紅葉の黒姫山へ登る
北しなの線黒姫駅から車で5分ほど。
黒姫牧場方面へと向かう。
登山口には50台ほどが停められそうな駐車スペースがある。
登山口に車を停め、すぐ近くの登山口から黒姫山へ。 車止めが立てられたアスファルトの細道を真っ直ぐに歩いて行く。
進んで行く先には黒姫山が大きく見え、山頂部は近くも感じる。
5分ほどの細道を過ぎると鐘が釣り下げられているのを見つけた。
熊避けの為の鐘だろうと思いつつ、鳴らすことなく横にある登山道へと入っていく。
空気も地面も湿度が高め
アスファルトから土と落ち葉の登山道に変わり、踏みしめると前日までの雨が染み出してくる。
登山道に沿って流れる水はまるで沢のようで、流れのない端を選んでいく。
周囲の木々は黄色や赤が多く、見上げながら楽しんで歩いていく。
林道に出た
10分あまり歩いたところで林道と合流し、道を横切って再び登山道へ。
このあたりから登山道を流れていた水は無くなり、湿った落ち葉を踏みながら進むと沢を渡渉し、空が見えないほどの多くの木々に囲まれながらの登山道に変わった。
林道から15分ほどで再び林道に合流し、登山道へと入る小さな入口を見つけて中へ。
華やかに色づいた葉が多くなり、青空と黄の葉を見ながらの登山道は楽しい。
視界いっぱいの紅葉を見つつ15分ほどの登り坂で、またまた林道へと出た。
林道と登山道の繰り返し
登山口から40分ほど。
緩やかに続いた登山道は、林道を境に急な勾配の斜面へと変わる。
厚く木々に囲まれて眺望も無く、ただひたすらに登っていく。
きっとこのへんから急になるんだ!と思ってる
大きな科の木を過ぎると、三合目の夫婦岩。
夫婦岩からは九十九折りの登り坂が始まる。
このコースの特徴的な七曲がりと呼ばれる箇所で、右へ左へと緩やかに登山道が続く。
折り返すたびに標高が上がり、木々が視界の高さに変わっていく。
色づいた葉を下から見上げ、上から見下ろし、様々な角度で楽しみながら九十九折りが続く。
七曲がりは30分ほど。
四合目の七曲がり上に着いた。
表登山道での特長として七曲がりを頭に入れていたため、ここで八合目という気分で、まだ目安の半分も登れていないことに愕然とした気持ちになりながら先を見上げた。
木々の間から見える青空は、稜線が近いようにも見える。
笹が増えてきたな
七曲がりが過ぎたら直登に近い斜面がしばらく続いたはずと記憶を辿りながら、登山道に沿って登っていく。
華やかだった紅葉も落ち葉が目立つようになり、どちらかといえば枯木の間に色づく葉を見つける程度。
急斜面から振り返ると麓を覆う雲海が林の中から見ることができた。
五合目に気が付かずに四合目から六合目のブナ林帯まで30分ほど。
目の前の木々の間からは青空が見え、目指す山頂稜線はすぐそこにも見える。
六合目辺りから笹も目立つようになり、場所によっては背丈ほどもある笹が茂っている。
葉が枯れ落ちて眺望の良くなった斜面から振り返ると、麓の街を覆う霧が雲海のように広がっていた。
まだか・・・
先を見上げれば近くに見えていたはずの稜線は遠く、どこまでも登り坂が続いているようで、さらに高く盛り上がっている峰が見え、それが山頂なのか稜線上に盛り上がった峰のひとつなのかと、なかなか気持ちも盛り上がらない。
落ち葉と湿った土の急斜面を登り、六合目からは5分ほどで七合目のだけかんば帯を過ぎた。
だけかんば帯からは岩が目立つようになり、苔が生している上に前日までの雨で湿り気もあり、とても滑りやすく歩きづらい。
笹はところによって登山道を覆い隠すように繁茂し、藪漕ぎというほどでは無いにしても心細く不安になりそうなほど登山道を隠している。
八合目はヒカリゴケが生える岩の多い地点だった。
ズルズルしてるし
高い段差がところどころにあり、岩の隙間が深く口を開けているところも多い。
日影部分には数日前に降った初雪が残り、笹の上を湿らせ、場所によっては水たまりに薄く氷が張っているところもあった。
岩を回り込むように段差を進むと、数メートルの高さの上を歩くこともあり、滑りやすさも重なって神経を使うようなところも何カ所か。
