南八ヶ岳

2899m

赤岳文三郎尾根 2012年9月9〜10日

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登り
文三郎尾根
下り
南沢
最高標高
2899m
登山口標高
1650m
距離
17.19km
累積標高

時季
2012年9月
天気
曇り
日程
1泊2日(山小屋泊)
水の量
水2l 水900ml
歩いた時間
合計8:50
平均歩速
1.95km/h

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山と高原地図 八ヶ岳 蓼科・美ヶ原・霧ヶ峰
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八ヶ岳の最高峰。がんばれば日帰りもできるようですが、僕は山頂山荘で星空と朝焼けを堪能しました。山小屋も多く、山頂の直下には眺望山荘、赤岳鉱泉や行者小屋で宿泊してチャレンジするのも良いと思います。山頂付近はとにかく足元が悪いので、登るときはもちろん、山頂にいる間も滑落しないように注意。
赤岳は午後になると曇るようです。朝早くからノンビリと景色を見ながら歩くのには最高のルートです。南には富士山、諏訪や茅野の街、南アルプスや中央アルプス、長野の東信地域の街々も眺めることが出来ます。
なによりもルートも起伏があり、狭く高い険しい場所では、危険なルートならではのテンションの高さと、ほっとできるような緩やかな場所も楽しめます。

八ヶ岳の人気ルート1泊2日

八ヶ岳には北と南があって、それぞれに8つずつの山。合計で16コあって、その中でも一番高い山は標高2,899mの赤岳。
いくつもある八ヶ岳への登山ルートの中から、今回は美濃戸口から登ることに。

赤岳頂上山荘で一泊する行程では、やはり山頂からの朝陽は欠かせない。
東の空が朝陽に染まり、西側には赤岳の影が映る。
文三郎尾根から見下ろす美濃戸や、北八ヶ岳を見渡しながら歩く横岳から硫黄岳など、南八ヶ岳は季節を問わず見ておきたい景色が多い。
北沢から美濃戸へと下りるルートではトリカブトの花が多く見られる。

一泊二日での行程で、両日ともに天候に恵まれた。
行者小屋から急な坂を登り、稜線歩きが続く中では天候は重要で、雨が降らないことはもちろん風の強さも気になるところ。
特に赤岳から横岳にかけては岩場や鎖場が続くため、晴れた日に訪れることができたのは良かった。

美濃戸からの赤岳・硫黄岳への縦走

中央道茅野ICから国道196号線を美濃戸へ。
八ヶ岳山荘から林道に入るため、車高の低い車ではオススメできない。
美濃戸では専用の有料駐車場に車を停めた。

今回の集合場所は美濃戸山荘。
ここで1泊してから、翌朝7時にスタートした。

南沢ルートから行者小屋を経由して、文三郎ルートを進むことに。
沢沿いに森の中を歩く。
木の間から目指す赤岳が見えた。ここから見える八ヶ岳の険しさは茅野市街から見るのとは全く違う。
スタートしてから2時間。
中間地点の行者小屋に到着。

登山者もたくさんいて、テントもいくつか張られている。ここからスタートする登山者もいるのだろう。

行者小屋は、赤岳鉱泉と文三郎ルートと、赤岳展望荘を経由する3ルートの分岐点になっている。
今回は、一番傾斜がキツイだろうと思われる文三郎へ。
急な坂は大変なぶん、少ない横移動で高さが稼げる。

行者小屋から急な階段を文三郎道へ

標高が高くなり背の低い木々ばかりになった尾根の斜面に急な階段。
振り向けば真下に小さく行者小屋が見える。
上を見上げて歩いているから良いようなものの、下りで見下ろしながら歩く高度感は凄そうだ。
足を滑らせようものなら、止まることなく下まで転がってしまいそう。

行者小屋をスタートしてから1時間、急な階段は終わり、中岳と赤岳の分岐点に着いた。
ここから見る中岳と阿弥陀岳の迫力は印象的でクネクネに折れ曲がった登山道が急な斜面に伸びている景色に見惚れる。
きっと濃い緑色に、黄土色のルートが映えるんだろう。

ここから赤岳の直下まで、赤い砂地の道になる。

赤岳山頂へ険しい岩場

振り返れば険しい阿弥陀岳。
進む道は急で、右側は転がり落ちたらひとたまりも無い雰囲気が漂う。
ただ眺めはとても良くて気持ちが良い。
赤い砂地はだんだんとゴツゴツとした岩のルートに変わり、高く足を上げて進むようになり、権現岳との分岐点で、さらに道が険しくなっていく。

この鎖場は、山を登るというよりも、岩をよじ登るという感じ。
この険しいルートを下りてくる人も多い。

登山道の脇に「頂上まであと少し」と書かれたプレートを見つけ、気持ちが和んでひと息ついて、上を見て登る。

山頂へ続く狭い岩と岩との間、ハシゴをつたって登った上からは、これまで登ってきたルートを見下ろす景色とは違い、眼下に広がる清里や川上村、雲の上に少し頭を出した富士山が見える。
これまで狭いルートから落ちないようにと気を配っていたのが一気に楽になる。
とはいっても、赤岳山頂は足元が悪いのだけれど。
景色は良い。

赤岳山頂に到着

山頂にある赤岳山頂山荘は北峰と南峰のうちの南峰にあり、赤岳の斜面の真上に建っているだけあって眺望が良い。
山頂なので、目が覚めてすぐに朝日を見ることができ、夜は茅野市街の街明かりを眺めることが出来る。

