木曽駒ヶ岳

2956m

千畳敷カール 2016年1月22日

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登り
乗越浄土
下り
乗越浄土
最高標高
2956m
登山口標高
2612m
距離
3.80km
累積標高
436m
437m
平均斜度
12.9度
時季
2016年1月
天気
晴れのち曇り
日程
日帰り
水の量
水900ml
歩いた時間
登り1:33/下り0:49/合計2:22
平均歩速
1.69km/h

この日のペース

  1. 千畳敷カール
  2. 乗越浄土
  3. 中岳
  4. 木曽駒ヶ岳 山頂(1:33)
  5. 乗越浄土
  6. 千畳敷カール(2:22)

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※距離と「登り+下り」の累積標高から計算した目安の値です。
※雪質・気温・荷物の重さ・歩くペースなどにより、実際の消費カロリーは大きく変動します。

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距離も高低差も少なく、気軽に歩くことのできる千畳敷カールからの木曽駒ヶ岳ですが、今回は降雪後ということもあってカールを登り切るまでが大変でした。一緒に雪を踏みしめてくれる人がいればと思いながら登っていたのですが、勾配がきつくなるにしたがって雪が固く締まって歩きやすかったです。天気予報のとおり晴れてはいたのですが、それも街と朝早い時間だけで、厚い雲と強い風が大変でした。南アルプスが雲も少なく眺望が良かっただけに、この日の木曽駒ヶ岳からの眺めは悔やまれるところです。下山には中岳の巻き道を使用しましたが、積雪がある場合は雪の斜面をトラバースすることになるので避けた方が良いです。

輝白と濃紺の中央アルプス

中央アルプスで最も標高の高い木曽駒ヶ岳。
2900mを越える中央アルプスの高峰で登山道もさまざま。
もっとも一般的ーなルートは路線バスやロープウェイを使用した千畳敷カールからのルートで、標高2600mまで一気に登ることができるため、登山に限らず観光で訪れる人も多い。

千畳敷カールから木曽駒ヶ岳へ

中央道駒ヶ根インターチェンジから5分ほど。
菅の台バスセンターから千畳敷カールへと向かう。
木曽駒ヶ岳へと向かう登山ルートの中で、今回は最も手軽に登ることのできる千畳敷駅からのスタート。
前日までは降雪で冬型の谷間を縫って午前のわずかな時間だけ晴れ間が覗いた。
路線バスに乗り、しらび平からロープウェイに乗り換える。
千畳敷カールに到着すると目の前には雪の覆われた宝剣岳とカールが一望できた。

この日の登山者は4人。2人組と単独が2組。
積もった新雪と千畳敷カールの直登を眺めながら装備を整える。
冬季は宝剣岳直下の夏の登山口は通行禁止。
千畳敷駅の北側からカールへと下り、そこから斜面を登っていく。

千畳敷カールの直登

前日まで降雪とはいえ、それまでに歩いたトレースがあるため、外れることがなければ埋まっても足首程度。
難なく歩いて行くことができる。
シュカブラのように雪面に残ったトレースをなぞりながら、徐々にカールの急登に近づいていく。
ところどころでトレースが蛇行していることもあり、その度に固く締まった踏み跡から外れ、太腿まで雪に埋まる。
新雪は身動きが取りづらいので膝立ちのままトレースらしき雪面へと戻り、体勢を戻して登っていく。
カールから近づいていく宝剣岳の岩肌は、見上げると夏以上に高く険しく見える。
その上を流れる雲の動きも早く、千畳敷カールを過ぎてからの風の強さを思う。

宝剣岳直下に近づいていくほどに斜面は急に変わっていく。
トレースから外れてしまうと新雪の斜面を登ることが難しい。
なかなか歩みの進まないなかで振り返ると、いつの間にか千畳敷駅が下になっていた。
同じロープウェイに乗っていた他の3人も、下の方に踏み跡を辿りながら登ってくるのが見える。

千畳敷カールの最も狭い場所。
宝剣岳の北壁は斜面もキツイ。
雪は固く締まっているので、アイゼンの前爪を差し込みながら登っていく。
まるで白馬大雪渓の岩室付近のようだと思いながら間近に見える乗越を目指す。
乗越近くになると夏ルートの階段が露出していたため、直登を止めて階段に沿って登ることにした。
階段とはいっても積雪のために踏面は埋まり、雪の斜面をトラバースするように蛇行して登っていく。
ただロープがあるだけと外れていないという安心感。

千畳敷カールから1時間と掛からないほどで、ゆっくりと時間を掛けてようやく乗越浄土へと着いた。

乗越浄土から中岳へ

風の強く吹く乗越浄土。登ってきた斜面から千畳敷カールが見下ろせる。
すぐ近くには宝剣岳の尖った岩。
まずは天狗山荘の脇を通って中岳へと向かう。

すぐ近くにある中岳。
丸みを帯びた丘のような高さも、乗越浄土の風と雲のために真っ白で、高く聳えているようにも見える。
あまり白く覆われてしまうようなら、撤退も考えながら登山道に沿って進んで行く。
積雪は多くないのでロープも見え雪も固い。

千畳敷カールから1時間12分。中岳に到着。
山頂付近の祠や岩にはエビの尻尾がビッシリ。
中岳を越えて木曽駒ヶ岳を眺めると、まるで中岳との鞍部に雲が溜まっているかのように真っ白で何も見えない。

風の流れが早いので雲の色を見ながら暗い空では無いことも加味して、時間が経てば姿くらいは見えることを期待。
鞍部までは下りてみることに。雪の固まった斜面をサクサクと音を立てて歩くのが気持ちが良い。
時々、雪が軋んだ音が耳に入ると、それが誰かの声のように聞こえることも。

中岳と木曽駒ヶ岳の鞍部が近づくと、雲が流れて山頂が見えてきた。その先には青空も見える。
風は相変わらずで、南西からの風が顔に冷たい。シュカブラにも足跡にも見える斜面を山頂へ向けて登っていく。

木曽駒ヶ岳山頂

千畳敷カールから1時間33分。
木曽駒ヶ岳の山頂に到着。
避けるものの無い山頂は風が当たる。

2つの祠や標に身を隠しながら、山頂をうろうろと楽しむ。
雲に覆われているために眺望はほとんど無く、ときどき雲の隙間から木曽や伊那の街が見える程度。
期待できたはずの空木岳や御嶽山は見ることができない天候だった。
ふたつの祠にはエビの尻尾がビッシリと張り付き、寒さや風の強さが感じられた。

木曽駒ヶ岳からの下山ルート

下山には中岳の巻き道を使った。
南側の斜面を巻くように作られているルートで、幅も広くはないことと一部岩場がある。
雪があるため、状況によっては中岳を登り返した方が安全に下りることもできる。

雪の積もった登山道はほとんどが斜面に変わり、ところどころで見えるロープとルート上であることの確認ができた。
雪のトラバースは滑落の可能性も高まるので、足を雪面に爪先を刺して慎重に進んでいく。
斜面の下に見える谷が吸い込まれそうな景色で、立ち止まってはその眺めを楽しんだ。

中岳を過ぎ、浄土乗越から千畳敷カールへ。
上部の急斜面では足を取られると滑落も考えられるので、ゆっくりと慎重に下りていく。
斜面が緩くなってからは新雪の上をシリセードで下りた。

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