美濃戸からの赤岳・硫黄岳への縦走
中央道茅野ICから国道196号線を美濃戸へ。
八ヶ岳山荘から林道に入るため、車高の低い車ではオススメできない。
美濃戸では専用の有料駐車場に車を停めた。
今回の集合場所は美濃戸山荘。
ここで1泊してから、翌朝7時にスタートした。
南沢ルートから行者小屋を経由して、文三郎ルートを進むことに。
沢沿いに森の中を歩く。
木の間から目指す赤岳が見えた。ここから見える八ヶ岳の険しさは茅野市街から見るのとは全く違う。
スタートしてから2時間。
中間地点の行者小屋に到着。
登山者もたくさんいて、テントもいくつか張られている。ここからスタートする登山者もいるのだろう。
行者小屋は、赤岳鉱泉と文三郎ルートと、赤岳展望荘を経由する3ルートの分岐点になっている。
今回は、一番傾斜がキツイだろうと思われる文三郎へ。
急な坂は大変なぶん、少ない横移動で高さが稼げる。
行者小屋から急な階段を文三郎道へ
標高が高くなり背の低い木々ばかりになった尾根の斜面に急な階段。
振り向けば真下に小さく行者小屋が見える。
上を見上げて歩いているから良いようなものの、下りで見下ろしながら歩く高度感は凄そうだ。
足を滑らせようものなら、止まることなく下まで転がってしまいそう。
行者小屋をスタートしてから1時間、急な階段は終わり、中岳と赤岳の分岐点に着いた。
ここから見る中岳と阿弥陀岳の迫力は印象的でクネクネに折れ曲がった登山道が急な斜面に伸びている景色に見惚れる。
きっと濃い緑色に、黄土色のルートが映えるんだろう。
ここから赤岳の直下まで、赤い砂地の道になる。
赤岳山頂へ険しい岩場
振り返れば険しい阿弥陀岳。
進む道は急で、右側は転がり落ちたらひとたまりも無い雰囲気が漂う。
ただ眺めはとても良くて気持ちが良い。
赤い砂地はだんだんとゴツゴツとした岩のルートに変わり、高く足を上げて進むようになり、権現岳との分岐点で、さらに道が険しくなっていく。
この鎖場は、山を登るというよりも、岩をよじ登るという感じ。
この険しいルートを下りてくる人も多い。
登山道の脇に「頂上まであと少し」と書かれたプレートを見つけ、気持ちが和んでひと息ついて、上を見て登る。
山頂へ続く狭い岩と岩との間、ハシゴをつたって登った上からは、これまで登ってきたルートを見下ろす景色とは違い、眼下に広がる清里や川上村、雲の上に少し頭を出した富士山が見える。
これまで狭いルートから落ちないようにと気を配っていたのが一気に楽になる。
とはいっても、赤岳山頂は足元が悪いのだけれど。
景色は良い。
赤岳山頂に到着
山頂にある赤岳山頂山荘は北峰と南峰のうちの南峰にあり、赤岳の斜面の真上に建っているだけあって眺望が良い。
山頂なので、目が覚めてすぐに朝日を見ることができ、夜は茅野市街の街明かりを眺めることが出来る。
星を見上げていたところで、カモシカがすぐ後ろを通り過ぎたようだった。
こちらは暗くて何がいたのかも分からないくらいだったのに、さすが野生動物といったところ。
懐中電灯で照らして様子を見ていたのだけれど、人が歩けない崖のような斜面を下りていった。
赤岳から硫黄岳、美濃戸へ下る
赤岳山頂で一泊した後に硫黄岳まで縦走。
赤岳鉱泉へ下りて美濃戸への南沢ルートを歩くことに。
出発は朝6時半。
朝陽を浴びて真っ赤になっていた八ヶ岳は、すっかり緑色に戻っていた。
登りのルートは文三郎尾根から。
下山ルートは逆方向に下りるようになるのだけれど、反対側も結構な急斜面で大きな岩を登るのでは無く、とにかく勾配がきつい鎖場が続く。
こちら側を登ってくるのも大変だろう。
赤岳から硫黄岳へ
赤岳から展望荘まで約20分ほど。ここからアップダウンを繰り返しながら横岳へ。
道はなかなかの険しさ。崖ともいえるようなところに、鉄筋が打ち込まれ、鎖が張られている。
歩ける幅は30センチほどのところも。
下を見ては恐怖でテンションを上がり、崖に張り付くような思いで進む。
そして辿り着いた横岳からの赤岳と阿弥陀岳。
硫黄岳は爆裂火山という。
この火山で千曲川が堰き止められたそうで、たしか小海町の松原湖はそれでできたもの。
とても眺めの良いところで、東側には崩れた火口。その先に佐久の街。
蓼科山や北八ヶ岳が見えて、諏訪湖も見ることができるし、アルプスは北も中央も南も見える。
そして、なんといってもココまで歩いてきた行者小屋から赤岳、横岳を通ってココまできたルートが一望できるのが良い。八ヶ岳の雄大さや、険しさが目に見える。
硫黄岳を過ぎると、完全に下山ルートになる。
赤岳鉱泉まで約1時間ほど。木々の間を森林浴をするように進むルートに。これまで眺めの良い稜線を進んでいたからか、いくら緑の中を歩いているとはいえ、景色が変わらずとても退屈に感じる。
やはり登山は眺めの良いところに行きたい。
11時半頃に赤岳鉱泉へ到着すると、ここから美濃戸山荘までは約1時間半。
八ヶ岳の稜線を十分すぎるほどに楽しんで歩いたので、緑いっぱいの森の中は、見通しが良くなくて退屈に感じてしまう。
美濃戸山荘には12時54分に到着。およそ5時間半ほどの縦走になった。