巻機山へ尾根ルートを登る
南魚沼市から清水峠へ向かう。
最寄りのICは塩沢石打か六日町。
国道291から巻機山麓キャンプ場へと登り、上にある広い駐車場から登山口へはすぐ。
細く心細くなるような道路を上っていった行き止まりに駐車場はあった。
入口には20台ほどが停められそうな駐車場が2ヶ所と、さらに奥には50台は停められそうな駐車場があり、そこが登山口の最寄りになる。
駐車料金は半日300円、1日500円。
桜坂駐車場からは巻機山への3つの登山道の入口になり、熟達者向けの2ルートと、一般的な尾根ルートとに分かれている。
尾根ルートへと進み、登山道へと入るとすぐに木々が茂って緑に囲まれる。
木の根と埋まった石とでできた高い段差と急勾配の登山道。
湿度の高い土は滑りやすい。
三合目五勺から四合目と過ぎていくに従って急登が続く。
蒸した樹林帯を九十九折りに登り、四合目五勺を過ぎすると斜面の先が明るく見えてきた。
五合目に付いたところで尾根に出たようで、周辺の眺望が広がる。
まだ行く先は高く、周囲の山も高く見上げるほど。
葉の間からわずかに九合目や割引岳が見え、まだまだ低い位置を登っていることが分かる。
五合目からしばらくしたところで登山道はダケカンバに囲まれ、足元は粘土質の硬く滑りやすい状態に変わる。
雨の流れた跡か、深い溝が何本もできているのを縫いながら登る。
だんだんと花も多く見えるようになり、淡い色のイワカガミが群生しているところも目についた。
六合目まで登ると眺望が開けた。
ヌクビ沢に残る雪渓と尖った天狗岩が印象的に見える。
その上にはキレイな三角形の割引岳。
登山道は高い段差と急勾配で続いていく。
六合目七勺を過ぎたあたりから正面に九合目が見えるようになった。
周りに見える花も増えてくる。
七合目付近からは上を見渡すことができ、広がる笹平とその勾配のキツさが見てとれる。
九十九折りになっているとはいえ、七合目から九合目は高く遠い。
登山口から七合目までは1時間33分。
いったん呼吸を整えて笹に囲まれた急登へと入っていく。
背の高い木々が無くなり振り返ると魚沼の街や周辺の山が見渡せる。
すっきりと晴れていれば谷川岳や苗場山も見渡せるだろう。
八合目からは木段が作られていたため、歩幅を合わせて登っていく。
木段に腰を掛けて休憩を取っている人も多い。
九合目はすぐ近くに見え、巻機山らしいなだらかな稜線も見えてくる。
登山口から九合目までは2時間9分。
ニセ巻機山と書かれた標と、さらに遠く続く山頂稜線が印象的な場所だった。
ここまでで満足しそうな急登と、九合目からの眺め。
長く見える稜線には歩く人も見える。
いったん下り避難小屋を過ぎて登り返していく。
池塘の間に木道が渡され、盛りの過ぎたワタスゲやイワカガミを見ながら再び登り返していく。
巻機山山頂
山頂と書かれた標の立つ地点に到着したのは九合目から25分ほど。
割引岳と牛ヶ岳への分岐という案内もあり、あまりになだらかで平坦でもあるので、まったく山頂であることに気が付かず、そのまま牛ヶ岳へと向かう。
山頂からの木道は、巻機山らしく穏やかで周囲を広く見渡して歩いて行く。
登り下りも緩やかで歩きやすい。
北には牛ヶ岳まで続く木道が見え、景色を楽しみながら歩く人も見える。
最高地点のケルンまでは5分ほど。
ケルンといっても高さのあるものではなく、50センチほどの手積みのケルンで何気なく登山道に積まれている。
ここに最高地点があることを知らなければ、まったく気が付かないほどの存在感で、実際それを知っていても通り過ぎてしまい、途中から引き返して写真を撮った。
登山口からは2時間41分。
九合目から見えた南魚沼の山並みがさらに高い位置から見え、雪の残る巻機山の斜面が美しい景色だった。
こんもりとした北側にはうっすらと八海山が見え、ここからさらに牛ヶ岳まで続く木道が興味をそそる。
下山
山頂からの下山は登りを引き返すピストンで降りる。
割引岳からの天狗尾根やヌクビ沢は下山に使用することを禁止されている。
山頂から九合目、八合目と風通しの良いところを過ぎ、標高を下げて行くに従って徐々に暑さを感じてる。
樹林帯では風がほとんど当たらず、陽の光も遮られるかわりに暑さが篭もっている。
突然登山道へ飛び出してくる巨大なカエルや、水分補給をしてもすぐに汗に変わってしまうほどの気温に苦しめられながら無事に桜坂へ下山をした。