荒沢岳

1968m

銀山平 2015年10月5日

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登り
銀山平
下り
銀山平
最高標高
1968m
登山口標高
760m
距離
9.30km
累積標高
1392m
1391m
平均斜度
14.9度
時季
2015年10月
天気
晴れ
日程
日帰り
水の量
水2l 水900ml
歩いた時間
登り3:13/下り2:04/合計5:17
平均歩速
1.76km/h

この日のペース

  1. 銀山平
  2. 前山
  3. 前嵓
  4. 荒沢岳 山頂(3:13)
  5. 前嵓
  6. 前山
  7. 銀山平(5:17)

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噂通りの鎖場の多さでした。
荒沢岳の前嵓か、八海山の屏風道かという比較をされるようですが、どちらも険しく大変な登山道だと思います。
ただ荒沢岳は前嵓を過ぎれば気が楽になると思いました。鎖場を過ぎれば歩きやすい登山道で、景色もとても良かったです。雲の無い日に山頂から景色を見たいと思いました。

まさに鎖天国

奥只見に聳える鋭鋒で日本二百名山のひとつ。
雪が高く降り積もる山深い山のせいか登山ルートは少なく、駒ヶ岳や中岳からの縦走路の他、直接荒沢岳へと続くルートは銀山平からの登山口のみ。
その銀山平からの登山ルートも、登山口から約300mを直登する前山と、1,536m地点へ鎖場とハシゴが連続する前嵓と険しく続いている。

荒沢岳の登山口は銀山平。
魚沼の小出ICから国道352を奥只見へ向かう。
トンネルの連続する奥只見シルバーラインへ入ったら銀山平キャンプ場を目指す。

荒沢岳へ銀山平から登る

荒沢岳の登山口は、只見湖の畔にある伝之助小屋管理の駐車場から。
そう広くはないものの10台ほどは余裕で停められる。すぐ横に綺麗に清掃されたトイレも整っている。
トイレの横に建てられた看板で高低差や所要時間を確認しながら登山ルートへ。

まずは目の前に大きく聳える前山を目指す。

前山への急登

背の高い植物に囲まれて進み、小川を渡ると登山ルートはいきなりの急勾配。
斜面をトラバースするように狭いルート。
谷側へ足を滑らせればは5mほどは滑落する。
九十九折りに登りながら、だんだんと登山ルートは直登の雰囲気に変わっていく。
草木が刈り払われて整備された登山ルートは歩きやすく、徐々に色づき始めた葉を楽しみながら登る。
濡れた落ち葉で若干足元が滑る。

登山口から前山までの高低差は約330m。
ほぼまっすぐに登っていく登山道で、前山まで急登が続く。
登ってきた後ろを振り返ると、駐車場や只見湖が遥か下に見え、短時間で登ってきた高さに驚いた。

登山口から30分ほどで前山に到着。
まず目に入るのは大きな越後駒ヶ岳。
この日は山頂部が雲に覆われていたものの、どっしりとした山容が存在感を示している。
登山道から左に目を移すと遠くに目指す荒沢岳が見える。
そう距離も離れていないはず。
ただ遠くに見え、荒沢岳の前に立ちふさがるように前嵓の尖った岩壁がそそり立っていた。

前山から前嵓へはアップダウンを繰り返しながら、4つほどのピークを越えていく。
いったん前山を下り、広く歩きやすい尾根を進んでいく。

2つ目のピークは20分ほど。
アップダウンもそう急な勾配はなく、前山までの急登を終えた後だからか難なくピークを越えていくことができた。
遠くに見えていた荒沢岳がだんだんと近くに見え、それに従って前嵓が大きく壁のように進む先の視界に入ってくる。
あの岩壁のどこにルートがあるのかと目を凝らしながら進んでいく。
前山からは約40分、前嵓の取り付きに辿り着いた。

前嵓

尾根ルートを緩やかに下って前嵓へ取り付くとさっそく狭い岩場。
これを超えて少し登ると最初の鎖場になった。3mほどの高さで足を掛ける場所にも困らない。
ただ狭さのため谷側に高度が感じられた。

最初の鎖場を終えるとすぐに2つ目の鎖場が続く。
2つ目は谷に背を向けるようにして岩を登っていく。
2つめの鎖場に続くようにハシゴを登る。
鎖場をいったん終え、狭い登山ルートを上っていくとすぐに鎖場に。そこに続くハシゴは途中で折れ曲がった状態で取り付けられている。
壊れた物なのか、ルートの地形からこの形状になったのか固定されていることを確認してハシゴと登る。

鎖場とハシゴを連続しながら上を目指して登っていくこと15分。
目の前が開けた。

ちょうど前嵓の半分ほどの尾根。両側が切れ落ちた場所で大きな木も無いのでとても眺めが良い。
前山では遠く見えた荒沢岳が、かなり近くに感じるようになった。
ただしここからが前嵓の核心部。

