根塚遺跡
木島平村に広がる田んぼの中に、こんもりと盛り上がった丘が4つあり、丸く高さのある大塚、平たく広い平塚、小さな小塚と根塚と呼ばれている。
なんの変哲もない小さな丘で、何も気が付かずに素通りしても不思議でないほどの小さな丘で、10mもないほどの高さに数本の木々が生えているだけ。
30年ほどまえに数本の鉄剣や勾玉などが見つかり、その貴重な遺構から長野県指定の文化財になっている。
田んぼの中を通る農道から、根塚の前まで向かうと登り口の下に案内板が建っている。
遺跡としての概要を伝える看板で、知ろうと興味を持つこともなかったことが書かれていた。
その看板のあたりは、少しだけ道幅が広くなっていたため、車2台ほどは停められる。
草が茂り始め、そのなかを木段が続いている。
踏面と蹴上げのあるしっかりとした階段状ではなく、どちらかといえば地面に板が埋められているような、土の斜面の滑り止めのような足元。
傾斜がなだらかで、駆け上がることも簡単にできそうなほど。
登り始めてすぐに左側が平坦になっており、30センチほどの石が2つ意味深に埋まっていた。
遺跡と呼ばれていなければ何の気にもしなかっただろう。
近づいて見ても良い物か分からず、とりあえず眺めるだけ。
平坦なところを見てから少しだけ傾斜がキツくなって、板を踏みしめて登る。
登り口から1分足らず。
根塚の山頂部に着いた。
根塚 山頂
周囲は田んぼばかりで景色を遮る物はない上に高低差もないため、見えるものは大差なく、なんなら少し離れたらもっと眺望の良い場所があるくらい。
ただ登り口と同じような場所から10mほど高くなったことで、少しだけ景色が変わって見えた。
樽川の堤防の向こうに見える斑尾山や妙高山。
南側には高社山。
北側は高い山が遠く、間近には平塚が見えた。
山頂部は平坦で、西側へなだらかに下っている。
一番高いところから少し低くなった部分に、円形の墓が見つかっているそうで、草地の山頂部でも歩き回るのが憚られた。
下山
根塚からの下山は、登ってきた木段をピストンで折り返す。
10mほどところに道があり、下りようと思えばあっという間に終わるような道のり。
下っている最中では、東側にある大塚や木島平村の街並みが見えた。