霧久保沢から登る
茂来山の霧久保沢登山口は、駐車場から15分ほど下りたところにある。
広く整備された駐車場で、まだ先へと続いている林道と登山道の案内板が立ち、駐車場の脇には登山道への入口が示されていた。
林業での整備がされているようで「登山者は青いテープに沿って」という文言が表示してあり、幅2mほどの小さな沢を渡って登山道へと入っていく。
登山道へ入ると表示の通りに青いテープが貼ってあるのが目についた。
左右の立木に青いテープが縛り付けられ、2・3mほどの間隔を開けて次々と青いテープが続く。
テープが多かった
沿っていくことは了解していたものの、まさかこんなにも高い頻度で貼ってあるとも思わなかった。
少し進んで杉林の中へ入っても青いテープは続いていく。
登山道入口から15分ほど、林の中を過ぎて林道と合流した。
本来の登山口はこの林道脇から始まるようで、林道の空いたスペースには3台ほどが停められそうな広さだった。
この登山口から山頂へは2キロとの表示。
車を停めた登山道入口と栃の巨木「コブ太郎」へは、この登山口が中間点になる。
登山口からは緩やかに登り、小さな沢を渡ると登山道は狭く変わる。
右側には斜面が高く続き、たくさんの石が埋まっているのが見える。
左側には沢を見下ろしながらの登り坂が続いていく。
登り坂は緩やかで歩きやすく、このあたりでは積雪量も多くない。
登りが終わると左へ右へと折れ、少し斜面が急になった登山道へと変わる。
山影に隠れるようになり、うっすらと積もっている雪はサラサラと乾燥した状態だった。
コブ太郎から急登
疎らに見える立木の向こう側には、この霧久保沢コースの特長といえるコブ太郎が立っているのが見える。
大きな栃の巨木で、高さは20mを越えるほど。
樹齢は250年を越えるという。
木の前にはデッキがあり、コブ太郎を見上げるようにベンチも置かれていた。
登山道入口からここまでは約30分。
正直なところコブ太郎はもっと大きいと思ってた・・・
コブ太郎を過ぎると登り坂の角度がきつく変わり、5分ほど登って水源を過ぎるといよいよ茂来山らしい急登が始まる。
山影になっている登山道は、ソールほどの積雪でも滑りやすい。
茂来山の斜面は深い樹林帯で、中には折れた巨木の株から何本も木々が生えているところも見られた。
先を見上げると木の影から山の稜線が見え、近い距離にも見ながらも、なかなかに高く近づいていくようにも思えない。
折り返しを繰り返しながら登っていくと、だんだんと枝には白い物が目立ち始め、周りは凍っているように真っ白になっていた。
稜線に出る手前では、差し込み始めた陽に氷が光って綺麗だった。
槙沢との合流
登山道入口から1時間6分ほどで、急登を終えて稜線に出た。
槙沢からの登山道と合流し、山頂はもう目と鼻の先。
尾根沿いに進み、峰をひとつ登るとその先に山頂が見える。
岩が露出した細尾根を渡り、ポコッと突き出た山頂部へと到着した。
茂来山山頂
登山道入口から1時間12分での山頂到着だった。
それまで厚く覆われていた木々が開け周囲の眺望が良い。
ここから見る八ヶ岳は茂来山の象徴的な眺望のひとつで、その先には南アルプスもはっきりとした形で見えた。
見渡すと、北側の眼下に佐久平、その先には浅間山。
浅間山の東側には、荒船山をはじめとして西上州の山々、榛名山や赤城山。
南側へと目を移すと、両神山の鋸状の稜線と、金峰山の五丈岩、瑞牆山の岩峰群を見ることができた。
山頂にはその昔、雨乞いのために建てられた祠があり、その傍らには皇太子陛下の記念碑が置かれていた。
茂来山から先には四方原山があり、さらに縦走路が続く。
いづれはこの先にも興味がある
山頂からの眺め
下山
山頂からの下山は霧久保沢へのピストン。
尾根を下って槙沢と分岐し、急斜面を下りていく。
登りで苦労をした雪の斜面は下りやすく、みるみるうちに山を下りた。
早かった!