高峰高原から篭ノ塔山へ
小諸市からチェリーパークラインを上って高峰高原へ。
高峰高原ホテルの裏手にあるビジターセンターには40台ほどの車を停めることができる。
ビジターセンターの先にある高峰温泉にも駐車場はあるものの、そちらは温泉客が優先のため今回はビジターセンターから歩く。
ゆっくりと到着したビジターセンターには、駐車場の空きが多く、すでに帰り始める人たちも見られた。
周囲の散策程度で訪れる人も多く、特に登山装備ではない人も楽しんでいるようだった。
到着はゆっくりめ。
帰っていく人もいる。
ビジターセンターからは15分ほど未舗装の林道を歩く。
ゲレンデ越しに篭ノ塔山の稜線が見え、その距離が意外と遠くにも感じられる。
高さは感じられないながらも、この距離感はなかなかのもの。
高峰温泉に停められれば近かった・・・
途中、高峰山への登山口を過ぎ、駐車場から17分ほどで高峰温泉に到着。
ランプの宿の駐車場の傍らから水ノ塔山への登山口が続く。
序盤は緩やかで細かな折り返しが続く。
背の低い笹と落葉松が多く、きっと秋にくれば華やかな登山道が楽しめるのだろう。
これ。熊もいるのかな。
うぐす展望台
登り始めて5分ほどで景色が開け、左側に緑の濃い樹林帯が見下ろせる。
うぐいす展望台と呼ばれる場所で、足元には落葉松の落ち葉とたくさんの石。
その石に乗って、少しでも木より高く見渡そうと背伸びをしてみるものの、この日は雲が厚く、それ以上の眺望も得られなかった。
展望台というほどいろいろ見えるわけでもないのだね。
展望台を過ぎると、いったん登山道を下っていく。
ゲレンデを右側に見ながら、ふたたび緩やかな登り返し。
木々が開け、まるで火山のような砂礫の登山道と、落葉松のフカフカとした登山道を繰り返し、ゆっくりと標高を上げていく。
この登りは意外なほどに大変だった
水ノ塔山
登山口からの標高差を思うと、そう大変な登りではないと考えていた水ノ塔山までの道のり。
たくさんの石が広がった高い段差は意外と足への負担も大きく、そう登った印象も無いまま疲労感はたっぷりと。
登山口から55分、水ノ塔山の山頂からは雲の下に麓の東御市が少しだけ見える。
西側に見える東篭ノ塔山はほぼ同じ高さにも見える。
あの山頂へは、稜線を下り鞍部から登り返していく。
この稜線も眺めの良いポイントで、篭ノ塔山の中ではぜひ歩いておきたい場所。
雲が無ければ眼下に佐久平を見ながら楽しめるはず。
あの稜線を歩かなきゃココに来た価値がないと思う
東篭ノ塔山へ
水ノ塔山からは山頂部を巻くようにして厚い木々の中へと入っていく。
一見して藪のようにも見えるほど登山道いっぱいに茂っている。
足元は大きな石の段差が続き、緩やかながらも下っていく登山道は難しい。
藪みたい。
藪よりは歩きやすいけど。
ちょうど顔の高さに木の葉が茂り、中にはシャクナゲのような肉厚の葉や、松のような尖った葉もあり、注意するところが多くなかなかに大変でもあった。
天候のせいか土の上は湿っているところも多く、そのために滑りやすいというほどではなかったものの、やはり注意をして歩きたい場所だった。
山頂部から木々の中を歩いてすぐ、2・3分ほどで開けた稜線に出た。
足元は狭く、谷側は深く落ちている。
歩く幅は十分にあるので、高度を感じるほどではないものの、間違いなく滑り落ちることのできる斜度。
石でできた段差も多く、躓くことも考えられるため、眺望にテンションを上げて足元が疎かにならないようにと心がける。
躓いて転んで、そのままコロコロってなりかねない
木の中へ入ったり出たり
登山道はいったん木々の中へと戻り、細い尾根上を歩きながら、また眺望の良い稜線へと出る。
少しずつ角度を変え、水ノ塔山からは分からなかった西篭ノ塔山が見え始めた。
東篭ノ塔山と並ぶ篭ノ塔山の山頂部なので、ぜひ西篭ノ塔山も抑えておきたいところ。
ただ稜線から見るふたつの峰の間には、考えていた以上の鞍部があり、簡単に歩かせてはもらえなそうな雰囲気が感じられた。
高峰高原から見えた山頂部と稜線は、遠いと感じられたものの実際に来てみると思っていたほどの遠さもなく。