葉がほとんど落ちてしまい視界が良くなったせいか、上を見上げれば青空が近く、もうすぐ登り坂も終わるといった雰囲気が感じられる。
四合目の上から稜線を待ちに待って登ってきた精神的には、そろそろ山頂に近づきたいところ。
滑りやすい岩の段差を越え、笹の中の登山道を進み、ようやくといった感じで九合目のあおとど帯に到着した。
やっと9合目
足元ドロドロだ
あおとど帯からは斜面が緩やかに変わり、高かった稜線は視界の高さに変わったように感じた。
緩斜面になった分だけ水分が登山道に溜まりやすいのか、足首まで埋まりそうなぬかるみがあり、しかも落ち葉に隠れているため踏み込むまで分からないというところがあった。
まるで湿地帯のように登山道が沈み、石や木の根に乗れば滑るという難路だった。
九合目からほんの5分ほどで分岐に到達した。
黒姫乗越と山頂を結ぶ分岐点で、ここからは稜線を歩いて行く。
右手側には特徴的な雨飾山の岩の鋭峰と、真っ白になった焼山。
そして真下には火口湖と、黒姫山のもうひとつの峰、御巣鷹山の存在感があった。
稜線は樹林帯に囲まれ、ところどころに薄く雪が残った状態で固く冷たい音がする。
木々の合間から周囲の山々を楽しみながら山頂へと稜線を歩いて行く。
分岐から10分。
黒姫山の山頂に到着した。
黒姫山山頂
黒姫山の山頂は眺望が開け、東側と南側の景色が良い。
すぐ近くに聳える飯縄山、街を多う雲海と、その先に八ヶ岳と南アルプスが見えた。
北東にある新潟側は雲が切れ、斑尾山や高社山をはじめ信越の山並みや志賀高原などが見渡せる。
山頂を西側へと回り込むと、戸隠連峰から高妻山、その奥には北アルプスが真っ白な姿で広がる。
北側には妙高山、火打山、焼山と頸城三山がよく見えた。
雲海が見られたのは意外だった
山頂には石造の小さな祠と鉄板の看板があり、石が多く埋まった山頂部は休憩もしやすい。
眼下の雲海を眺めながら、山頂での時間を過ごした。
黒姫高原スノーパークへの下山
黒姫山の山頂からは、九合目の分岐へと稜線を戻っていく。
登りとは違った角度で見える景色も良く、火口湖を見下ろしながら分岐点へ。
表登山道ではなく黒姫乗越方面へと進み、まずは数メートルの高さを登る。
下山してから車道を歩くけど、それも折り込み済みで
山頂から稜線沿いに下りていく登山道は、細い木々が茂り、視界はあまり良くない。
ときどき隙間から妙高山が見え、焼山を見渡す。
はっきりとした登山道ではあるけれどマーキングも少なめで、間違って石の上や木の中に入ってしまいそうなところも。
分岐から25分ほどで黒姫乗越に到着。
ここからは越見尾根沿いの急登を下り、一気に標高を下げていく。
今回は下っているけれど、ここを登るのは大変そう
表登山道の終盤も急登だと感じたが、こちらも急勾配で滑りやすく登りに使いたくはないと思いながら段差を下りていった。
黒姫乗越から15分ほどで越見尾根の開始地点を過ぎた。
ここからは勾配を緩めて斜面をトラバースしたり、岩場を過ぎたりする登山道に変わる。
越見尾根ほどの急な勾配はなく、湿って滑りやすいことに気をつける程度。
20分ほどで姫見台のケルンに到着し、ここを過ぎると一気に眺望が開ける。
穏やかで落ち葉の積もったフカフカとした登山道で、東側の景色も開けて見える。
すぐにスキー場の上部に出て、まだ街を覆っている雲海が見え、斑尾山と野尻湖を見下ろす。
九十九折りの下り坂は相変わらず滑りやすく、真下に見えるスキー場施設は遥か遠くにも感じる。
なかなかゲレンデに出ないもどかしさを感じながら20分。
ようやく黒姫高原スノーパークの上部に出た。
先の見通しはよくなったけれど、まだまだ下までけっこうある
ゲレンデに出ると遮るものが無く景色が良い。
視界が良いからか、スキー場の上部から最下部まで下りることにかなりの高低差を感じ、変化の少ないゲレンデを黙々と下りていった。
左側には妙高山を見上げ、振り返れば下りてきたばかりの黒姫山。
下山路とはいえ眺めも良くかなり良いスポットではあった。
ゲレンデのどこかで熊鈴を落とした