戸隠山

1904m

奥社から蟻の塔渡り・剣の刃渡りへ

奥社登山口 2014年10月25日

戸隠山 登山 (10月)|崖のような鎖場と蟻の塔渡りの高度感
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戸隠山は長野市からも眺めることのできる1,904mの山。
南北にいくつもの峰が連なっており、北側には百名山に数えられる高妻山、一不動の鞍部を過ぎて九頭竜山。
南側には本院岳、西岳と険しい山が続く。
日本200名山のひとつに数えられ、北信五岳のうちの一座として長野県北部を代表する山のひとつになっている。

戸隠山といえば、信仰の対象になるほどの険しい岩場。
戸隠神社の参道もあり、登山口からの高低差はそう高くは感じないものの、蟻の塔渡りをはじめとして勾配のキツイ鎖場が多く、また高さのあるナイフリッジも通過する。
戸隠山登山の醍醐味といえばその通りではあるものの、危険箇所が連続するため、十分な準備をして向かいたい。

登り
戸隠神社奥社
下り
九頭竜山一不動
最高標高
1904m
登山口標高
1170m
距離
10.73km
累積標高
912m
910m
平均斜度
9.1度
時季
2014年10月
天気
晴れ
日程
日帰り
歩行ペース
登り2:30/下り2:10/合計4:40
平均の歩行速度
2.39km/h

この日のペース

  1. 戸隠牧場
  2. 奥社入口(0:27)
  3. 随神門(0:39)
  4. 奥社(0:54)
  5. 百間長屋(1:28)
  6. 蟻の塔渡り(2:03)
  7. 八方睨(2:22)
  8. 戸隠山(2:30)
  9. 九頭竜山(2:58)
  10. 一不動避難小屋(3:34)
  11. 戸隠牧場(4:40)

歩いたコース

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山と高原地図 妙高・戸隠・雨飾 火打山・高妻山・信越トレイル
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戸隠山は市街地からも見上げられますし、特徴的な形状の山で魅力的です。
ただ登らなくてもその険しさは噂に聞くほどで、特に「蟻の塔渡り」と「剣の刃渡り」の高度感はすごかったというひとことです。
そして何よりも、その2箇所以外にもある鎖場の直登箇所が多いことにも驚きました。
高い所が苦手な方は避けた方が良いと思います。
ただ高さの代わりに登山道や八方睨みからの眺めは抜群でした。
戸隠山を囲む山々が綺麗に見えます。

使った登山道具

持って行った水の量

戸隠山へ戸隠神社奥社から登山

主な登山口は戸隠神社奥社から。
長野市街から飯綱高原へと向かい、さらに北上して戸隠へ。
最も山頂に近い登山口の戸隠神社参道入口は参拝者で混み合うことも考えられたため、戸隠キャンプ場の入口にある駐車場へ車を停める。
参拝者が多く訪れるため有料の駐車場はすぐにいっぱいに。

登山での駐車場利用ということもあり、長時間になるので高妻山の登山にも使用する戸隠キャンプ場に駐車した。
そこから林道を通って参道へ。

戸隠牧場からさかさ川歩道を通って奥社へ

奥社へは車道を通って向かうこともできるが、通行量も多く危ないため遊歩道を通っていく。
「熊に注意」の看板を過ぎ、湿地に掛けられた木道を進んでいく。
アップダウンが少なく歩きやすい遊歩道で、木々に囲まれながら歩くのは気持ちが良い。

遊歩道を歩くこと約30分。
戸隠神社奥社の鳥居前に出た。
ここからは参拝者も多い。真っ直ぐに伸びている並木の杉は、とても太く大きなものばかりで雰囲気も良い。
鳥居から10分ほどで随神門に到着。

緩やかな坂道を登っていくことさらに15分ほど。
戸隠神社奥社に到着した。
社務所の下から本格的な登山口へ入っていく。

奥社から蟻の塔渡りへ

戸隠山への登山口に入るといきなり急登が始まる。
急な坂道は一気に尾根へと上がっていく。
右側には戸隠山へと繋がる九頭竜山の岩壁が見える。
木の葉の積もった登山道をどんどん登っていく。

30分ほどの急登を登ると、目の前には大きな岩肌が見えた。
短い鎖場を登って岩の真下に出ると、根元を刳り抜かれたようになっている。

岩を左へ回り込むように進むと、刳り抜かれたような穴が長く続く百間長屋に到着した。
岩を庇にするように地蔵が祀られている。
緩やかな坂道の百間長屋を過ぎると再び笹の広がる急登に。西屈を過ぎるといよいよ戸隠山の核心部に近づいて行く。

高く真っ直ぐな鎖場。角度はキツくないため鎖に頼らず登れる。
登り切ったところで右へ折れる登山道には、さらに鎖場が続いている。
足を掛けるところの少ない岩壁をトラバースするように鎖が繋がっている。

