権現岳

2715m

天女山登山口 2014年4月15日

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登り
天女山登山口
下り
天女山登山口
最高標高
2715m
登山口標高
1375m
距離
12.33km
累積標高
1464m
1477m
平均斜度
13.4度
時季
2014年4月
天気
晴れ
日程
日帰り
水の量
水2l 水900ml
歩いた時間
登り3:30/下り1:50/合計5:20
平均歩速
2.38km/h

この日のペース

  1. 天女山
  2. 前三ツ頭
  3. 三ツ頭
  4. 権現岳山頂(3:30)
  5. 三ツ頭
  6. 前三ツ頭
  7. 天女山(5:20)

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※距離と「登り+下り」の累積標高から計算した目安の値です。
※雪質・気温・荷物の重さ・歩くペースなどにより、実際の消費カロリーは大きく変動します。

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長野県側からは赤岳や阿弥陀岳の影になってしまい、存在感の薄い山という印象がありましたが、非常に歩き甲斐のあるルートでした。
とくに三ツ頭までの登りは、そこまででも価値があるのではないかと思うほど。
眺めも非常に良かったです。
権現岳から見る八ヶ岳は、ここから先の縦走を考えてしまうほどにワクワクさせてもらいました。

頂いたコメント

情報はありがたいです。

富士山を背にして急登を登る

権現岳は八ヶ岳の南端に位置する標高2715mの山。
山頂付近は急峻な岩が立ち並び、その名の通りに信仰の山の雰囲気が感じられる。
赤岳からの縦走ルートを始めとして、西側の編笠山を経由するルートや東側の切り立った岩壁を上るルートなどバリエーションに富んでいる。

八ヶ岳南端のため、その距離感からか長野方面からは大きさは感じられず、山梨方面からは赤岳よりも前に聳え大きな迫力を感じる。
見る方角によって険しさや山容が違い、ただ近づくほどに存在が強く感じられるところは、権現岳に魅せられる理由のひとつ。

残雪期の権現岳へ天女山から登る

天女山からのルートは、JR大泉駅からもほど近い天女山の登山口から登る。
4月下旬までは通行止めになっているため、八ヶ岳横断道路の脇にある10台ほどが停められるスペースに車を置いてゲートを潜っていく。
標高1375mの表示。
天女山登山道はここから約1400mの急登を登っていくルートになる。

舗装された道路から木段を上ると落葉松の落ち葉が積もったフカフカの道に変わる。
落葉松の隙間から陽が差し込んでとても気持ちが良い。
見渡すと南アルプスや秩父の山並みをチラチラと見ることができる。

天女山の山頂へは10分ほど。
山頂といっても東屋とベンチが置かれた開かれた場所で、山頂より上に30台ほどが停められる整備された駐車場がある。
夏はここからスタートができる。

天女山を過ぎて三ツ頭へ

天女山を過ぎると、いよいよ本格的に登山道に入っていく。
日影にはところどころ雪が残り、霜柱が立っていた。振り返れば富士山が見える。
駐車場から10分で天の河原へ到着した。
ベンチが置かれて木も開けているので富士山と南アルプスの全てが見渡せるような眺め。
天の河原を過ぎて行くと徐々に周りの雪が増えていく。

周りの木が開けた場所では目の前にはこれから登る三ツ頭、その先に権現岳が見える。
これから目指す場所を確認した後、さらに登っていくと広かった登山道は、雪に覆われてトレースも消えてしまう。
雪の上なのでどこでも歩ける反面、誤ると足首の上あたりまえでは埋まってしまう。
トレースが無い中でも赤いリボンが付けられているので、それを目印に緩やかな斜面を登っていく。

三ツ頭までの急登

海抜一八〇〇の石碑を過ぎると一旦斜面は下りになり、斜面は急な勾配に徐々に変わっていく。
勾配がきつくなっていくのに変わり、トレースがハッキリと見えるようになった。
標高2000mの看板を過ぎると、勾配はさらに急になっていく。
つま先をしっかりと蹴り込み、雪に食いつかせながら登る。
ほぼ真っ直ぐに登っていく急登は、滑り落ちそうな印象と高度感がある。
木の間からは赤岳がチラチラと見えるようになった。

