錦秋の北アルプス

涸沢カール

2309m

横尾経由 2008年10月11〜13日

初心者向け 涸沢カール山小屋 2泊3日 (10月)|最高の紅葉と穂高岳連峰を見る
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涸沢カールは奥穂高岳をはじめとする3000m級の稜線に囲まれた氷河圏谷。
東側には1000mもの高低差のある大きな屏風岩、それと向き合うように穂高岳の岩壁が涸沢カールを囲っている。
涸沢カールには一年じゅう雪が解けずに残っているところもあり、雪解け水は横尾を流れ下り、梓川となって上高地へ流れている。

穂高岳に囲まれた中で広がる紅葉は日本一といわれるほど、
この鮮やかな紅葉を目当てに、多くの登山者が集まるため、ピーク時の涸沢カールには1000張り以上のテントが広げられる。
紅葉もさることながら、このテント群も季節のものとして見応えがある。
今回は上高地から徳沢、横尾を通って涸沢カールへと向かう行程で、長い距離の中でも明神池や左手に見える屏風岩など見どころも多い。

初めての北アルプス。
日本一の紅葉に釣られて行くことにした。

10月の北アルプスとしては落ち着いた天候で紅葉が進みまだ降雪も無い。
ちょうど体育の日に絡んだ連休ということもあり、非常にたくさんの登山者が涸沢カールに集まる時季で、加えての天候の良さで涸沢ヒュッテなどの涸沢カールの山小屋だけでは無く、穂高岳山荘も満員状態だったという。

いくら一番イイ時季とは初めての山小屋でこの混雑はキツい

上高地へは車での乗り入れができないため、今回は岐阜県平湯にあるアカンダナ駐車場に車を停めた。
駐車場からバスで上高地へと向かう。
2泊3日というゆっくりとした計画だったため、乗ったバスの出発時間は午前9時。
あかんだな駐車場が広いということもあり、慌てずに準備を整え上高地へと向かった。

ゆっくりめの出発だということも分からないまま、ゆっくりめで行く

歩いたコース

登り
横尾
下り
横尾
最高標高
2309m
登山口標高
1500m
距離
33.68km
累積標高
805m
805m
平均斜度
2.4度
時季
2008年10月
天気
初日:雨のち晴れ・2日目:晴れ・3日目:晴れ
日程
2泊3日(山小屋泊)
歩いた時間
合計13時間

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山と高原地図 槍ヶ岳・穂高岳 上高地
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涸沢は僕が遠足ではない「登山」をした最初の場所でした。
いま思えば穂高岳まで行かなかったことが悔やまれるのですが、当時の体力では紅葉を見るという当初目的の通りに判断をして良かったと思います。
登山者も多かったために、背中を追いながら道に迷うことも無くノンビリと安全に歩けたことと、合わせてマナーを少しばかり学ぶことができたと思います。
そして車で行ける場所では見ることのできない風景の魅力を知ることができました。

宿泊した涸沢ヒュッテの公衆電話で、見知らぬ人が「10年に2度しかない紅葉だから!」と何度も話していたのが印象的でした。

上高地から明神池
横尾を通って10月の涸沢へ

スタート地点への上高地へは、平湯のアカンダナ駐車場に車を停めてバスで向かう。
約30分、バスに揺られ雨の降る上高地に到着した。
時季が時季だけに登山者と見られる人たちも多い。
悪天候のために河童橋からの眺めも愉しむことができず、早々に明神池へ向かった。
上高地から明神池への2本。
どちらのルートもキレイに整備されている。

涸沢カール登山

ここがどういうところなのかも分からない

紅葉の涸沢カール

上高地から明神池へと進むルートは、季節折々の景色が見られる場所で、秋の紅葉はもちろんのこと山開きのあとにはカエルの産卵時期になる。
そこかしこに黄色くなったカエルが見られるのも楽しみのひとつで、野生のニホンザルが見られることも多い。

涸沢カール登山

猿も蛙もいっぱいいた

明神池に到着

1時間強で明神池

梓川を右手に見ながら森林の中を歩き、1時間強で明神池に到着。
明神池には安曇野市にある穂高神社の奥宮が祀られている。
拝観料300円がかかるが、池の澄んだ水が風に揺れる景色がとても綺麗な場所でゆっくりと眺めたい。

