登山口がまさに雄大

御飯岳

2160m

毛無峠 2018年5月28日

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御飯岳は長野と群馬の県境に聳える山。
東側には草津白根山、南側には浅間山や四阿山、北側には志賀高原の山々と、三方向を山々に囲まれ、唯一麓を見下ろすことのできる西側も大平山が視界を遮るため、僅かながらにしか眼下の眺望を見ることができない。
西側の街からも御飯岳を望むのは難しく、破風岳や毛無峠までは比較的見やすいものの、御飯岳となると稜線のなだらかさもあってか山頂部を見ることは難しい。

明治・大正の時代、御飯岳の近くにある毛無峠では硫黄の採掘が行われており、廃坑となった今でもその名残として鉄塔が残されている。
夏季のみ毛無峠へと車道が開通しているため、1800mを超える眺望が気軽に楽しめることもあり、まばらながらも人がよく訪れている。
インターネット上で群馬県をグンマーと呼ぶネタとして、毛無峠は知られている景色で、車でその地点まで行くこともできる。

毛無峠から登る御飯岳

開通時期は毎年5月下旬。
ちょうど残雪が溶けて新緑の季節で、山菜採りにこの付近を訪れる人も多い。
花の多い山ではなく、全体を厚い樹林帯が覆っているため、毛無峠から離れるほど眺望も無くなるが、登山口の毛無峠から10分ほどで登ることができる毛無山からの笹原は気持ちが良い。
緑が鬱蒼と茂る前に廃坑の名残と笹原を楽しみに御飯岳へと向かう。

歩いたコース

登り
毛無峠
下り
毛無峠
最高標高
2160m
登山口標高
1831m
距離
4.89km
累積標高
481m
480m
平均斜度
11.2度
時季
2018年5月
天気
曇り
日程
日帰り
歩いた時間
登り0:49/下り0:35/合計1:26
平均した歩行速度
3.41km/h

この日のペース

  1. 毛無峠
  2. 毛無山(0:10)
  3. 前御飯
  4. 御飯岳山頂(0:49)
  5. 毛無峠(1:25)

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山と高原地図 志賀高原 草津白根山・四阿山
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ビューポイントとして知られている毛無峠からの御飯岳でした。
毛無峠への車道は5月下旬まで通行止めになっているので、開通から3日ほど時間をおいたタイミングでの登山となりました。
群馬県をグンマーといってしまうインターネット上のネタは、人によっては気分を害することもあるかとは思いますが、こういった景色の美しいところがあることを知るキッカケも持てるのかなとポジティブに捉えることもできると思います。
実際、疎らながらもこの場所を楽しむ人がいて、文化や歴史を知ることもできるかと思います。

毛無峠からの登山道に、ほぼ雪は無く、刈り払いもキレイにされた状態で、とても歩きやすかったです。
序盤の笹原からの眺めが素晴らしく、樹林帯に入ってからの静かで平坦な登山道も、山深い雰囲気で静かな登山を楽しむことができました。

持って行った水の量

登山口の毛無峠へ

長野県側からは須坂東ICから高山村へと向かい、群馬県道・長野県道112号大前須坂線へ。
群馬県側からは万座温泉方面から大前須坂線へ。
毛無峠までは狭く荒れたアスファルトの道路を車で向かうことができ、車道の行き止まりに車が停められるスペースがある。

毛無山はビューポイントとしても知られる場所で、天候が良い日なら必ず誰かが眺望を楽しんでいると印象がある。
御飯岳に背を向けるようにして、鞍部から西側には破風岳、土鍋山、南側に浅間山が大きく見え、長野市街への視界を遮る山肌の緑も美しい。
硫黄採掘の名残で荒れてしまった山肌や、そこに残された鉄塔は、見慣れない景色で珍しく、山深い景色と合わせて非日常的な雰囲気が感じられる。

御飯岳登山

そういえば前はココまで来てお腹壊して帰った・・・

アスファルトの割れた車道の行き止まりに車を停め、すぐ横にある御飯岳登山口から登山を開始する。
ロープが張られているため入って良いのか躊躇するが、矢印が登山口と示していることもあり、踏み跡も見られることから、様子を伺いながらまずは間近に見える毛無山へ。

毛無山は毛無峠から10分ほどで登ることのできる小さなピーク。
登山口からの高低差は100mほどで、峠側には黒く錆びた鉄塔が建ち並ぶ。
赤い土に白い石が脆く散らばり、グリップの効かない歩きづらさはあるものの、左右に広がる景色が物珍しく、楽しみながら登ることができる。
鉄塔を過ぎると登山道らしき窪みは右の斜面へと折れ、ガレた土から笹原の中を登る登山道へと変わった。

毛無峠を振り返る

毛無峠から10分ほどで毛無山へと登り、振り返ると標高を上げた分だけ破風岳への眺めが変わり、また少し変わった雰囲気が楽しめた。
毛無山から見る破風岳と、その奥へと続く土鍋山とその稜線は魅力的で、毛無峠から御飯岳という行程ももったいなく、できれば三山を渡って歩きたいと思える。
山頂部にはケルンが積まれ、そこに鉄棒が倒れ立て掛けられていた。
東側の景色が開けてみるため、本白根山の赤く丸味を帯びた峰と、雲に霞んだ中に榛名山の尖った峰々を見ることができた。