尾根からいったん下るルートは滑りやすいスラブ上の岩場。
雨が流れたあとか、土が崩れ落ちて草が倒れた様子が滑落した跡にも見える。

見上げると真上には岩壁があり、落石に注意をしながら先を急ぐ。
下りきったところから続く長い鎖場は、急斜面をトラバースするように登っていくルート。
水が染み出しているため滑りやすいのではないかという心配をしながら一歩ずつ上へ。
谷側は遥か下に沢が流れているのが見える。
おそらくこの長いトラバースを過ぎれば鎖場は終わりだろうと考えながら、要注意をして登り切ったところにさらに鎖が続いていた。
谷側に背を向けて登る斜面だったので高さを感じることもなく、これまでに比べたら難しさも感じない。
ただ急な斜面が続いていることには変わりはなく、この鎖場で足を踏み外したら、鎖が外れたらとどこで止まることができるのかと思うと気が抜けなかった。

前嵓の取り付きから約50分。
長い長い鎖場の連続を登って岩壁の上に到着した。

荒沢岳への稜線

前嵓からは眺望が素晴らしく、視線を遮るものの無い越後駒ヶ岳を眺めることができ、いま目指している荒沢岳もよく見えた。
大きな只見湖とそこに浮かぶ遊覧船が気持ち良さそうで、湖の先に会津の山並みが続いていた。

荒沢岳へは前嵓から稜線を進んでいく。
高低差は約400m。
すぐ近くに聳える荒沢岳がまるで壁のように大きく高く見えた。
難しいルートではないが、高い段差と滑りやすい足元に注意しながら稜線を登っていく。

前嵓から眺めた景色は標高を上げていくごとに角度を変えて、どんどんと様子が変わっていく。
40分ほどで急登を登り切り、山頂を横に見渡す尾根に出た。

尾根は狭くすれ違いにも気を遣うほど。
勾配のキツイ斜面だった分、尾根から足を踏み外せば簡単に滑落してしまう。
ルート上の目の前に切り立った岩をトラバース。
そして、最後に3mほどの鎖場を登るといよいよ目の前に山頂が見えてくる。
大きな石が積み重なったような岩場を登り、ようやく荒沢岳山頂に到着した。

荒沢岳山頂

登山口からは3時間13分。
前嵓から1時間近く掛かっての到着だった。

山頂部分は狭く、真ん中に石の標が建てられているのみ。
雲の多い天気ながらも見晴らしが良く、越後駒ヶ岳の大きさや、中岳との稜線の間に見える八海山。
眼下に広がる紅葉が綺麗だった。

下山

しばらく山頂での景色を堪能して登ってきたルートをピストンで下山開始。
苦労して登ってきた前嵓の鎖場を、今度は降りるのかと思うと気が引き締まる。
それ以前に山頂直下の急登も、降りるのには注意が必要だった。

日程に余裕があれば中岳など三山を楽しみたいルートだった。

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荒沢岳の前嵓が目の前に迫る

荒沢岳の前嵓が目の前に迫る

数少ないながらも二百名山もいくつか登りました。
登ってみれば山容も景色も登山道も、百名山に見劣りするところはひとつもないほどの名山ばかりという印象です。
中でも荒沢岳は八海山を登った後から興味が湧き上がり、必ず登らなければならない山と思うようになりました。

八海山の屏風道は荒沢岳の前嵓の序章に過ぎない

どこで書かれていたか忘れてしまいましたが、そう言及しているブログがありました。鎖場と岩場の連続する八海山の中でも険しい部類に入る屏風道。
その険しいルートですら荒沢岳の前嵓と比較すれば、序の口ということでしょうか。
八海山を登ったことで、てっきり魚沼の難関は制したと思っていました。
ところが実は荒沢岳の前嵓というボスが控えていることを知り、安全第一でチャレンジをしてみようと思いました。

前嵓は緊張の連続

事前の情報で、前嵓は鎖場がいくつも続くばかりだけではなく、ハシゴも交互に登場すると分かりました。しかも岩に打ち込まれたハシゴとというよりは斜面に括り付けたようなところもあるような・・・。
北アルプスのようにはいかないところが二百名山らしいです。アクセスも銀山平というインターチェンジから少し距離のあるところ。
思いのほか時間を掛けながら登山口に到着して、ゆるやかにピークを越えていくと、徐々に前嵓が目の前に迫ってきます。
その迫力と高まる緊張感は、山頂に到着する前に気持ちがピークに達してしまうようでした。

実際、足元と手元に注意をし、先を歩く人にも後からくる人にも興味を持っていれば、事故が起きることは無いと思います。
登山ツアーで訪れる人たちもいるほど。

そうはいっても、前嵓が目の前に迫ってくるときの緊張感は、荒沢岳というカッコイイ山容をさらに際立たせるようで強く印象に残りました。

後日、平ヶ岳の鷹ノ巣という同等レベルの難易度の登山道があることを知りました。

下山後に立ち寄った温泉

銀山平温泉 白銀の湯

銀山平森林公園の中にある日帰り温泉で、自然に囲まれた静かな環境で温泉を楽しむことができる。
1階には休憩室があり、2階には浴室。
大きな内湯は内湯はぬるめの掛け流し、露天風呂があるためは景色を眺めながらのんびりと湯につかることができる。
露天風呂からは越後駒ヶ岳や中ノ岳を眺めることができる。

山に囲まれた谷の狭間にあるので、山奥の温泉という雰囲気でした。
まわりにはログハウスがたくさん建っているので、温泉の建物と混ざっていて発見するまで周囲を見回しました。
建物は木の質感が生きた感じで、フローリングの木目が綺麗でした。
2階に温泉があるのも初めてで、決して広くは無いですが落ち着いて汗を流せる温泉でした。

同じ時季に登った山