涸沢カール登山

初日はゆっくりな行程にしたから

池の入口には嘉門次小屋があるので、ここで休憩と簡単な食事をとって再出発。
左手に明神岳を眺め、横尾を目指して歩く。

涸沢カール登山

おでんとか岩魚とか。
でも初めてだしどうしていいか分からない。
街にいるのと同じように注文すれば良いだけなのだけど。

とくに急なアップダウンも無く、上高地から100mほど標高が上がり、スタートから3時間ほどで横尾山荘に到着した。

涸沢カール登山

ゆるくて平坦な道だから、どこまで続くのかなと思ったまま着いた

横尾山荘に宿泊

上高地から3時間

初日は上高地から3時間ほどのところにある横尾山荘に宿泊。
ここは入浴が可能で石鹸やシャンプーは禁止でも汗を流すことができる。
夕食は美味しく、涸沢への中継地点にも良い。

涸沢カール登山

お風呂には入れることがありがたいのだけど、そのありがたみが分かるのは登山を重ねてから。。。

紅葉の涸沢へ

涸沢カール登山

2日目は早起き

翌2日目の出発は朝6時半頃。
横尾から紅葉を目指して涸沢カールに到着が目標。
行く先には屏風の頭と前穂高岳が大きく見える。
これを左手に眺めながら木々の間を歩くルートになる。

ルートは整備されてわりと緩やか。
屏風岩を経由して裏側に回り込むようなルートで、いつまでも左手に屏風の頭が見える。

涸沢カール登山

黄色の葉っぱが眩しくて、スケール感の大きな景色が見え始めて。
ますますワケが分からない。

横尾から1時間半

横尾から1時間半ほどで本谷橋に到着した。
ここからのルートは勾配がきつくなる。
河原は広いので休んでいる人も多い。
簡単な休憩の後、狭くなったルートを上る。
どんどんと前方に大きく見えてくる穂高岳、その下に小さな小屋が視界に入り、そこまでの道のりが遠いような印象を持ちながらも目標物が見えたことを励みにしつつ歩みを進める。

涸沢カール登山

とにかく小さく見える小屋が、すっごく遠く見えてガッカリした記憶

それまで左手に見ていた屏風岩を背中にして進むようになると、周りを囲っていた木々が無くなり視界が開けた。
ゴツゴツとした岩が転がって、足元は石段になる。

涸沢カール登山

石段辛かった。
ほんとに。

石段は歩きやすいようで、自分の歩幅が合わなくてかえって歩きづらいことも多い。
目の前に見える涸沢は、すぐそこのようでなかなか近づかず、1時間ほどの石段でようやく到着した。

涸沢カール登山

先週が一番イイよと言われたけれど、それがどういうレベルなのか分からない。。。

ここに訪れたのは紅葉の見頃が少し過ぎたころ。
とはいえ登山客が最も多いと思われる10月の3連休だった。
涸沢ヒュッテは1つの布団に3人以上と言われ、それでも寝るスペースが無く、それはそれで楽しかったものの、登山者が多い時季の山泊の大変さを感じた。

涸沢カール登山

1枚の布団に3人寝るっていうのも意味が分からない。。。

睡眠不足の朝

眠れたのかどうかも分からないような睡眠不足の朝。
ヒュッテの中にいたたくさんの人が動き始めたところへ、付いていくように外に出てみた。

建物の上にあるテラスに集まる人。 小屋泊初心者には、いったに何が始まるのかも分からず、ただ空を眺めていると屏風岩のほうから朝陽が登り始めた。
そして、穂高が赤く見えるモルゲンロート。
集まっている人たちは、これを見に来ていたのかと腑に落ちた。
初めて見る景色に、頭が真っ白になりながら、ただ記憶と印象に残った景色を見ていました。

涸沢カールでののんびりと時間を過ごし、これでもかというほどに紅葉が広がる景色を楽しんだ。
盛りは過ぎていると小耳に挟みながらも、それでも見たことないほどの広大な景色は言葉に表すことができないくらいに強烈なものだった。

持って行った水の量

  • 水900ml

涸沢カールの紅葉を見た初めての北アルプス

涸沢カールの紅葉を見た初めての北アルプス

思い出の風景のひとつです。

2008年は初めて自主的に山に入った年でした。
遠足や学校行事で登山をしたことはありましたが、まさか自分が自分の足で山に入ろうなんて思うとは夢にも思っていませんでした。
しかも北アルプスに。