ただ振り返ってみればビジターセンターが小さく遠く見えるため、やはり遠くから来たものだと感じられた。
もっとも低い稜線まで下りると、そこからは木々に囲まれた斜面を登り返す。
岩の切り立った上を歩き、高い岩の段差を登って山頂へと近づいて行く。
このあたりではシャクナゲが多く、5月か6月ごろにはきっと花のトンネルのような登山道が続くのだろう。
シャクナゲといえば秩父の山だけど、ここは木が迫っている分だけトンネル感が凄いと思う
登り返しは、見ていたほどの高さを感じる前に山頂が近づいた。
木々の中からも先に明るい光が見え、そう高く登らなくても山頂に出るという雰囲気が感じられ足に力が込められた。
先は明るい。
ぜったい山頂近いって思い込んでる。
は・・・着いた
篭ノ塔山山頂
篭ノ塔山の最高地点、東篭ノ塔山へは登山口から1時間29分ほどだった。
傾いたガレ場で、広く開けているため、人が多くても腰を掛けて休むのに十分だった。
浅間山方面を振り返ると、黒斑山の上に控えめに山頂部を覗かせている浅間山。
間近にある西篭ノ塔山はおそらく30分ほどだろうかという距離で、南側にある池ノ平湿原はとても平らで見るからに湿原だった。
見えるであろう東御や上田の市街地は雲に隠れてしまい、そこにあることが想像できる程度だった。
あとは・・・西篭ノ塔山へ行くかどうか悩んでる
やっぱり西篭ノ塔山へ行こうと思う
西篭ノ塔山へ
東篭ノ塔山から西篭ノ塔山へは、いったん下りて登り返していく。
登山道には木の葉が迫り出し、足元を隠している中、真っ正面に見える西篭ノ塔山はなかなかに格好が良い。
円錐形の均整の取れた形で、モヤモヤと掛かっている雲が雰囲気を醸しているようにも見える。
鞍部に下りるのは山頂から5分ほど。
見た目ほどの時間も掛からずに東篭ノ塔山を下り、西篭ノ塔山への登り返しが始まる。
たくさんの針葉樹に囲まれ、緩やかな斜面を右へ左へと折り返していく。
こっちの山も石がいっぱいなのか
木々の間を抜け、大きな石のガレ場に出ると西篭ノ塔山はすぐ。
しっかりと埋まった石ではなく、石の上に石が積み重なったような状態で、浮き石も見られる。
東篭ノ塔山から14分、登山を始めて1時間43分での西篭ノ塔山だった。
片道30分ほど掛かるのではないかと思われた両峰は、意外と短時間で登ることができた。
意外と早かった
西篭ノ塔山
西篭ノ塔山へ来ると、池ノ平湿原はさらによく見える。
浅間山も角度が変わったせいか、山頂部の見える面積が増えたようにも感じられた。
湯ノ丸方面にある人工物が間近に見え、もうここから下りた方が早いのではないかと思えるほど。
しばらくここで時間を過ごし、東篭ノ塔山から池ノ平湿原へ向かって下山を始めた。
下りるの面倒くさい
池ノ平湿原への下山
西篭ノ塔山から東篭ノ塔山へ登り返すと、天候が好転して浅間山がよく見えるようになっていた。
水ノ塔山と、外輪山の向こうに見える浅間山も良く、特に前日に噴火した煙がモウモウと上がっているのは迫力があった。
ここにきての晴れは予想外
東篭ノ塔山から池ノ平湿原へは近い。
すぐ近くに見える湿原へ向かってガレ場を下りていく。
池ノ平湿原の方へは歩きやすい
池ノ平湿原への登山道はキレイに整備されているために歩きやすく、みるみるうちに標高を下げていく。
下りが緩やかになり、平坦なところからゆっくりと登っていく。
東篭ノ塔山から20分ほどで池ノ平湿原まで下りてくると、駐車場にはたくさんの車が停まり、湿原のまわりを散策する人が大勢。
その人たちに混じって高峰高原へ林道を歩いて行く。
林道に出たのだけど、右へ行くのか左へ行くのか・・・
左へ行く
池ノ平湿原から高峰温泉まで約3.5km。
篭ノ塔山の稜線を見上げながら下りていく林道で、上から見るおだやかさとは違い、林道から見る崩落した山肌は迫力があった。
下り坂は水ノ塔山の直下まで続き、下りきったところから登りへと変わる。
高峰温泉まで30分ほど、さらにそこから15分ほど歩いて高峰高原のビジターセンターへと戻った。
高峰温泉はとても良いらしいので今度は入ってみたい