岩櫃山へ郷原から密岩通りを登る
大河ドラマ「真田丸」の舞台として賑わう東吾妻町郷原。集落の上部から登山道が始まる。
5分ほど離れたところにある駐車場に車を停め、登山口まで歩いていく。
登山口から入ると、枯れ葉が積もりフカフカしたやわらかな登山道が続く。
階段が設けられ歩きやすく整備されているものの傾斜はキツい。
一気に高度を上げて5分ほど経ったところで振り返ると、車を停めた集落は遥か下に見えた。
すぐに最初の鎖場になりゴツゴツとした岩の塊の上に鎖が垂らされている。
捕まらなければ登れないというほどの傾斜ではないので、難なく登っていくことができる。
見上げると下から見ていた岩壁がすぐ近くに聳え、それらに囲まれるようにして急坂を登っていく。
急坂を登り切って稜線に出たのは登山口から20分ほど歩いたところだった。
岩櫃山山頂へ岩の稜線
稜線に出ると左右に高く岩山が聳えていた。山頂方向の岩山へ登る。
相変わらずの急勾配で、岩山のピークが近づくと斜面を巻くように変わった。
左側の岩壁に手を付き、右側には高度感のある崖。見下ろすと登ってきたばかりの密岩通りが見える。
岩を巻くとすぐに分岐点に差し掛かった。
左は密岩通りの難所にあたる天狗のかけ橋。
それを迂回するように右側にも道が続いている。
迂回路を見ても鎖場とハシゴが見えるので、ここは天狗のかけ橋方向へ。
分岐点を巻いていくと、見えていなかった山頂と岩櫃山の稜線を見渡すことができた。
天狗のかけ橋は5mほどの距離ではあるものの、両側が切れ落ちた幅1mにも満たない岩のルート。
最も狭いところは30センチあるかないか。
左側の斜面に足を付くことのできる場所があったので、無理に岩の上を歩かなくても済むが、なかなかの高度感だった。
天狗のかけ橋を過ぎても難所が続く。
丸みのある岩の鎖場を登っていく。
ゴツゴツとしているので足を掛ける場所もあり、とくに難しさは感じないものの、やはり両側が切れ落ちているという高度は緊張感が増す。
登り切ったところでひとつめのピーク。
枝の間から駐車場が見下ろせる。
向かう先には尖った岩の山頂が見える。
鷹の目遺跡の分岐を過ぎ、滑らかな岩の鎖場を登る。
すると岩壁の中に小さな穴が開いており、登山道はそこを潜るように続いていた。
覗くとさらに鎖場が見える。
高さは2mあまり。
鎖場を越えると今度は岩場を下りる。
どうやら山頂直下の岩壁に取り付いているようで、狭さと傾斜のため鎖は張られているものの、岩壁に手をつきながら進んで行く。
登山口から30分ほどで一本松からの登山道と合流。
山頂へは一気に鎖場を登る。
密岩通りというと、天狗のかけ橋が難所として知られているが、体感では山頂へと登る長い鎖場が最も難易度が高い感覚だった。
手足を掛ける場所を見つけやすいので、鎖を使いながら登ることは難しくなかった。
岩櫃山山頂へ
登山口から31分。
岩櫃山の山頂に到着した。
狭い山頂は10人も立てばいっぱいになりそうなほど。
周囲は高い崖になっており、とくに西側の岩壁の真下は、登山口のあった集落になっている。
高度感があり、狭い山頂のために入口以外を鎖で囲まれ、物々しい雰囲気の山頂だった。
下山は岩櫃城趾のある一本松登山口へ
山頂へ取り付く鎖場は、登りよりも下りが難しい。
慣れていれば問題なく下りることもできるだろうが、標高や高低差も低く、鎖場慣れしていない人でも入りやすい山なので、山頂の鎖場は一層の注意が必要。
鎖が2本垂らされているが留め具はカラビナだけで丈夫とはいえ、そこに全体重を預けるのは怖い。
見ているだけでも数人が苦労していた。
山頂から下りると、岩のピークをひとつ越える。
ここを過ぎると難所はなく、比較的穏やかに歩くことができる。
途中、尾根通りの分岐に差し掛かり、ここを沢通りへ。岩壁に囲まれながらの下山路で、独特の景色を楽しむことができた。
登山口に近づくと、岩櫃城の見物にやってきている観光客も多く見られ、城跡周辺ではたくさんの人が歩いていた。
岩櫃城は現在では地形の変化しか見られない城跡となっているが、やはり山の形状や登山道の様子からも当時の様子を感じたい。