田代池から西穂高岳へ
上高地のバスターミナルでバスを降り、梓川沿いに帝国ホテル方面へと下りていく。
振り返り川の流れ越しに穂高岳連峰を見つつ、観光客と擦れ違いながら20分ほど。
登山口のゲートに到着した。
バスターミナルでバスを下りたけれど、帝国ホテル前で下りた方が近かった
左は焼岳登山口、右はウェストン園地という分岐の真ん中にある西穂高岳登山口。
入口で登山届けを提出し、登山道へと入っていく。
足元は大きな石と葉の落ちた柔らかな土の登山道。
緩やかな登り坂を折れ曲がりながら進んで行くと、15分ほどのところで登り坂に差し掛かる。
けっこう急な坂道になった
それまでの緩やかさとは一変して、一気に標高を上げていくような急勾配で、折れ曲がりながら、ところどころで整備された階段を登りながら。
樹林帯に囲まれた中の急坂はとにかく我慢をし続けるようなもので、足に溜まっていく疲労と、どこまでも変わらない景色が続いていく。
登山口から40分ほど経ったところで、前が明るくなり青空が広く見えた。
それまで続いていた急坂が緩まるような予感と、西穂高岳の稜線が近づいている期待とを持ちつつ登っていくと、木々の合間から前穂高岳が見えた。
そして近くも高く見えるのは西穂丸山から独標への登り坂。
ハイマツに覆われた中に白い登山道が見える。
なかなか遠いなと思う
登り続けた登山道は緩やかに変わり、細い尾根を渡るように続いていく。
橋が掛けられた尾根を過ぎ、高い段差に足を掛け、尾根を進んで行くと再び急な登り坂が始まる。
最終水場の「宝水」を過ぎると周りを覆っていた木々も疎らなところが多くなり、霞沢岳などの東側の景色が良く見えるようになってきた。
右へ左へと折り返しながら登り、いったん勾配が緩まったあと、階段のように石が積まれた登り坂を直登していく。
ほんの3分ほどの直登が堪え、大変な思いをしながらの登り切ると、平坦になった登山道の先に標が見えた。
まっすぐに進めば焼岳、右へ進めば西穂高岳。
矢印の示すとおりに右へと進み、さらに続く登り坂を進み、15分と掛からずに西穂山荘へ。
やっと着いた。西穂山荘。
西穂山荘
ようやく景色が開け、それまでほとんど会うことの無かった登山者もここではたくさん休憩をしていた。
登山口からは1時間40分ほど。
実際の時間よりも長く感じた登りだった。
西穂山荘でいったん息を整え、西穂高岳方面へと進む。
樹林帯を抜けハイマツに囲まれた稜線は風が強く、それまでは暑く汗を流して登ってきたのと対照的に一気に体が冷えていく。
森林限界は風が冷たい
登山口ではすっきりと見えていた空は雲が多くなり、強い風と同じ方向へとても早く流れていた。
予報ではこのあとは雲が広がり、雨が降り出してもおかしくない状態。
風が強いこともあり、山頂まで行くのは状況的に楽しむことができないと判断をした。
西穂丸山
西穂山荘から最初の峰の西穂丸山へは、急勾配のガレ場を登っていく。
左を見ると笠ヶ岳、右を見ると霞沢岳が見え、青空ならテンション高く登っていくことができる。
振り返ると雲がかかり始めた焼岳と、すでに雲の中で見ることのできない乗鞍岳方面。
西穂高岳山頂も雲の中に隠れてしまっている。
今日の夕方は雨になるって予報だった
西穂山荘から12・13分で丸山へ到着。
この場所も笠ヶ岳方面を見るには景色の良い場所で、何人かの人がリュックを置いて景色を楽しんでいる。
土の多かった登山道は、ここから細かな石が多くなっていく。
疲れました
登山道中から見えたハイマツに囲まれた白い登山道にようやく辿り着き、細かく折り返しながらガレガレの登り坂を進んで行く。
標高を上げていくに従って風は強く冷たくなり、ハイマツのガレ場を登り切ったあたりでは、ウィンドブレーカーなどを着て歩いている人も多く見られた。
笠ヶ岳も山頂部は雲に隠れてしまっている。
ただ雲の流れが速いためかそれまで隠れていた山頂は青空が広がり、西穂高岳らしい岩峰が続く景色を楽しめた。
西穂独標が近づくと岩の斜面をトラバースするようなところが50mほど続き10mほど岩場を下りていく。
左右は深く落ちた岩の斜面のため、高さのある段差は手を使いながら。
西穂独標の直下では鎖と傾斜のある岩場が続く。
こまめに付けてもらっているマーキングを追い、わりとしっかりとしている岩場に足を置き、高い段差と鎖のある傾斜を登っていく。
高度感があるのと尖った岩場による足元の悪さはあるものの、難しさを感じるほどの岩場ではなく距離も長くはないため、ゆっくりと落ち着いて登ることができる。
ようやく・・・
西穂独標
登山口の田代池からは2時間26分。
体感時間では4時間ほど歩いたような感覚で、2ヶ月ほどしっかりとした登山から離れていたことと序盤からの急勾配ということもあり、太股は持ち上げるのが大変なほどだった。
タイミングが良ければ青空の下で山頂に立つことのできそうにも感じられたが、逆に雲に覆われたままになることや、強風の中でここからの本格的な岩場へと進むのは太股がダメだと言っていた。
着いた時間が早くはなかったためか西穂独標にくる人も疎らで、狭い峰の上でしばらく景色を楽しむことができた。
稜線の先に続く西穂高岳山頂、その右奥には吊り尾根から前穂高岳と明神岳。
真下の岳沢は紅葉の盛りを過ぎたくらいで、小梨平はこれからが最盛期を迎えそうな雰囲気だった。
東側の霞沢岳と六百山、その左肩には南アルプスが続き、うっすらと見える甲斐駒ヶ岳の後ろには富士山が見えていた。
八ヶ岳も雲の合間から見える。
西側の笠ヶ岳の稜線は雲の流れが速く、そこから北側の北アルプス奥部の様子が見えない。
眼下の新穂高も白く霞んで見え、南側の焼岳や乗鞍岳も楽しめる眺望では無かった。
同じように景色を見ていた方からお弁当を頂いた
新穂高ロープウェイへの下山
独標の上でしばらく景色を楽しんでから下山を開始。
下りは西穂山荘から新穂高ロープウェイへと下りる。
独標の岩場を下り、ガレ場を過ぎてハイマツに囲まれながら丸山、西穂山荘へと下りていく。
登りで冷たく感じられた風は下りでは体が温まる方が早いのか、まったく冷たさや強さも感じず、西穂独標から30分と掛からずに西穂山荘へと到着した。
西穂山荘の手前にある分岐を標に従って右へ進み樹林帯の中に戻っていく。
土と大きな石の急坂を下りていくと、田代池からとは比べられないほどの人たちと擦れ違う。
追い越していく人の数も比べられないほど。
下り坂と登り返しを繰り返しながら新穂高ロープウェイに着いたのは、独標から1時間を過ぎたところだった。
ロープウェイ駅はさすがの人の多さで、平日とはいえ紅葉を楽しみにきた日本人含め外国人観光客に囲まれる。
登山装備を持っている人が2・3人という中で、リュックを抱えてロープウェイに乗るのも申し訳がないくらいで、鍋平からの第1ロープウェイでは登山者はひとりだけになってしまっていた。
ロープウェイはふたつ乗るのでチケットは2枚
新穂高ロープウェイの外にあるバス停で平湯温泉方面へのバスを待ち、満員の中30分ほどバスに揺られて出発地点へと戻る。