連続する鎖場を登り切って尾根に出ると、北アルプスの眺望が広がっていた。
遠く霞んだ先に槍ヶ岳が見える。

いくつも続く鎖場は、中には長く一本の鎖が繋がれているだけで、一人ずつが登るのを待つ必要がある箇所も。
鎖だけに頼らないように足元と手元を確認しながら登る長い鎖場はクライミングをしているよう。
足元を確認すれば登山口まで見える高度感。

最も注意が必要な箇所とされている蟻の塔渡りまでは登山口から2時間ほどだった。

蟻の塔渡りから八方睨

山頂がすぐ近くに見える八方睨の直下に戸隠神社奥社からのルートで最難度と言われる蟻の塔渡りがある。
長さは約20m。幅50cmにも満たないほどの狭いナイフリッジ。
左右は真下まで落ちている。
右側下に鎖が繋がれた巻き道があるとはいっても、たいていの登山者は蟻の塔渡りにチャレンジする。
この狭さと高度感にナイフリッジを跨いで手を突きながら進む人がほとんど。

ゴツゴツとした岩は足を滑らせて歩くこともできないため、高い所が苦手な人は巻き道がお勧め。
巻き道でも十分に高度感がある。

蟻の塔渡りを過ぎて振り返ると、その狭さと高さがさらに感じられる。
この狭さと高さを感じたあと、八方睨への岩場へは難しさを感じること無く登ることができる。

広く見晴の良い八方睨は、その名前の通り360度の眺望があり、白馬岳から後立山の山々。
中央アルプスや南アルプス、富士山がよく見える。
長野市街地からは戸隠山の背後に聳える高妻山も、この場所からは大きく尖って見える。

戸隠山山頂

八方睨を降り、ふたたび登り坂を進むと戸隠山に到着。
駐車場からは2時間30分ほど。
奥社入り口からは2時間ほどでの到着だった。

山頂部は休憩するには狭く、登山者が多いとゆっくりとできる雰囲気では無い。
さきほど経由してきた八方睨のユニークな形を眺め、黒姫山や妙高山、志賀高原の峰々などの眺望が楽しめる。

ここから一不動へのルートは、細かなアップダウンを繰り返していく。

戸隠牧場への下山道

戸隠山から峰続きになっている九頭竜山へ向かって尾根を歩いて行く。
右側は岩の岩壁で真下には戸隠神社の参道が見える。
登ってきた登山道を見ることができ、蟻の塔渡りを歩く様子も見られた。

戸隠山を登ったあとの九頭竜山へのアップダウンは足腰に堪える。
九頭竜山を過ぎても上り下りは続く。
水分を含みやすい地質のようで、所々がぬかるみ水が溜まっている箇所もあった。
右側にはずっと崖が続くので眺めが良い反面で、体が右側に振られないように注意。
とはいえ狭さは無いので危険というほどでも無い。

下山ルートの目安になる一不動は、戸隠山山頂から一時間ほど。
一不動の避難小屋は高妻山からの登山道の合流地点にもなっている。
避難小屋を過ぎ、不動滝の鎖場を過ぎると主だった危険箇所は終了。
何度か沢を跨ぐルートなので転倒に注意。

山頂からの下山は約2時間。戸隠牧場に到着した。

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戸隠山の蟻の塔渡り

戸隠山の蟻の塔渡り

戸隠山といえば「蟻の塔渡り」と連想するくらいに有名な箇所です。
NHK BSのグレートラバース2では「蟻の戸渡り」と紹介されていましたが、正しくは「塔渡り」です。そんな突っ込みを入れながら見ていた地点ですが、見た目の通り狭く細い場所でした。
振り返ってみれば飯縄山や鏡池への眺望が素晴らしく、立ち止まって景色を堪能したいところなのですが、それ以上に高度感と足場の悪さが際立ちます。
慣れている人には何てことのないような様子も目にするのですが、やはりここの恐怖心はすごかったです。蟻の塔渡りを過ぎてからは、剣の刃渡りというさらに細いナイフリッジが待っています。そう長い距離ではないですが、やはり左右が切れ落ちているというのはコワイです。 どうしても歩けない人には、蟻の戸渡りの真下に鎖を張ったルートが用意されています。それでも危険な場所には変わりないですが・・・・

戸隠山のこのルートは登る前から散々に脅されてはいましたが、幸か不幸か天候に恵まれて眼下もよく見える蟻の塔渡りになりました。

下山後に立ち寄った温泉

戸隠神告げ温泉 湯行館

休憩所では手打ち蕎麦や郷土料理が楽しめる温泉施設。
浴槽に浸かりながら大きな窓から緑を眺めることができる。
近くには戸隠神社駐車やチビッ子忍者村がある、

戸隠周辺の山からの帰りには、駐車場の広い神告げ温泉が便利です。
館内の温泉は内湯のみで大きな浴室とはいえないですが、落ち着いた雰囲気で温泉に浸かれました。
湯温計が壊れていたので温度は分からないのですが、山で冷えた体にも浸かりやすい温度でちょうど良かったです。
建っているところは駐車から奥へ入った場所で、ちょっと奥にあるので分かりづらいです。

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