子檀嶺岳へ登る最短のコース
青木村から麻績村へと抜ける修那羅峠の手前、子檀嶺岳を巻くようにして西側から山へと入っていく。
上田市から青木村を通るときには、ずっと右手側に見上げるように聳えている。
周囲には似たような高さの山が多く聳えている中で、子檀嶺岳の特徴的な形はひとめで存在が分かる。
青木村内を走る国道からは険しい岩壁が見え、子檀嶺岳はとても高い山のようにも見える。
山に登るというより、このへんの温泉に入りたい
田沢温泉へ向かう道路から修那羅峠に近づくと、子檀嶺岳の形も分からなくなり、森と山の斜面が間近に見える。
みすず精工の看板から国道を離れて折り返しながら上っていくと、未舗装の林道が見えた。
前日までの湿り気で、見るからに泥濘んでいる。
ゲートの手前に車2・3台が停められる程度の空き地があった。
木々の伐採などの大型作業車が通るため、通行の邪魔になったり泥が跳ねて車に着いたりすることのないように、できるだけ路肩に寄せて車を停める。
とはいえ、草の生えたなかに車を突っ込むのも気が引けて、邪魔にならないだろうと思える程度に寄せた。
準備を整えていると、さっそくゲートを開けて作業車が通って行く。
なんか仕事の邪魔をしている気になってくる
しばらく続く林道
ゲートからはしばらく林道を歩いて行く。
大型の車が練り回してドロドロになっている林道。
足元は滑るし泥は跳ねるし、伐採作業をしている林業の方々からは邪魔に見えているのだろう。
邪魔にならないだろうと思う場所を選びつつ、泥濘んだ足元を避けて、できるだけ路肩や轍の草を踏んで行く。
林道は分かれ道になっているところもあるため、建てられている看板や、以前に登ったときの山の地形から正しい方向を考えて進んだ。
どっちだっけ?っていうところもありました
泥濘んだ足元に苦戦しつつ25分ほど林道を登ったところで、ようやく登山道の入口に着いた。
ゲートから車を入れることができれば、ここが登山口ということになる。
同じ登りなら林道を歩くより登山道を登りたい
ここから尾根に出るまでの、ほんの数分の急登。
林道を長く歩いてきたために登山道らしい足元は新鮮で、意外にもここまでの約30分が太股に堪えているのが分かる。
こんなにも勾配のキツイ登り坂を難なく登ることができるのだろうかと思えてくる。
一気に呼吸が荒くなり、なんなら肺が痛むような気がしながら、間近に見えている尾根へ向かって太股を持ち上げる。
こんなに間近に見えているのに遠い尾根だった。
きつい
ゲートから30分
尾根の上に建つことができたのは、ゲートからちょうど30分ほどが経ったところだった。
山の形に沿って緩やかに下り登りを繰り返し標高を上げていく。
進むにつれて尾根は細くなり、特に右側は明らかに深く落ちた谷のような状態。
急な登りを繰り返して、そのたびに山頂はそこだと思い込み、登り切ってはガッカリする。
どうして着かない・・?
登り始めでは晴れる様子も無く、曇った空が広がっていたのが、尾根の上を歩いているうちに光が射すようになった。
もしかして景色が見られるのかもしれないという期待と、だからといって暑いのも蒸すのも嫌だという気持ち。
なかなか着かない山頂を心待ちにしながら、ようやく登った先に社殿が見えた。
たぶん15分ぐらいの尾根道だけど長かった
子檀嶺岳の山頂
ゲートから46分
子檀嶺岳の山頂には神社が建てられている。
麓にもある子壇嶺神社の奥社で、青木村や上田市を見下ろすように南側を向いて建っている。
ちょうど山頂の南側は岩壁になっているため木々が無く眺望もイイ。
ただこの日は前日までに雨が降っていたこともあり、雲が厚く山頂からの眺めを楽しむことはできなそうだった。
景色は期待していなかったから良いのだけど虫は嫌だ
大きなハエやトンボが飛び回っている山頂で、少しの時間を過ごした。
すると雲の切れ間から青木村が見え、もうしばらくすると上田市街を一望する程度には景色が見えてきた。
遠くまで見渡すことができなくても、もともと期待をしていなかった景色が見られるのはありがたい。
夜に星を見るというのも楽しいんじゃないだろうか
下山
子檀嶺岳での景色を楽しんだあと、登ってきた尾根道を下りていくことにした。
登りでは気にしなかった尾根上の急登は、下りでは滑りやすそうな雰囲気で気を遣った。
なんとか尾根上の分岐まで戻ってくると、ここからが難易度の高いところで、粘土質の湿った土の上を下りていく。
林道まで戻ると、あいかわらずの泥濘んだ坂を下りていく。
大型の車両が停まっていたり走ってきたりことはなかったものの、ジムニーがタイヤを滑らせながら上がってくる様子は迫力があり、足を停めて眺めていた。
ジムニーが泥の中をぎゅいんぎゅいんに走ってくるのがカッコ良かった