星を見上げていたところで、カモシカがすぐ後ろを通り過ぎたようだった。
こちらは暗くて何がいたのかも分からないくらいだったのに、さすが野生動物といったところ。
懐中電灯で照らして様子を見ていたのだけれど、人が歩けない崖のような斜面を下りていった。

赤岳から硫黄岳、美濃戸へ下る

赤岳山頂で一泊した後に硫黄岳まで縦走。
赤岳鉱泉へ下りて美濃戸への南沢ルートを歩くことに。

出発は朝6時半。
朝陽を浴びて真っ赤になっていた八ヶ岳は、すっかり緑色に戻っていた。
登りのルートは文三郎尾根から。
下山ルートは逆方向に下りるようになるのだけれど、反対側も結構な急斜面で大きな岩を登るのでは無く、とにかく勾配がきつい鎖場が続く。
こちら側を登ってくるのも大変だろう。

赤岳から硫黄岳へ

赤岳から展望荘まで約20分ほど。ここからアップダウンを繰り返しながら横岳へ。
道はなかなかの険しさ。崖ともいえるようなところに、鉄筋が打ち込まれ、鎖が張られている。
歩ける幅は30センチほどのところも。
下を見ては恐怖でテンションを上がり、崖に張り付くような思いで進む。
そして辿り着いた横岳からの赤岳と阿弥陀岳。

硫黄岳は爆裂火山という。
この火山で千曲川が堰き止められたそうで、たしか小海町の松原湖はそれでできたもの。 とても眺めの良いところで、東側には崩れた火口。その先に佐久の街。
蓼科山や北八ヶ岳が見えて、諏訪湖も見ることができるし、アルプスは北も中央も南も見える。

そして、なんといってもココまで歩いてきた行者小屋から赤岳、横岳を通ってココまできたルートが一望できるのが良い。八ヶ岳の雄大さや、険しさが目に見える。

硫黄岳を過ぎると、完全に下山ルートになる。
赤岳鉱泉まで約1時間ほど。木々の間を森林浴をするように進むルートに。これまで眺めの良い稜線を進んでいたからか、いくら緑の中を歩いているとはいえ、景色が変わらずとても退屈に感じる。
やはり登山は眺めの良いところに行きたい。

11時半頃に赤岳鉱泉へ到着すると、ここから美濃戸山荘までは約1時間半。
八ヶ岳の稜線を十分すぎるほどに楽しんで歩いたので、緑いっぱいの森の中は、見通しが良くなくて退屈に感じてしまう。
美濃戸山荘には12時54分に到着。およそ5時間半ほどの縦走になった。

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赤岳から見る朝焼け

赤岳から見る朝焼け

赤岳から見た朝の景色が、今までの登山人生の中で最高のものだと思います。
朝の風景はとても好きで、どの山で見ても美しくて、その一瞬が最高の景色だと思いますが、あえて順位を付けるとしたらこの景色でした。
赤岳の山頂にある「赤岳頂上山荘」に宿泊し、翌朝の景色を楽しみに就寝しました。朝4時頃に飛び起きると、すでに空は明るく赤みがかっていたいる時間でした。
慌てて外に飛び出して、周りを見渡して雲の様子や朝陽の昇り具合を確認しました。

北峰と南峰に分かれている赤岳は、その峰の間が狭く落下の恐れもあるので、焦っていても慌ててはいけない場所です。ましてや朝の寝ぼけたような時間帯は。
注意しながら眺めの良い南峰に移り、東の空を眺めました。

徐々に赤く染まっていく空。
濃紺から紫に変わり、やがて橙色に染まりながら朝陽が昇ってきます。

眼下には雲海が広がり、野辺山の緑はすっかり雲に覆われていました。南へ目を移せば大きく存在感のある富士山が浮かび、赤みがかった空に合わせるような色合いになっていました。だんだんと差し込む朝陽は、一部が雲に阻まれて、まっすぐな線を浮かばせながら、空を明るくしていきました。

朝陽を見よう・山小屋に泊まろう
そう思ったときには必ずといって良いほど思い出す印象深い景色でした。赤岳からの朝陽です。

お世話になった山小屋

赤岳鉱泉

標高2,300mに建つ南八ヶ岳で唯一の通年営業の山小屋。横岳直下に位置し、冬季はアイスキャンディーと呼ばれる大きなの氷瀑が作られます。豪華な夕食が楽しめることでも知られる人気のある山小屋のひとつ。

赤岳や硫黄岳へのアクセスに使える山小屋です。豪華な食事が有名で、テレビで取り上げたこともありました。外のテラスは陽当たりも良く気持ち良く過ごせます。

赤岳頂上小屋

標高2899mの赤岳山頂に建てられている山小屋。建物の東側はガラスが多く使われているので、ほぼどの部屋からでも東側の景色を眺めることができ、とくに食堂からの眺望は最高。
食堂にはPEAKSや山と渓谷などが多く置いてある。

夜は西側に茅野市の夜景と星空、朝は清里や川上、富士山を大きく見ることができ、小屋からでも朝陽を見ることができます。山小屋泊で目覚めてすぐに朝陽を望むことができる贅沢な場所です。
赤岳山頂は、どの方向も崖のような急な斜面なので、こんな場所に小屋があるということに不思議な感じがしました。

同じ時季に登った山