのようで、平日・休日関わらず、麓の観光センターには人が集まっている。
休暇村には駐車場が広く設けられているため、そこで車を停めて春山バスに乗り込む。
残雪期の乗鞍岳春山バス
冬季閉鎖中の乗鞍スカイラインは4月末から運行開始。
位ヶ原へ向かうには乗鞍観光センターからバスに乗る。
約30分ほどバスに揺られると位ヶ原山荘に到着。
ここから歩いて山頂を目指す。
スカイラインを少しだけ歩いて雪の上へ。
高く積もっている雪もこの時季は解けてシャリシャリとした状態になっている。
雪の上に乗るといきなりの急登が始まる。
溶けかけた雪は滑りやすく足を取られやすい。
スキー目的の人が多いので、スキーを担ぎ、アイゼンを履いて登っていく。
最初の急登を登り切ると森林限界に到達したようで背の高い木が少なくなった。振り返ると穂高岳連峰と槍ヶ岳が近くに大きく見える。
振り返って穂高岳を眺めつつ、いったん緩くなった斜面を登りつつ先に見える乗鞍岳を目指す。
左側には除雪が終わったスカイラインのアスファルトが見える。
雪の多い所では10m以上も積もり、高い壁のようになっている。
スカイラインの周辺は立ち入り禁止なので、雪の壁を見る場合は途中から道路沿いに歩いていく。
スカイラインを横断し、避難小屋を越えたところで東側へルートを変えた。
夏のルートは肩ノ小屋から北側の斜面を登るところを、雪のある時季は自由に歩くことができるため、東側の斜面から山頂への直登をする。
山頂への直登は勾配が急で足元に気をつけないと滑り落ちていきそうなほど。
振り返ればスカイラインは真下に見え、周辺の山々への眺望も良い。
遠く浅間山や八ヶ岳、南アルプスなどへの眺めも良い。
ただ真っ直ぐにひたすら雪の勾配を登り続ける。
乗鞍岳山頂
位ヶ原から登り続けること約2時間20分。
急登を登り切り山頂に到着した。
山頂には乗鞍神社が建てられ、雪から守るようにシャッターが閉められていた。
南側に御嶽山、西側に白山、北側には北アルプスの山々が見える。
東側は八ヶ岳や浅間山が連なっている。火山湖は雪が積もり表面は真っ白になっていた。
山頂まで登ったスキーヤーは、ここからそれぞれのスタート地点に向かって斜面を滑り下りていった。