妙高山を北地獄谷から登山
燕温泉へは上信越道妙高高原ICから。
国道39号線から向かうことができるが、池ノ平温泉や赤倉温泉など温泉地が多く、妙高高原スカイケーブルなど間違いやすいポイントもあるので注意したい。
賑やかな温泉地から山深い温泉地を目指して向かっていく印象だった。
燕温泉から登るには、温泉地の手前に広い無料駐車場があり、遅い時間でなければ停められないことはない。
温泉地を抜け、狭く急な舗装の道路を上ったところに登山口はある。
入口からは一気に道幅も狭くなり、舗装されているものの、人がすれ違うのがやっとというくらいの幅。
草木が生い茂っているのであまり実感は無かったのだけれど、この狭い道幅の下は落ちたら助かることが無さそうなくらいの高い崖になっている。
足元に気をつけながら、温泉の源泉を通り、いよいよ本格的な山道に入っていく。
登山道のすぐ横にある三角の小屋が赤倉温泉の源泉だという。
たしかにここまで硫黄クサイ。
登るのにとっても気になる臭さ。
天候にも恵まれているおかげで、上の方に見える紅葉がとても綺麗。
ちょうど良い季節だった。
頭上を見上げても向かいの山を見ても赤くなった葉っぱと、さらに上をみれば葉が散り始めた木々と。
秋のこの景色は毎年何度見てもキレイ。
妙高山の難関「胸突八丁」
登りはじめから1時間20分ほどで胸突八丁に到着。
約360mほどの標高差を20〜30分ほどで登る。
この急登をどれくらいの時間で登ることができるのかがちょっとしたチャレンジ。
4合目から6合目にかけての急登が序盤の難所。
紅葉が見やすく、登山道上には広くなっているところもあるので、登る前に休憩を取るのにもちょうど良い。
胸突八丁を登り切ったところは天狗堂という小さな祠のある6合目。
ここが赤倉温泉からのルートと、燕温泉からのルートの合流地点になる。
広くなっているので急登のあとの休憩を取る人が多い。
胸突八丁を過ぎると7合目近くの光善寺池、8合目の風穴は早くわりと簡単に登っていける。
登山道は相変わらず広くなく、滑りやすいので、すれ違いや前を行く登山者には注意したい。
光善寺池からは山頂がよく見える。
休みづらい場所なので見上げたまま歩みを停めずに過ぎて行くのだけれど、おそらく登山道の中で頂上を見るのにはベストな場所。
七合目を過ぎると勾配がキツく変わっていく。
途中、団体に道を譲ってもらい、ペースを乱しながら上を見上げる。
あの中腹に鎖場があり、残り400mほどの高さは近いようでなかなか遠い。
胸突き八丁が一番の難所のように目にしたけれど、実は8合目から9合目の長い急登が一番キツイ。
足元の狭い鎖場
鎖場は9合目から。
ここで息を整えてチャレンジする人も多い。
すれ違いができないので、下りてくる人がいないかどうか確かめてから登り始める。
中学で登っているはずだけど記憶が僅かに蘇る
3箇所ほどの鎖場が連続するこの場所は、最初は鎖に頼らなくても三点支持で登れそうな傾斜。
2番目の鎖場は、大きな岩に足を掛ける窪みが出来ている。
こんなに足がしっかりと掛けられるほどに多くの人が歩いたのだろうと想像した。
そこから幅20センチほどの鎖場へ続く。
遮るものが無いので見渡せば最高の眺望なはずなのだけれど、踏み外せば間違いなく救助では間に合わないほどの大事故になるので、足元と手元だけを確認しながら進む。
鎖場から先は草木もほとんど無く、砂地と岩のルートに変わる。
妙高山頂
鎖場を過ぎると山頂はすぐ。
妙高山の山頂は北峰と南峰に分かれている。
南峰には妙高山大神が祀られており、北峰には三角点が置かれている。
標高は南峰の方が10m高くなっているが、山頂は北峰とされている。
北峰と南峰と広い山頂なので休憩もしやすく、ベストな眺望を楽しむために歩き回ることのできる楽しみがある。
山頂からは北には日本海が見え、東側には長野県の北部。斑尾山や野尻湖がよく見える。
東側は北アルプスの稜線が見え、とても眺めが良い。
妙高山の下りは燕新道へ
山頂への所要時間は、スタートしてから2時間40分だった。
下りのルートに選んだ燕新道は、妙高山の東側から上るルート。
温泉地からは見えないので、山の裏側へ廻るという印象が強い。
こちらは鎖場はないものの、大きな石が食い込んだ急な坂が続く。
距離もこちらの方が長い。
山頂から下りはじめて2時間ほど、黒沢池への分岐点を過ぎて長助池に到着した。
池というよりも湿地のような感じだった。
ここからスタート地点の燕温泉へは5キロほど。
長くだらだらとした下りが続く。
眺望も良くはないので、下りに選ぶと疲労感とともに忍耐力も必要になる。
麻平で胸突八丁へと続く燕登山道への分岐があり、1合目の標識。
燕温泉が近いこともあり、だんだんと硫黄の匂いが漂ってくると安心する。
登山口近くには河原の湯という混浴の温泉があるため、温泉客とすれ違いながら吊り橋を渡る。
ココまで来ると足元も良くなり、数分ほどで燕温泉に到着できる。
延々と続く下山道は、とにかく長くて長くて、ところどころで見える標識のちょっとずつ減っていく残り距離が楽しみだった。