笠ヶ岳へ峰の茶屋から登る
笠ヶ岳は志賀高原にある峰のひとつで標高は2076m。
群馬県草津町と志賀高原を繋ぐ主要な道路から外れているため、登る山というよりは眺められる山といった印象で、特に横手山から見る鋭い二等辺三角形はインパクトが強い。
山頂直下の山小屋までアスファルトの車道が続いているので登山口へのアクセスが良いばかりか、行程も非常に短く、コースタイムで30分ほどとなっている。
ただ、急な階段が続くため距離の短さや高低差の無さで軽く見ていると意外と負荷が高い。
まだオープンしていない峰の茶屋の前に車を停めて準備を整える。
ここからでもすでに眺めが良く、眼下には山田牧場と長野市街、草津白根山からの稜線が見える。
今日は山頂でカップラーメンをしよう!
登山道へと入ると、さっそく階段が始まる。
緩やかな坂に備え付けられた階段は、段差も高くなく歩きやすい。
階段だから大丈夫っていうのと、階段だからツライっていうのと両方ある・・・
登山道の周りは笹が茂り、風の通りも良い。
この日、予報では30度を超える気温になると伝えられていた。
2000m近い標高の地点では、さすがに30度の気温を感じることはなく、しかも笹の隙間を通ってくる風が心地良い。
汗を流して登ることを想像していたところ、拍子抜けをするような爽やかさだった。
登山口から折り返しながら緩やかに登っていく階段。
10分ほど登ったところで、それまで甘やかされたいたかのように、急な階段に変わった。
段差も高く、つま先を高く上げながら登っていく。
これ絶対に転んだらいけないと思う。
止まるキッカケが無い。
見下ろせばすぐ近くに見えると思っていた登山口は、かなり下の方に見えるように変わっていた。
こんなに雪が残ってるの??
階段が終わると、それまでの急斜面がなだらかに変わる。
湿った土に小石の混じる地面を踏んで緩やかに歩くと、50センチほどに積もった残雪があった。
固く締まっているため、足を乗せても埋まることはない。
ただ、この暑さで雪の下に穴があったり、そこを踏み抜くようなことがあったりと想像できた。
なだらかな斜面といっても、雪が残っていると滑りやすく、特に夏用の靴では、ソールを雪に挿すように意識をしながら歩く。
雪で登山道の形跡が消えているようなところもあったものの、そもそも距離が短いことや足跡が見えたため、特に難儀することもなく進んで行く。
ズボッてなったら、スネや膝がけっこう痛いという想像が働く
山頂直下は、急な岩場。
登山道が露出していれば、そこにはロープが架けられ、高い岩の段差を踏みながら登っていく。
ただ、今回は急登に残る雪。
段差の穴を跨いで雪が残っているので、足の置き場所によっては深く踏み抜く可能性も高い。
ズボッてならないことだけを考える
注意深く足元を見て、雪の斜面を登っていく。
斜面を登って山頂はすぐ。
登山口から18分ほどで木々の開けた山頂に到着した。
カップラーメン!
志賀高原を一望する笠ヶ岳の山頂
笠ヶ岳の山頂からは間近に見える草津白根山と横手山、登山道の方を振り返ると岩菅山が見えた。
巨石が多く埋まっている山頂で、石の上に乗るとさらに眺望が楽しめる。
西側は枝葉に遮られていることもあり、石に足を掛けて伸び上がるようにして眼下を見下ろす。
遠く長野市街や、さらに北側の市町村も眺めた。
暑く霞んだ景色だったため、戸隠連峰や妙高山をはじめ、北アルプスを美しく眺めることができなかった。
ひときわ大きな石の上には佐野神社奥社が祭られ、麓の山ノ内町にある佐野神社を見下ろすような向きで石造りの祠が置かれていた。
山頂の巨石は、祠が祀ってあるから登ってはいけないのだと思う
笠ヶ岳から下りる
山頂からの下山は、登りと同じ急な階段へと下りていく。
まずは山頂直下の雪の積もった岩場を下りる。
登りよりも下りの方が遥かに難しく、雪の踏み抜きと滑り落ちる不安を抱えながら、慎重に足を置いていく。
下りてしまえばあとは気楽で、登ってきたとおりの道を、真下に見える峰の茶屋へ向かって下りていった。
下りたら山田牧場でソフトクリーム