御飯岳登山

ここでも十分に満足度は高い。

毛無山の山頂は緩やかな傾斜地で、笹とハイマツが茂った状態。
規模は小さく狭いものの、台地の奥に山並みが見えるところなどは北アルプスの奥部で見られそうな雰囲気があり、この手軽さでこの眺めであれば十分な満足感が得られた。
山頂部から御飯岳方面を望むと、笹が茂った鞍部へと下り、登り返して木々の中へと登山道が続いていくのが見える。

高低差は少ないが、傾斜のきつい下りと登り返しで、笹原の気持ち良さとは反対に太股には負担が大きい。
キレイに刈り払われて歩きやすい登山道と、その左右に広がる膝丈ほどの笹を見渡し楽しみながら、樹林帯へ登り返し、ときどき振り返っては毛無峠の眺望を楽しんだ。

御飯岳登山

「笹=熊」という想像もしてしまうのだけど。。。

樹林帯に入ると周囲の眺望はほとんど無く、近くに生えた笹と木々に囲まれて、行く先に登るであろう峰が見えるだけ。
序盤の登山道はなだらかで、下りも登り返しもなく、すぐ山頂に着くのではないかと思えるほど。
目の前にも高い峰が見え、距離的にそれが山頂だとも思えてくる。
平坦にも感じる緩斜面の登りを過ぎると、段差の高くなり、それまでの刈り払われて広々としたところから、木々の間を縫うような狭さに変わった。 笹原の歩きやすさから足元も雰囲気も一変し、これはこれでおもしろいと思いながら、枝の間から見える青空から山頂も近いのではと感じられた。

狭い登りは5分と掛からなかったほど。
登り切ったと思ったところから、高い段差を下り、再び緩斜面が続く。
この時点で山頂が近いと思っていたのは誤解で、さらに先に峰が続いているのが見えた。
笹に囲まれた緩斜面を行けばその峰に近づく安心感のある刈り払い具合で、ときどき木を縫うように避けながら歩いて行く。

御飯岳登山

眺望は無いし意外と長いな。。。

一気に高さを稼ぐハシゴのような段差の急斜面があり、落ち着いた緩やかさから心拍数を高めて駆け上がる。
この急斜面を登れば見えていた峰は近く、そこが山頂部だろうという想定をし、登り切ってから山頂標を見落とすことのないように注意深く周りを見渡した。
平坦で笹に囲まれた登山道。
ここが山頂と書かれていても疑わないと思える。
山頂の標が小さく寂れたものだとは知っていたので、急斜面を登ってからの緩斜面が下りに差し掛かっていくのを、すでに山頂部は過ぎたのかもしれないと不安になるほどだった。

御飯岳の山頂

緩やかな斜面を右へ左へと折れながら、登り坂は下りに変わっていく。
山頂はどこかと思いながら、徐々に木々の先が見えてくると、この緩斜面から下って登り返した先に、さらに高い峰があるのが見えた。
そういえば御飯岳を見上げたときには3つほどの峰が続き、登山道上に登り返しの必要な鞍部があることが見えていた。

20mほどの高さを下り、緩い傾斜を過ぎてまた一気に登る。
すると平坦な登り坂へと変わる、登山道のこれまでと似たような雰囲気のアップダウン。
その緩斜面の中で、もっとも高いであろうと思われた丸く平らな場所を通り過ぎ、刈り払われた中をさらに進むと、突然登山道が左へと折れ、山頂を示す鉄棒が建てられていた。

御飯岳と書かれた鉄板は錆びて文字を読むのが難しく、笹の刈り払いもここまでで終わっていた。
周囲の眺望はほとんど得られず、木々の間から僅かに横手山が見えるのと、登山口の毛無峠方面が見える程度だった。

毛無峠からは49分。

御飯岳登山

あ。着いた。

標高差や横の移動が少ない行程ではあったものの、笹に囲まれ大型野生獣の生息域というイメージと、眺望の無さが不安を煽る登山道だった。
実際の時間以上に体感時間が長く感じられたのもそういった気持ちが大きかった。

毛無峠への下山

御飯岳山頂からは登ってきたルートをピストンで戻る。
アップダウンは繰り返して標高を下げていくが、高低差は大きくないため、全体的になだらかな歩きやすい印象が残る。
樹林帯を過ぎ、笹原へと戻ってくると雲の多い天候に変わっており、また少し違った雰囲気の毛無峠を見ることができた。
破風岳の山肌に繁る笹と、街から切り離されたような眺めが美しい行程だった。

御飯岳登山

やはりこの山は笹原が一番イイ

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使った登山道具

毛無峠笹原からの景色

毛無峠笹原からの景色

長野県と群馬県の境にある毛無峠。
御飯岳へはこの峠から稜線伝いに笹平を進み、樹林帯を通って山頂へと向かいます。
序盤の笹が広がる鞍部は、この登山道の象徴的な場所。
行く先に見える御飯岳の緩やかな峰、笹平を通過して振り返って見える破風岳、霞む先には四阿山や浅間山と見応えのある景色が広がります。
すぐそこに車道があるとは思えないほど雄大な景色が広がり、山頂へ行かなくてもここで良いんじゃないかと思うほど。

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