初めての涸沢カール

この時はまだ涸沢カールの価値を分かっていませんでした。
なぜ10月の涸沢カールがこんなにも混むのか・・・この紅葉がどれくらいのものなのか・・・

紅葉は見頃を迎えているのか、盛りを過ぎているのか・・・

ただ涸沢ヒュッテで1組の布団に3人以上の宿泊という状況が、初めての北アルプスという記憶に刻まれました。
寝苦しく居心地の悪い夜を過ごして、朝早くに見上げた穂高岳連峰。
まだどの峰が、なんという名前なのかも区別が付かなかった頃です。
ただ赤く染まっていく穂高岳のモルゲンロートに感動し、涸沢カールという場所が特別な物に変わっていきました。

涸沢カールへの行程

まったく分からずに道具だけを揃えて向かった涸沢カール。
初日は上高地から横尾へ向かって1泊。
よく朝早くに涸沢カールに到着。元気ならば穂高岳山荘へという予定でした。
登山道の遥か遠くに見えていた涸沢カールに辿り着くまでが精一杯で、それ以上は登る気にもなれず、ただただ紅葉を眺めて時間を過ごしていました。

3日目は涸沢カールから横尾・上高地と一気に下山しました。
長い時間、紅葉を眺めていたこともあり、上高地に着いたころにはバスの発車時刻を過ぎてしまってました。

下山後に立ち寄った温泉

平湯温泉 ひらゆの森

奥飛騨温泉郷の入口にある温泉施設で宿泊もできる。
休憩施設の奥にあるレストランでは飛騨牛も味わうことができ、温泉と合わせて食事も楽しめる。温泉は広い洗い場があり、露天風呂では温度の違う湯船に分けられている。宿泊者は深夜・早朝でも入浴ができるため、登山前の目覚めに温泉を楽しむこともできる。

上高地や高山周辺での日帰り温泉といえば、まっ先にここを思い浮かべてしまうほど定番にしています。駐車場も停めやすいですし温泉も快適です。たくさんの人が訪れる温泉地なので、休憩室がいっぱいになってしまうこともあり、快適なだけに広さが欲しくなります。
豊富なお湯が湧くのか、露天風呂はいくつもの湯船が楽しめ、内湯も広く快適に浸かれます。鉄鍋でできた貸切風呂もあるようで、こちらは1人1000円。施設の外では足湯も楽しめます。

食事のオススメは鍋焼きラーメンです。少し価格が高めですが美味しく頂きました。

建物の奥は宿泊のための施設になっていました。宿泊すると朝から深夜まで温泉に入れるため、出発前の温泉も楽しめます。トイレは部屋の外でしたが綺麗で落ち着く空間でした。

高地にある平湯温泉らしい冷やっとした空気が魅力的です。

お世話になった山小屋

涸沢ヒュッテ

穂高岳への登山ルートの中ほど、標高2300mほどの涸沢カールにある山小屋。涸沢にはヒュッテと涸沢小屋の二つがある。
お盆や紅葉のピーク時にはひとつの布団に3人ということもあるが、食事やトイレなどの設備はとても充実している。夏には診療所も併設している。

上高地から穂高岳を目指して歩き、このヒュッテの屋根の上で食べるおでんが美味しい。朝焼けの穂高岳や、稜線から流れる雲などの美しい景色が見られます。
ここまで来たら穂高岳へ登るべきなのだと思いますが、ここで景色を堪能するのも一つだと思います。
少し歩いて涸沢小屋からはヒュッテとテントを張っている様子を一望できます。

横尾山荘

上高地から穂高岳、槍ヶ岳へのルートにある施設。上高地からは3時間ほど。
キレイで清潔感のある建物で、部屋は8人ほどの相部屋での2段ベッド。浴室は石けん禁止。
横尾出合は広いので周辺でテント泊をする人も多々。西側には屏風岩、前穂高が見える。

初めて泊まった山小屋がここでした。
紅葉シーズン真っ只中で混み合っていましたが、初心者として山小屋のマナーを学びながら泊まることができたという印象でした。
初めての山小屋で、いきなり風呂も無く石けんも使えない、寝る場所も無いというよりは、一人分の寝るスペースが確保されキレイな施設はは過ごしやすいです。
槍や穂高へ行く前に、ここで1泊するスケジュールも良いと思います。

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