千畳敷カールから宝剣岳・木曽駒ヶ岳を縦走
木曽駒ヶ岳へのアクセスは、宮田村の菅の台という駐車場に車を停め、ロープウェイ駅までバスに乗っていく。
駐車場は1回500円。
ロープウェイとバスの往復運賃で一人3800円。
平日の朝イチとはいえ、けっこうな人が並んでいた。
9月のバス始発は7時15分発。
状況によって臨時便も出るようで、今回は7時5分に繰り上げ出発した。
30分ほどバスに揺られ、しらび平のロープウェイ駅へ向かう。
バスがすれ違うのも大変そうな急で狭い山道が続く。
ロープウェイ駅に着くまでの間にも登山口はあったようなのだけれど、途中下車する人も無くロープウェイ駅まで向かう。
バスから降りた人がそのまま8時の始発まで並んで待つ。
定員61人という大きなロープウェイにぎゅうぎゅう詰めになり千畳敷カールへ向かう。
千畳敷の駅は2600mを越える標高で、日本一高いところにある駅なのだという。
千畳敷の真下にある傾斜は最大で40度や50度あるそうで、その上、あまりに険しい岩場が続いていたように見え、ロープウェイが無い時代の登山は苦労したことが思われる。
千畳敷でロープウェイを降り、外に出ると目の前には植物の茂ったカールと険しい岩の宝剣岳が見えた。
青い空も広がっていて、とても迫力のあるキレイなところだ。
昨年は紅葉が素晴らしくたくさんの人が訪れたそうで、9月でもこんなにキレイなら・・と納得。
景色を楽しみつつ、荷物を確認しつつ準備を整えてスタート。まずは宝剣岳を目指す。
千畳敷カールから宝剣岳への急登
千畳敷から木曽駒ヶ岳へのルートは千畳敷カールを横断して、九十九折りの急坂を登って宝剣山荘の前に出るルート、宝剣岳を越えて宝剣山荘の裏に出るルートとがある。
今回は、高度感や岩場も楽しみたかったので、必要な宝剣岳へのルートへ。
すでに森林限界を超えた標高からのスタートで、千畳敷から宝剣山荘へ登っても宝剣岳へと登っても、いきなりの急登からスタートするので、どちらのルートも最初の30分ほどの登りがとてもキツイ。
とはいえ登り切った先が見えるので稜線を目指して登ることができる。
坂を登り切ると極楽平という分岐点に到着。
たしかに、あの急な坂を登り切って広がる稜線は極楽のような心地。
この分岐点を南下すると空木岳へ。
駒ヶ岳は北へ進んで宝剣岳を越える。
宝剣岳の鎖場
極楽平の分岐点の北へ。宝剣岳へと向かった。
宝剣岳は岩でできた山で、高度感のある鎖場が続く。
気を抜くと足を踏み外しそうないわばなので、楽しみながらも気が抜けないルートになる。
目の前に見える大きな岩場を目指して稜線を進み、いよいよ鎖場にチャレンジする。
テクニックが必要というよりは高度感に腰が引けないことが大切で、片手でしっかりと岩を掴み足元に気をつけながら、もう片手で鎖を握ってバランスを取る。
だいたい30〜40分ほど続くこの鎖場は、人によっては西穂高岳へのルート以上、人によっては簡単なので足元だけ気をつけるようにと様々な評価がされているようだった。
宝剣岳登頂
十分に気をつけながら宝剣岳に登頂。
休憩を繰り返しながら登山開始から1時間半ほどだった。
狭い山頂には、切り立った岩の影に2つの祠が建てられていた。
宝剣岳からは中岳や駒ヶ岳がよく見える。これから目指す先はあの山。
このルートの残り時間は、あと1時間ほどの予定。
宝剣岳の岩場も10分ほどで終了予定。
南側の鎖場に比べて、この北側の下りは高度感もないので恐怖感も感じない。
緊張の続くルートを過ぎ、宝剣山荘の裏で休憩を取って、引き続き中岳を目指した。
宝剣岳を越えて中岳へ
宝剣岳を越えるとほとんどアップダウンも無く、中岳も丘のようにポツンと丸く盛り上がっているだけ。
10分ほどで到着した中岳の山頂には祠が1つあり、アマテラスが祀られているようだった。
ここまでくると、駒ヶ岳の山頂もすぐそこなので、とくに休憩も取らず進む。
中岳を降りると西駒山荘、駒ヶ岳の南側には頂上木曽小屋がちらりと見えた。
木曽駒ヶ岳山頂へ
駒ヶ岳への登りもすぐ。10分から15分ほど。
丸く広い山頂には、たくさんの人が訪れて景色を見ながら休憩を取っていた。
360度周辺の山々を眺められる山頂は、回りに雲が広がっていて山並みを楽しむことはできなかったけれど、この広い雲は壮大だった。
山頂の神社は、伊那市側の伊那駒ヶ岳神社と、木曽側の木曽駒ヶ岳神社の2つの神社があった。
風雪から社殿を守るように石垣が積まれていた。
下りは中岳の巻き道を通り、宝剣岳を避けて、千畳敷カール方面へ。
2時間ほどで案内されているルートになっているが、下りは1時間ほどだった。