苗場山へ小赤沢の三合目登山口から
最も山頂に近い登山口は小赤沢からの三合目。
登りの予定時間は3時間ほど。
100台の駐車ができるという登山口前に車を停め登山道へ入っていく。
季節は早めの紅葉が始まった台風直後の秋。
登山口から黄色くなった葉が周りにチラチラと見え、足元には朝まで降った雨が大量の水溜りになっている。
落ち葉が積もった軟らかな土の登山道だけに雨が降ると、水分を多く含み滑りやすい。
登山道には三合目から四合目、四合目から五合目と区切りごとに標が立てられている。
それを目安にしながら歩いていく。
次までの距離とおおよその時間を見ながら進んでいく。
足元には木の根がビッシリと張ったところや、水が溜まっているところ。
木を埋めて足場を整備したところなど濡れて滑りやすい場所がとても多い。
順調に標高を上げていくこと1時間ほど。
五合目から六合目へ差し掛かる頃になると周りを覆っていた木が笹に変わってきた。
足元の土はだんだんと岩が混じるようになり、縄が掛けられているところや鎖が張ってあるところも見える。
勾配は段々ときつくなり、それまで点在していた水たまりは無くなった。
足元の石を登り、ひときわ高くなった段差を越え七合目から八合目。
するとすぐに先に明るく開けた様子が見える。
登山口から1時間25分。湿原に出た。
湿原を山頂へ
ガスが張った湿原は眺望は無いものの、黄色くなった草と池が幻想的な風景に見える。
霧の中へと続いていく景色を眺めながら木道を歩き、まだ1キロ以上ある山頂へと登っていく。
九合目を過ぎると湿原は樹林帯に変わり、足元には水たまりと大きな石が転がった登山道に変わった。
深く水の溜まった場所は歩きづらく石の上は滑る。
5分ほど木の中を歩くと、ふたたび湿原に出た。
700ヘクタールといわれる面積が実感できるような広大な湿原で、びっしりと張っていたガスも風と一緒に晴れ上がってきた。
苗場山の湿原風景
ガスの晴れた湿原は草が赤くなり、池は空を映し、湿原の先には雲が流れている。
赤倉山との分岐を過ぎて木道は緩やかに上っていく。
苗場山の山頂は丸く盛り上がった丘のようになっており、周りには木が茂っていた。
まわりには湿原が広がって池が点在している。
山頂近くの苗場山自然体験交流センターの下まで行くと、役行者を祀った石碑が建てられていた。
苗場山山頂へ
木に囲まれた小高い丘が苗場山の山頂。眺望はほとんどなく、景色を楽しむのは山頂から離れた湿原から。
登山口から約2時間で到着することができた。
山頂部分は木に覆われているため、山頂台地の眺めを楽しむのは交流センター付近か、少し離れた木道の上から。
広く板が敷かれた場所もあり、休憩にはちょうど良い。
この日は雲が多く周囲の山並みを見ることはできなかったが、広い草原から眺める上信越の山々も苗場ならでは眺めといえる。