急登にさしかかって約40分。登山口から2時間弱。
「ここが一番きつい」の看板が見えた。
落葉松の隙間から見える南アルプスも、だんだんと視線と同じ高さになってきた。
この先20分ほどで前三ツ頭が見える。
この時点で相当に急登を登っているので、三ツ頭が待ち遠しくなっているが、見えるのは前三ツ頭なのがポイント。
権現岳が見える三ツ頭はさらに先。

看板から5分ほどで一気に景色が開けた。
足元には火山岩が転がって、それまでの足元に笹が埋まっている様子とは一変する。
北杜市を一望できるこの場所で、雲に浮かぶ富士山と南アルプスがよく見える。
そして行く先には前三ツ頭。

このあたりでは雪面に三角形がいくつも立っていた。
おそらく木から落ちる水滴によって造られたもの。
ぽつぽつと落ちた水が雪を溶かしてこの三角形が広がっているのだろう。

看板から25分。前三ツ頭に到着した。
さらに上に三ツ頭。
ここまで随分と急登を登ってきているので、気を抜くとここから先に登って行けないような気持ちにもなる。
この高さまで来ると周りを囲む木の種類も変わってだいぶ景色が開ける。
すぐ近くには編笠山が見え、その直下には青年小屋。
御嶽山と北アルプス、中央アルプスが並ぶ。

三ツ頭からの眺望

登山口から約2時間半。
三ツ頭に到着すると、目の前に大きく権現岳と赤岳が見えた。
権現岳からキレットを右へ過ぎて赤岳。
その間の奥には阿弥陀岳と、南八ヶ岳のごつごつとした山容が遠近感を持って並ぶと迫力がある。

権現岳と赤岳を眺めながらルートはここから下る。
ルートの右側は雪庇になっているため踏み抜かないよう、先端に気をつけながら木の中に戻っていく。
雪解けが進んでいるためかトレースが消え、林の中の至る所に足跡のような凹凸が見える。
下っていた斜面は徐々に登りに変わって急登が始まる。
ルートの右側は切れ落ちているため雪庇になっている。
極力左側を歩くようにしながら、雪の急斜面を登る。

この付近は風が強く当たるために積雪量が少ないのか、ところどころ雪が解けて土と岩が露出していた。
ピークをひとつ巻くようにして、さらの登っていく。
三ツ頭から近く見えた権現岳までは意外と距離を感じた。
緩斜面と急斜面を繰り返し山頂に近づいていく。

権現岳への登りルート

核心部といわれる場所は、山頂直下のトラバース気味に登っていく箇所。
雪が緩く足が埋まるほどなので、踏み外して滑落する恐れは少ないものの、片足ほどの幅で斜面を横断するのは危険箇所と言われるだけあって高度感もある。
トラバースを過ぎると雪は一気に減り、アイゼンの必要も無いほどに岩とハイマツが露出している。

すぐそこに見える山頂の岩。
その下には石の祠があり神像が収められていた。

権現岳山頂へ

登山口から3時間15分。山頂に到着。
権現岳の看板と、金比羅大権現の石碑。剣のような形の金属板が置かれていた。
山頂はこの巨岩で構成されているようで、落下しないように気をつけて上に立つと、南北八ヶ岳の距離感や位置を見ることができなかなかに壮観だった。
まさに360度の眺望で、眼下には北杜市と茅野市を眺めることができた。

三ツ頭の下にビールの空き缶と、ビニール袋の切れ端が散らかっていました。
登山は大勢の人が楽しむものだと思いますが、街から持ち込んだものを置いてくる場所ではありません。
人間以外の生き物が多く住む自然の豊かな場所です。
故意でないとしてもゴミは出した人がしっかりと持ち帰るようにお願いします。

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