北沢峠から仙丈ヶ岳へ登る
登山口の北沢峠までは、伊那市の戸台口からバスに乗る。
1時間に一本で始発は6時から。
登山者が多いこの時期は状況に応じて臨時便も出るようで、この日は始発から3本のバスが発車した。
約2,000m地点までバスに揺られる道中、車窓からは木曽駒ヶ岳や中央アルプス。
バスが向きを変えると、甲斐駒ヶ岳や鋸岳が見える。
標高2,000m以下のところまで下がってきた紅葉は見事で、バスの中から眺望を楽しむことができる。
北沢峠には山梨側からのバスも到着するため登山者で溢れていた。
道路を挟んで左側は甲斐駒ヶ岳への登山口。
右側は仙丈ヶ岳。
仙丈ヶ岳への登山口から10分ほどは急な斜面が続く。
一合目の看板を過ぎるとしばらくは緩やかな樹林帯の登山道に変わる。
五合目まで続く急登
木の間からは雪をかぶった北岳が見える。
二合目を過ぎた辺りから緩やかな斜面はだんだんと勾配がきつくなり、足元には大きな石が目立つように。
右へ左へと折り返しながら標高を上げていく。
鳳凰三山が見えるようになり、双児山の影になっていた甲斐駒ヶ岳の様子も見える。
スタートから1時間20分ほど。
五合目に到着した。
五合目は馬の背へと続く藪沢ルートと、小仙丈ヶ岳の尾根ルートとの分岐点になっている。
降雪があったため藪沢ルートは通行止めになっていた。
小仙丈尾根
五合目を過ぎると大きな石と段差のある登山道に変わる。
標高も高くなり、あちらこちらに雪が残っている。
五合目からは真っ直ぐに尾根へと登っていくルートで、樹林帯を抜けると一気に眺望が開ける。
左を見れば南アルプスの山々が聳え、右側には御嶽山や北アルプスが並んでいる。
樹林帯を抜けたところは広く開けているため、景色を眺めるのにもちょうど良い。
すぐ上には小仙丈ヶ岳の丸い峰が見える。
樹林帯を抜けた登山道には雪がかぶり、足元は滑りやすくなっている。
15分ほど雪のガレ場を登ると小仙丈尾根に到着した。
尾根を通って仙丈ヶ岳山頂へ
小仙丈尾根からは広く景色も良いため休憩にはちょうど良い。
遮るものが無いので強く風が当たることもあるものの、絶好の眺めを楽しめる。
北岳と富士山が重なって見えるのもこの場所ならでは。
甲斐駒ヶ岳の白い山容を眺めるのも良い。
小仙丈ヶ岳からはアップダウンのある尾根を歩く。
岩場も若干通り、このルートの中で唯一の危険が伴う場所。
雪を被った石の上に、気をつけながら足を置いて尾根を進む。
岩場を過ぎるとカールを囲む尾根へ。
途中、仙丈小屋への分岐を過ぎ、仙丈ヶ岳の山頂を眺めながら登っていく。
仙丈ヶ岳の山頂
スタートから2時間30分。仙丈ヶ岳の山頂に到着した。
仙丈ヶ岳の山頂からは360度の眺望が楽しめ、西側の眼下には伊那谷の街が見える。
遠く白馬三山や妙高山を見渡すことができ、東側には北杜市が見えた。
富士山や北岳、間ノ岳と標高上位3つの山も良く見渡すことができた。
下山ルートは仙丈小屋を経由
山頂からの下山ルートは仙丈小屋へ。
下りでは約10分ほど。
小屋締めを目前に控えた仙丈小屋ではオリジナルグッズも売り切れになっていた。
カールから仙丈ヶ岳を見上げながら、ここで休憩を取り小仙丈ヶ岳へと向かって登りの道へと戻っていく。
陽が高くなり、周りの景色もよく見え、2000mを越える稜線から周囲の山並を楽しんだ。