霧ヶ峰を一望する鷲ヶ峰
霧ヶ峰の西端に位置する鷲ヶ峰。
北側には谷を挟んで鉢伏山、南側には眼下に八島湿原が広がり、その先には車山が見える。
八島湿原は歩道が整備されていることもあり、訪れるひとは多い。
観光バスやたくさんの車が並ぶ駐車場に入ると、すぐ間近に鷲ヶ峰と登る登山道が見える。
駐車場で準備を整え、まずは登山口のある八島湿原へ。
道路の下に作られた通路を潜って鷲ヶ峰への登山開始。
八島湿原を一望する高台に出ると、鷲ヶ峰を指す案内が建っていた。
案内に従って進むと、レンゲツツジが視界を覆う。
登山道の両側は緑一面だと思い込んでいたところで、唐突に真っ赤な花の塊が現れて面食らった。
鷲ヶ峰へ来ることとノビタキを見ることばかりを考えてきただけに、レンゲツツジがちょうど良い時季だとは思いもしなかった。
右手側を見るとレンゲツツジ越しに八島湿原を一望し、その先には車山の観測所が見える。
数分歩いたところで、鷲ヶ峰への分岐に着いた。
まっすぐに進むと八島湿原の木道に出る。
鷲ヶ峰の方向へ向かうと、レンゲツツジが登山道に迫り出していた。
レンゲツツジの回廊みたいな感じ
濃い緑の中に、真っ赤な花が映える。
周囲をチラチラと見ながら、3・4分で柵の前に着いた。
八島湿原を囲む防護柵で、この先に鷲ヶ峰が見える。
間近に見える坂道を登ると、山頂への小さなアップダウンを繰り返す好展望の登山道が待っている。
八島湿原から7分
WashiON 共立継器のCMで見かける山が間近に・・・
防護柵を明けて、いよいよ鷲ヶ峰への取り付きへ。
数え切れないほどテレビで見ていた鷲ヶ峰。
霧ヶ峰らしく草木が少なく、背中に太陽を浴びて暑い。
この斜面があの会社とどう関係しているのだろう?と何度思ったことか。。。
斜面の右側は木々が茂り、左側は草の斜面。
眼下には諏訪湖と岡谷が見える。
間近にビーナスラインがあるため、排気量の大きなバイクの音がそれなりの存在感で聞こえる。
ホオジロが鳴く声を聞きながら、斜面を登っていく。
斜面の上部に見えていた木々が迫ったところで、登ってきた方を振り返って見る。
すると八島湿原が低く見え、車山から山彦山、男女倉山と、霧ヶ峰の峰々が並んで見えた。
さらに先には蓼科山と八ヶ岳の影が見える。
上部に見えていた木々も厚い森になっているわけではなく、まばらで背の低い木々が並ぶ。
足元は段差が高いうえに滑りやすい砂礫で、歩きやすい霧ヶ峰のイメージとは違って本格的な登山を感じるような雰囲気。
登りの角度がキツいため振り返れば眺望が良い。
八島湿原から20分
斜面を登り終えると細くなだらかな登山道に変わった。
木々を抜けると山頂へ続く稜線が見えた。
八島湿原からは約20分ほど。
左側に見えていた岡谷の街並みは、諏訪湖もはっきりと分かるほどに眺望が開けていた。
ここからは眺めの良い稜線歩きが続く。
山頂の手前にあるピークへ向かって緩やかに登っていく。
稜線に出て5分
山頂の手前にあるピークは、八島湿原から25分ほど、5分ほど稜線を歩いて到着した。
ここを山頂としても良いと思えるほどに眺めが良い。
八島湿原と車山への眺めは登山道上で何度も見ているが、この場所から違う角度で見る。
霧ヶ峰は広いなと思う
鷲ヶ峰の山頂は、まだ稜線を歩いた先。
まばらに生えている木々と、草原のような山肌は見るからに気持ちが良い。
まずはピークを下りて登り返す。
振り返ると、ついさっきまで立っていたピークの存在感が強い。
あのピークになんかしらの名前が欲しい
少し進んでは振り返ってピークを見ることを繰り返した。
霧ヶ峰の中でも気に入った場所のひとつになりそうだった。
尾根の肩を歩くような登山道が続いていく。
周囲の山々を見下ろしながら歩くような眺望の良い登山道が続く。
ウグイスの声が大きく、じっと待っていれば姿を見せてくれるのではないかと思えた。
鷲ヶ峰 山頂
登山開始から32分
八島湿原の駐車場を出て32分ほど鷲ヶ峰の山頂に着いた。
この先は和田峠へと続き、一気に標高下げていく登山道が見え、同じように背の高い樹木のない茶臼山、遠くに美ヶ原の王ヶ頭が見えた。
南側に見える景色は、ここまでの登山道と変わって八島湿原や車山よりも蓼科山が大きく見えた。
西側には眼下にビーナスライン、岡谷と諏訪湖。
賑やかな車山とは違って、同じ霧ヶ峰でありながらも静かに景色が楽しめる山頂部だった。
鷲ヶ峰は良かった
下山
鷲ヶ峰で景色を楽しんだあと、登ってきた登山道を折り返して八島湿原へ戻る。
ウグイスの鳴く稜線で、目を凝らして鳥の姿を探してみたり存在感のあったピークを眺めてみたりと、短時間にも関わらず楽しめる稜線だった。
ピークを過ぎてから木々の中へ戻り、駐車場を見下ろしながら防護柵に向かって下りていくのは名残惜しさがあった。
ノビタキも見ることができたし。
防護柵から下、八島湿原までの間はレンゲツツジを見ながらの下山だった。
登りでは気が付かなかったところも、見下ろしながら歩くと広く先まで花が見える。
回廊のように感じた花は、さらに多く見えた。
八島湿原の周囲を囲む木道まで下りると、バードウォッチングを楽しんでいるふたり組に出会った。
何を見ているのか聞くとノビタキとのことで、望遠鏡を覗かせてくれた。
これまでに見た鳥の写真や動画まで見せてもらい、思いがけず楽しませてもらった。
下諏訪在住で、頻繁に遊びに来ているらしい
出発時よりも人が増えて、駐車場へ戻る木道は賑やかだった。