高峰高原から前掛山を目指し車坂峠を越え草すべりを下りる
火山灰が盛られたような見るからにジャリジャリの砂地のルートは長く、風も強いんだろうなと思いながら眺めていた前掛山。
標高2,000mの高峰高原の登山口から、まずは車坂峠を目指す。
トーミの頭へと続くこのルートは、スタート地点から北アルプスや八ヶ岳を眺めることができ、富士山への眺望も良い。
6月になり梅雨入りしたとはいえ、とても良い天気で周囲を囲む山並みが素晴らしく楽しい。
高峰高原にいる時点で、期待通りの眺めだった
スタートの高峰高原から約1時間。
車坂峠の最高点近くにあるシェルターに到着。
序盤の休憩ポイントにもちょうど良い。
ここで温まってきた体をに合わせて服装を改めて再スタート。
浅間山をずっと眺めながら歩けるようになって景色が良い
峠を越えると浅間山の全体を眺めることができる。
峠から足元を見下ろすと浅間山荘からの登山道にある火山館、そしてカモシカ平と呼ばれる地点が見える。
この場所はカモシカとの遭遇率が高いところから、そう呼ばれているようなのだけれど、景色を眺めているとやっぱりカモシカ!
こちらを気にしながら岩崖をユックリと下りていった。
カモシカが去って行くのを見送り、トーミの頭への坂道を登る。
100mほどを一気に上がる急な坂道を登り切ると、浅間山と外輪山の全景を眺めることができる。
表コースからのルートを歩く誰もが、ここからの眺めに足を停めしばらく景色に見惚れている。
ここから歩く先を一望して、わりと距離があるなと認識。
トーミの頭は登るのを躊躇うほどの急勾配
これからのルートは、トーミの頭の真下にある草すべり。
1時間半ほどかけて登ってきた高度を30分で駆けるように下りていく。
「草すべり」という名はその通りで、草も滑り落ちていきそうなほどの滑らかで急な斜面。
狭い足元、トーミの頭の岩壁が切り立っている。
その上では景色を楽しむ登山者。
こんな岩の上に立っていると思うと、トーミの頭から長閑な気持ちで眺めていられない。
草すべりを下りきった湯の平まで、蛇行を繰り返し300mの高低差を下りきった。
クネクネした坂
湯の平から浅間山本体へ
湯の平からは浅間山荘からのルートと合流して、浅間山方面へ向かって緩やかな坂道が続く。
トーミの頭から草すべりのような眺めの良いルートから、木に囲まれた緑がいっぱいのルートに変わる。
木に囲まれて気持ちが良い
平坦で緩い登り坂を進み、Jバンドへの分岐を過ぎ、だんだんと廻りの植物も背が低くなってきた。
森林限界の標高ではないにしても、火山灰の土壌は植物が生えにくいようだ。
外輪山の眺めも良くなって、右側にはさらに大きく見える浅間山。
火山のゴツゴツした岩の感じは本当に迫力がある。
ここは日本か??外国の山を知らないけれど。
砂地に変わった足元は、少し滑りやすく、上はキリが無いくらいに高く、踏み外せば下に見えるところまで転がっていきそうなくらいに勾配がきつい。
Jバンドとの分岐点から樹林帯を抜け、斜めに登り続けた1時間、ようやく山頂の見える地点に登ってきた。
この先、浅間山の山頂へは立ち入り禁止。
右側に見える稜線を進んで前掛山へ向かう。
さらに火山感が増して、日常から掛け離れた雰囲気が増す。
振り返れば外輪山の稜線は小さくなり、更に遠くの山並みまで見える。
遠くから眺める東信地域の象徴のような山だけど、登ってみると大変なモノだなと思いつつ、ここまで来たら山頂もすぐそこなハズ。。と思う。
浅間山山頂を横に見ながら前掛山へ
火口は岩や砂で埋まってしまっているようで、白根山のような水が溜まっていたり、煙が出ていたりというような活きている感じは無い。
高い崖は火口がそこまで迫って崩れ落ちたように見える。
シェルターが2つあるけれど、ココまで来て何かあってもこんな建物では役に立たないだろう。
約30分ほど続く狭い稜線。
足元が狭いだけに左右の眺めが良く高度感が強い。
風も強くないので、煽られることもなく楽しみながら歩くことができた。
目の前に見える浅間山。
車が通っていそうな道が見える。
ほんのりと温かな風が頬に感じられた。
車が通っていそうな道は観測用のか??
山頂に建つ標。
ゆるく稜線を歩いてきただけに、登り切った感というよりは到着した安堵感と、最高の眺めの満足感。
障害物も無く下まで落ちていきそうな浅間山の斜面は、滑り落ちたらどれだけのスピードでどこまで下りていくのだろうか。
山頂はあまり広くなく、狭く長細い登山ルートの延長のよう。
火口の端に腰掛けているような印象があった。
山頂で落ち着いてひと休みという雰囲気の場所でもないので、20分ほどの滞在時間で、1時間かけて登ってきた砂地の斜面を30分ほどで下りた。
浅間山の斜面はソリ遊びをしたら、どれだけスピードが出るのだろうか
浅間山外輪山縦走
帰路はJバンドから外輪山の稜線へ。
Jバンドへと向かう湯の平からは、外輪山がどんどんと近づいて大きくなっていく。
ゴツゴツの岩だらけの急登に取り付き、一度下り坂を下りてきた太ももにはキツく、あちこちがプルプルしている。
アップダウンがキツイ
浅間山だけが大きく見える稜線からの眺めは、山の重みを視覚で感じているよう。
急な岩壁のJバンドを30分ほどかけて登り、稜線から嬬恋や浅間への眺望を楽しむ。
浅間山の外輪山は、鋸岳を過ぎて、仙人岳、蛇骨岳を通って樹林帯に入り、黒斑山へと続く。
高峰高原へは中コースを下りた。
トーミの頭からの草すべり。前掛山を登って外輪山の稜線を歩く。
浅間山のフルコースを楽しんだ。
最後の方は口数が減りました・・